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とんかつが食べたい! せっかく食べるなら、店名に『とんかつ』が入るようなお店に行きたい。というわけで、専門店に絞って大調査。じっくり揚げて食べさせてくれる王道の店と、食べ方やスタイルに特徴のある個性派に分けてお届け。好みの食べ方でお選びください。まずは王道編!

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ロースやヒレを定食で!

専門店に行くなら、ロースカツやヒレカツを定食でいただきたいところ。ここではそんな王道の店をご紹介。

新店を中心にラインナップしました。ご飯、キャベツ、味噌汁とともにご賞味あれ

『とんかつ けい太』@西荻窪

ダントツの旨さを誇るとんかつ界の新星の味に 唸る、惚れる、虜になる!

この本を閉じたら、ただちに向かった方がいい。なぜって? この店に長い行列ができる日がすぐにやってくるから。

鹿児島の実家は養豚場という店主の青木さん。子供の頃に早逝した父が「いつかウチの豚でとんかつ屋をやりたい」と話していたのを忘れなかった。

下の写真、白に近い淡い色の衣をまとった六白黒豚がまさにそれ。

糖度の低いパン粉を使うことで衣自体の主張を抑え、母と兄が丹精込めて育てた豚肉の無垢なる旨みを際立たせている。ラードで20分かけて低温火入れした身はふっくらとして肉汁が滴るほどに瑞々しい

「実家と協力して、とんかつに最も合う豚肉を開発したい」。それが青木さんの次なる目標だ。

これぞ店の真骨頂! 実家で育てた六白黒豚は身から甘みと旨みがほとばしり、そこにパン粉の繊細な食感が追い打ちをかける。ぜひヒマラヤ岩塩、もしくはワサビ醤油で味わって。六白黒豚の上ロースは2640円。

こちらは敢えて糖度高めのパン粉をまとわせて骨太な香ばしさも堪能させる。

中心がほんのりピンクの絶妙な火入れで、しっとり&ふっくら、最高にジューシーだ。油はオランダ産のカメリアと国産ラードをブレンドし、食欲を刺激するどっしりとした風味に仕上げている。

和牛の力強い旨みを上質な豚肉がサポート。ソテー玉ネギの甘みが広がる。洋食出身の店主が作る人気のサイドメニューだ。

油にこだわりあり!

最初は120度前後に保った銅製の鍋に沈めてじわじわと火を通す。続いて160度のフライヤーに移して衣をカリッと香ばしく仕上げている


『とんかつ けい太』


左:店主 青木啓太さん
右:スタッフ 大野真滉さん
「世界中の人々にとんかつの美味しさを伝えていきたい!」

[住所]東京都杉並区西荻南3-10-6 中村ビル地下1階
[電話]03-5941-5532
[営業時間]11時~15時(14時LO)、17時~22時(21時LO)
[休日]木、月の昼
[交通]JR中央線西荻窪駅南口から徒歩1分

『とんかつ けい太』内観

『とんかつ 七井戸』@外苑前

主役だけじゃない! ご飯と汁にも心を注ぐ完全無欠のとんかつ定食

『焼鳥今井』と聞けばピンと来る人も多いだろう。15年近くも第一線を守る名店だ。

店主・今井さんの昼の舞台が、すぐ隣で暖簾を出すこのお店。実は子供の頃からの大好物がとんかつで、いつかは自分で店を、と想いを膨らませていたんだとか。

立つ場所が焼き台から揚げ台に移っても、素材が鶏から豚に変わっても火入れのセンスは群を抜く。でもそれだけじゃない。

「ウチはあくまで定食屋」と言うように、お櫃からよそわれるご飯に風味豊かな味噌汁、さらにキャベツや漬物までも、抜かりなくすべてが旨いのである。

完璧なるこの布陣も、今井さんの求めるとんかつ道だ。

厚切りヒレかつ定食(2100円)

パーフェクトな火入れによってロース一択だった筆者をもヒレの虜にしたひと皿。米を飼料にした“舞米豚”は、きめ細やかで舌に吸い付くような肉質だ。

上ロースかつ定食(2100円)

脂身と赤身をひと口で味わえるよう、薄めに包丁を入れるのも店主のこだわりだ。揚げ油はラード100%で衣自体も旨い! まずは何もつけずにそのまま味わいたい。

上チキンかつ定食(2100円)

本店でも使用する比内地鶏のムネ肉で、あっさり軽やかながらも力強い風味がほとばしる。

米にこだわりあり!

