今年も猛暑の夏、連日の熱帯夜で眠りは浅く疲れがたまる一方。少し歩いただけでも汗が吹き出し、ついつい冷たい飲みものをガブ飲み……。そんな状態を繰り返すうちに食欲減退の悪循環に陥ってしまいます。
昔から夏バテ防止にはうなぎ、豚肉、レバー、など精のつく食べ物が代表されますが、食欲が落ち込んでいるときにコッテリしたものは逆に胃に負担がかけ体調悪化に拍車をかける場合も。
そんな悪循環を断ち切るための意識的に摂るべき食べ物を紹介します。
文/藤岡操(フードコーディネーター・栄養士)、写真/Adobe Stock
【1】熱中症対策には断然 「みそ汁」
「夏にみそ汁?」と思われるかもしれませんが、一杯のみそ汁が熱中症対策に有効。
汗で失われるナトリウム、カリウム、マグネシウムなどが豊富に含まれ、さらに味噌やだし汁には心身をリラックスさせる働きもあります。
味噌には、発酵の過程で生まれるメラノイジンという強力な抗酸化成分が含まれています。また、味噌に含まれる遊離リノール酸には、シミの元になるメラニンの合成を抑制する働きも! 夏バテ対策はもちろん、美肌づくりも期待できるのです。
「夏に熱いみそ汁はしんどい……」という場合は、『冷や汁』でもOK。タンパク源に豚肉や豆腐、ショウガやすりごまなどを加えるのがおすすめです。
【2】隠れ貧血対策には 「サバ缶」
サバ缶には、ココロとカラダの健康に欠かせないタンパク質、ビタミンB群が多く含まれています。不足しがちな鉄も豊富で、疲れの原因のひとつであり、男性にも多い“隠れ貧血”の対策にも有効です。
また、現代人の多くが不足しているオメガ3もたっぷり! オメガ3は強力な抗酸化作用で、炎症を抑制し、血流を改善。その結果、筋肉疲労や眼精疲労の改善にも役立ちます。自律神経のバランスを整える働きもあるので、ストレス対策にも力を発揮します。
軽く汁気をきったサバ缶とキムチ、大葉などをごはんにのっけて少しポン酢をかければ、火も包丁も使わず、手軽なビビンバの完成!
暑い日にもぴったり。キムチの発酵パワーは腸のケアにも役立ちます。