さて、第二部はバーである。一説によると単位面積当たりのバーの数は都内一と言われるくらい、神楽坂はバーの多い街。
画像ギャラリーいろんな顔で居心地よし バー天国神楽坂をめぐる
とはいえ、バーとひと口に言ってもいろいろある。で、探し求めたのは、背伸びし過ぎない、神楽坂らしい居心地のいいバー。バーはまた、街の雰囲気を映すのもいいところだからねえ。
というわけで、たどり着いた1軒目は『BAR MULE』
〝バーらしさ〟をアットホームに味わいつついい酒を
写真:パッションフルーツのカクテル 1200円、ブランカ 800円
小栗横丁を入って行って、さらにひょいっと小路を入った路地裏のロケーション。
ほどよいスケール感でゆったりしてるのがいいね、だ。
季節のカクテルから、ちょいとレアなボトルまで幅広いのもいいし、自家製のフードに一工夫ありで、気が利いて酒に合うのも好印象。
ウイスキー好きのオレが、昔のブレンディッドを飲みつつ、
「旨いねえ」なんてマスターと話し込んでいると、横で武内は女性スタッフの立ち居姿にぼーっと癒されていたようだが、それもありだ。
「シックでアットホームな雰囲気を造っていきたい」とマスターの言うように、すっと落ち着いて長居したくなるようなバーである。ひと月前から皆で試作して完成させるという季節のカクテルもよいし、レアなヴィンテージ・スコッチも魅力。 [交]地下鉄有楽町線ほか飯田橋駅B3出口から徒歩3分
さて、2軒目。こちらはしっとり「和」の延長線上にあると言ってもいい、『和酒BAR 風雅』だ。
艶のある古民家空間で和酒と料理を心ゆくまで
知らねば一見何の店だかわからない、奥まった路地の先にある一軒家の古民家バー。
「和酒BAR」の名前通り、ここは国産の酒に特化している。日本酒はもちろん、焼酎、国産ワイン、ウイスキーまで。その品揃えにもうーむと唸るものがあるのだが、それに合わせて珍味から温泉湯豆腐、陶板焼きのコースまで、腹具合で食事もしっかり楽しめるのもアドバンテージ。
ついでにこの艶のある雰囲気は、男2人で来るのはちょっともったいなくねえか……。
「日本酒BAR 風雅」は古民家の〝和酒BAR〟として国産に特化したこだわりの酒が揃う。日本酒に関して言えば随時20種類くらい。季節のものも楽しめるように、カウンターにいる店長銭谷さんが仕入れている。
そして三たび雰囲気は変わって、最後は『BAR 家鴨社』である。
レコードが回り、大人の距離感で、自分の時間に浸れるバー
ここは調光がなんていうか自室のような柔らかな明るさ。
9席ながらそれが実にゆったりしたレイアウト。そしてレコードで音楽を聴きながら、ゆったりと酒が飲めるのである。ちなみにレコードはロック、ジャズからJポップまでマスターが集めたオールジャンル。
つまるところ、ボーッとできるいいバーである。
深夜には地元の人もよく訪れるとか。というわけで、最後の探訪くらいは別連れとしっとりめの一杯を。
やっぱ、いいねえ。許せ、武内くん!
本を読めるくらいの明るさ(店内には店主収集の本もある)。カウンターの奥行きや椅子と椅子との距離も近過ぎず、大人の距離感。これ、すべて計算で、「バーでは思い思いにゆったり過ごしてほしい」という。
[交]地下鉄東西線神楽坂口から徒歩3分、都営大江戸線A3出口から徒歩3分
2016年7月号発売時点の情報です。
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