羽釜で炊いたご飯を保温器ではなく木製のお櫃に入れる。湯気の水分が程よく米粒に染み込んでモチモチ感と甘みが倍増。冷めても旨い


店主:今井充史さん
「揚げ物に合わせて選んだ自然派ワインや日本酒も用意しています」

[住所]東京都渋谷区神宮前3-42-11 ローザビアンカ104
[電話]080-8190-1331
[営業時間]11時半~14時LO
[休日]土・日・月
[交通]地下鉄銀座線外苑前駅3番出口から徒歩5分

『とんかつ 七井戸』内観

『とんかつ 美濃屋』@大塚

老舗の三代目が独立 旨さもコスパも光る日常使いのゴチソウ店

並のロースは税込800円。しかも羽釜で炊いたご飯と丼にたっぷりの豚汁付きでってところもうれしくなる。

東十条で60年続く庶民派とんかつ『みのや』の3代目が大塚に場所を移し、半年前に独立した。

並でも充分満足だが、せっかくならこの店の最高級「限定とんかつ」を試したい。

山形の三元豚や岩中豚など、その時々で仕入れる銘柄豚を分厚くカット。この日の計測でおよそ3cm

大きなひと切れにガブッと喰らいつき、すぐさまピカピカのご飯を放り込めば口の中は旨さで満杯、やっぱりとんかつはこうでなきゃ!

ちなみに店主の実家の味と同様の豚汁もご馳走なのだ。

限定とんかつ(1800円)

1人前約240gとボリューム満点。取材時は群馬県産和豚もちぶたを使用し、衣をサクッと軽やかに揚げている。

定食につく豚汁は、カツオ節とサバ節の力強い風味の白味噌仕立て。具は豚肉とキャベツで、その都度小鍋で煮て熱々を出す。これだけでも立派なおかずだ。

生姜焼き定食(880円)

ちょっと脂多めのリブロースに、生のおろし生姜たっぷり&隠し味の白味噌でガツンとくるパワフルな味わい。ご飯が進む!

米にこだわりあり!

実家である東十条『みのや』の創業時からの伝統と同じ羽釜炊き。粒感を感じるご飯はとんかつとの馴染みも抜群。少量ずつこまめに炊いて、いつでも炊きたてを味わえる


店主:原 隆敏さん
「大の巨人ファン!店内や制服のジャイアンツカラーにも注目を」

[住所]東京都豊島区北大塚2-6-3 メゾン大塚103
[電話]03-5944-5185
[営業時間]11時半~14時半LO、17時~22時LO
[休日]日
[交通]JR山手線大塚駅北口から徒歩1分

『とんかつ 美濃屋』内観

『吉平』@岩本町

香り、味わいともに増す リブロース×ワサビの最強タッグの虜になる!

リブロース250(2500円、わさび+50円)
無料のカットレモンやお新香はオーダー時に声をかけて

サックリ、フワリ。ひと切れ食べた瞬間、衝撃を受けるほどの衣の軽やかさ。ついで、口の中に広がる豚の脂の上品な甘さ。まさに、至福のとんかつとはこのこと。

そんな、胸に響くとんかつを味わえるのは、岩本町の『吉平』だ。

扱う肉は千葉県産の林SPF 豚。餌や飼育環境にこだわり大切に育てられた豚で、きめ細やかな肉質はもちろん、脂の美味しさに定評がある。

幅広いメニューがあるが、肉と脂のハーモニーを堪能するなら、リブロースがおすすめ。ブラックとピンクの2種の岩塩が肉の旨みを引き出すほか、脂と絶妙にマッチするワサビとの相性の良さを実感してほしい。

ベリーリブ250(2500円)

7割以上が脂のベリーリブは脂好きなら必食! 薄切りでつまみにも最適だ

おつまみカレー(300円)

大きな豚肉がゴロッと入ったやさしい味わいのカレーは、『リリーカレー』(不定期でカツカレーを提供する店として営業する時の店名)と同じもの。

肉にこだわりあり!

