旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:ほうれんそう
難易度:★★☆☆☆
旬のほうれんそうは栄養価も倍増!
ほうれんそうは寒くなると美味しさが増す野菜です。その理由は、寒さから身を守るために糖をため込むためです。これは他の冬野菜も同様です。そのため、他の季節に収穫されるものよりも冬に収穫されたもののほうが甘味があり、青臭さも少なくなるのです。ほうれんそう嫌いの人も旬のほうれんそうなら美味しくいただけるかもしれません。
さらに、ビタミンCの含有量も増え、春夏に収穫したものよりも冬に収穫したものの方が含有量が約3倍になることもわかっています。
近年、ちぢみほうれんそうというものをよく見かけますが、これは栽培方法が違うだけで同じ品種の冬限定野菜です。冬に露地栽培にすると日照時間の短い冬でも日光に当たりやすいようにと地面を這うようにして葉を広げ、葉も縮れたようになるのです。この栽培方法により、甘味やうまみが増すだけではなく、えぐみも少なくなります。
ところで、ピンクの根っこの部分を捨ててしまってはいませんか? それはもったいない! ほうれんそうは根っこが一番美味しい部分なのです。根っこの部分には、葉や茎の部分よりも糖分が多く含まれているうえ、抗酸化作用のあるポリフェノール(ピンクの色素)も含まれているためです。
口の中がキシキシするような独特のえぐみが苦手でほうれんそうが嫌いという人は多いのではないでしょうか? このえぐみは「シュウ酸」という成分が原因です。
シュウ酸は水に溶け出す性質があるため、 サッと下茹でをすることで取り除くことができます。また、電子レンジで加熱する場合は加熱後に冷水に浸しましょう。このひと手間を加えればソテーなどにしてもえぐみを感じることがなくなるはずです。
美味しいほうれんそうの見分け方
葉の緑色が濃く、鮮やかで、厚みのあるものには強い旨味があります。付け根部分が太く、根っこから茎まで赤みがあるものは甘味が強い証拠です。また、葉、茎の色が濃いものは栄養価が高い傾向があります。
ほうれんそうの注目栄養素
血液を作るうえで欠かせない鉄と葉酸が豊富で、貧血改善をサポートします。他にも、代謝を高める、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6がたっぷりなので、疲労回復効果も抜群です。
ここで注意点が。前項でご紹介したシュウ酸は、鉄やカルシウムの吸収を阻害したり、結石を作る原因となる成分です。貧血気味の人、結石ができやすい人は、前項のような方法でシュウ酸を除去してから調理しましょう。