山口県の山陽本線でハモ三昧&へたこ飯/2006~2019年
2009年まで走っていた東京駅発九州方面行きの寝台特急は、“ブルートレイン”の愛称で人気がありました。
東京駅から夜を走り、朝になって明るく撮影ができるのが山口県です。
穏やかな瀬戸内海を見ながら走る特急が魅力的でした。
山口県内の山陽本線を走る特急富士・はやぶさ(2006年撮影)
朝の、ブルートレインの撮影が終わると、海岸線の撮影をすることもありました。
よく行ったのが富海(とのみ)駅近くの漁港です。
小さな漁港の雰囲気が気持ちいい撮影地です。
富海駅近くの漁港(2006年撮影)
ある日のこと。
静かな港からバシャバシャと音が聞こえます。
港からバシャバシャ音が聞こえる(2006年撮影)
よく見ると……イ、イヌ……!?
なんとも感動的な走り。
しばらく飛び回っていました。
撮影の合間の忘れられない光景です。
海を飛び回るイヌ!?(2006年撮影)
そして今年。
九州からの帰り道に、この撮影地の近くを通りがかりました。
まぁ、天気が悪くて、のんびりと一般道を移動中のことです。
近くの道の駅『ソレーネ周南』に立ち寄りました。
撮影ポイントに近い道の駅『ソレーネ周南』(2019年撮影)
この道の駅、レストランがあり、地元のお土産や野菜など豊富に置いてあります。
なかには、獲りたての地元魚介が並ぶ魚屋さんが入っています。
そこで目についたのは“ハモ”
想像以上に大きな魚です。
道の駅で見つけたハモ(2019年撮影)
さて、ハモです。
西日本の方には比較的なじみ深いようですが、東の人間はあまりなじみがありません。
私は地元の魚屋では、まず見かけません。
食べたことがないわけではないですが、もちろん料理をしたこともありません。
それに、京都の割烹での高級料理のイメージがあって、値段的なハードルも高い魚です。
レジで、ハモ代+調理代の、計900円を払う(2019年撮影)
並んでいるハモの値段を見てみると、巨大なもので700円、やや小さめは500円……。
んん? 安い!
お店で聞くと、骨切りまでは調理をしてくれるとのこと。
どのサイズにするか悩んでいると、
「これくらいが骨もやわらかくておいしいよ」
隣にいた、通りすがりの漁師さんからのアドバイスで、小さめに決定です。
ハモをもってレジに行き、ハモ代500円と調理代400円(普通の魚は100円)を払います。
お願いして骨切りの写真を撮らせていただきました。
しゃ、しゃ、しゃ……と、リズミカルな音が聞こえて、あっという間に切り身になりました。
ここまで調理してくれる。
切り身になってもかなり大きい(2019年撮影)
ハモを持って富海駅近くの港に行きました。
天気は良くないのですが、一応カメラをセットします。
前回の訪問から10年以上経っても、風景はほとんど変わりません。
富海駅近くの港。
車両の色は変わったが、風景は変わらない(2019年撮影)
今回の車中料理、ハモづくしの1品目は「ハモの湯引き」!
カメラをセットしたまま、調理開始です。
近くの踏切が鳴るとカメラに移動して撮影、終われば戻って調理継続します。
まずは“ハモの湯引き”。
ハモをひと口大に切り、湯がきます。
コツは、魚屋さんで聞いたのですが、沸騰させた状態にして、さっとくぐらせ、冷水にさらすこと。
沸騰した湯にくぐらせる(2019年撮影)
すぐに冷水にさらす(2019年撮影)
冷水からあげて水切り(2019年撮影)
完成した湯引きは、お店ですすめられた酢味噌と、梅干しをたたいて乗せたものの2通り作りました。
湯通ししている間は、少し生臭くて、いったいどうなるのかと思っていましたが、できあがったものは上品な魚の香りがします。
酢味噌とたたき梅を乗せてハモの湯引き完成(2019年撮影)
身はふわっとしていて骨は感じません。
写真では酢味噌もたたき梅も少な目ですが、けっこうたっぷりつけても魚の味が強いので大丈夫。
実においしくいただきました。
2品目は「ハモの蒲焼き」にしようと思ったけど……!?
続いては、ハモの蒲焼です。
少し大きめに切った切り身に塩コショウをかけて、小麦粉をまぶします。
粉がなじんだところで多めのオリーブオイルで揚げ焼きします。
切り身に塩コショウ(2019年撮影)
小麦粉をまぶす(2019年撮影)
多めの油で揚げ焼き(2019年撮影)
このあと甘辛に味付けするつもりだったのですが、いい香りがたって、あまりにもおいしそうなので、何切れかを取り出しこれで一品。
ハモ焼きの完成です。
ハモ焼き完成(2019年撮影)
わさび醤油でいただくと、香ばしさがすばらしい一品になりました。
残りはお酒、しょうゆ、砂糖で煮込み、汁気が飛んだところで蒲焼完成です。
しっかりした味が最高!
日中でお酒が飲めないのが、なんとも残念です。
タレで煮込む(2019年撮影)
山椒をふって蒲焼完成(2019年撮影)
ハモに合わせるご飯は、タコで作ったお弁当の「へたこ飯」
ハモといっしょにいただいたご飯モノは“へたこ飯”。
同じ道の駅で買いました。
道の駅で買った“へたこ飯”450円(2019年撮影)
へたこ?
へた=戸田 富海駅の隣の駅が戸田駅です。
この戸田の海で獲れたタコで作ったお弁当。
“戸田”のタコで作ったお弁当=へたこ飯……です。
タコ飯に煮タコとタコフライ、まさにタコ三昧。
タコの香りが存分に楽しめ、煮タコもフライもやわらかくておいしいお弁当です。
毎日、けっこう早めに時間に売り切れるそうです。
山陽本線の戸田駅、「へた」と読む(2019年撮影)
戸田駅はかなりいい感じの佇まい(2019年撮影)
タコの香りと、やわらかな食感が最高(2019年撮影)
2時間近い昼食時間。
普段の撮影ではあまりないのですが、長期撮影の曇りの日ならではです。
とにかく、山口県の瀬戸内の味を楽しみました。
天気予報では終日曇りときどき雨だったのですが、ちょうど食べ終わったころ、一気に晴れてきました。
おいしいものを食べて、気持ちよく撮影をして、港を離れました。
食後は、気持ちよく晴れてきた(2019年撮影)
佐々倉実(ささくら みのる)
鉄道をメインにスチール、ムービーを撮影する“鉄道カメラマン”、初めて鉄道写真を撮ったのが小学生のころ、なんやかんやで約50年経ってしまいました。鉄道カメラマンなのに撮影の8割はクルマで移動、列車に乗ってしまうと、走るシーンを撮影しにくいので、いたしかたありません。そんなワケで年間のかなりの期間をクルマで生活しています。趣味は料理と酒! ヨメには申し訳ないのですが、日々食べたいものを作っています。
鉄道旅と食の話、最新の話題から昔の話まで、いろいろとお付き合いください。
ちなみに、鉄道の他に“ひつじ”の写真もライフワークで撮影中、ときどきおいしいひつじの話も出てきます。なにとぞご容赦ください。
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