肉の美味しさを最大限に引き出すため、店で熟成している。熟成期間は季節などにより変わるが、赤身肉に比べ、脂が多い部位は長めに熟成するほうが味が濃くなり甘みが増すそう

[住所]東京都千代田区神田富山町29
[電話]なし
[営業時間]11時~14時半(14時15分LO)
[休日]月、日不定休※詳しくはFacebookで確認を
[交通]都営新宿線岩本町駅A1出口から徒歩4分、JR山手線ほか神田駅東口から徒歩5分

『吉平』
ピカピカに磨き上げられた店内。2016年にオープンして行列店となったが、2018年に閉店。1年後の2019年7月に待望の復活を遂げた

『とんかつ まんぷく』@御徒町

昭和の面影が色濃く残る店で 厚さ約4センチの圧倒的ロースかつと対面

アメ横から1本入った狭い路地裏。昭和のディープな佇まいを残す店が、昭和37(1962)年創業の『とんかつ まんぷく』だ。先代が亡くなり2年ほど休業したが、2017年11月に営業再開。長年のファンを喜ばせた。

創業当時から愛され続けるロースかつは、厚さ約4センチ、約300g のダイナミックな逸品。20分かけて丁寧に揚げ、中心が可憐なピンク色。

店のとんかつに合うよう特注されたソースをかけて食べれば、しっとりしていながら噛むほどに肉の濃厚な旨みが広がる。

この圧倒的なとんかつに山盛りキャベツ、ご飯、豚汁、お新香まで付いて1500円はかなり破格だ。

ロースかつ定食(1500円)

とんかつには栃木県産の豚肉を使用。米は茨城県産のもの。茶碗でなく、平皿にご飯をよそうのも創業当時からのスタイルだとか。

ロース生姜焼定食(900円)

大きなロース肉が2枚のった生姜焼き。やや濃いめのタレでご飯が進む。

20分待つ余裕のない忙しいランチ時などは、この生姜焼きをはじめ、味噌焼き、串かつといったスピードメニューを頼む常連客が多い。

揚げにこだわりあり!

ラードを100%使用し、150~160℃で20分ほどかけてじっくり揚げる。完全に火が入り切らない絶妙な加減は長年の経験によるもの

[住所]東京都台東区上野4-1-5
[電話]03-3831-3457
[営業時間]11時~18時
[休日]水
[交通]JR山手線ほか御徒町駅北口から徒歩2分

『とんかつ まんぷく』内観


『とんかつ まんぷく』外観

『とんかつ 太志』@池ノ上

毎週プレミア豚が登場! 吉野川ポークをはじめ豚にかける情熱に感激

店主・野溝氏の豚への熱い想いを感じる店である。

定番の豚は徳島県産の吉野川ポーク。しっとり滑らかな肉質、適度な甘みと深みのある味わいが特長だ。上品な脂身を堪能できる特ロースかつ、赤味肉の濃厚な味に悩殺されるヒレかつともに絶品!

また、北海道産のどろぶた、青森県産の長谷川自然熟成豚など話題のプレミア豚が毎週入荷するのも、この店の人気の秘密だ。

豚の味を極めるため、油、パン粉、米、味噌までこだわり食材を用意するなど細部まで手抜かりナシ。

オープン4年目、ミシュラン・ビブグルマンにも選出された実力派のとんかつを心ゆくまで楽しみたい。

徳島県産吉野川ポーク特ロースかつ定食(200g、2200円)

揚げ油はコーン油を100%使用。パン粉も、糖度や粒の大きさを指定したものを専門店から仕入れるので、油切れがよく胃にもたれないと評判。

オリジナルブレンドのソースも旨いが、最初はシチリア島の岩塩とワサビで食すのが店主のおすすめ。

徳島県産 吉野川ポークひれかつ定食(150g、2200円)

しっとりして肉の旨みが濃厚。豚ヒレ肉の真ん中、希少なシャトーブリアンを使用した「特ひれかつ定食」(200g、2750円)も人気。

肉にこだわりあり!

取材時に入荷したプレミア豚は長野県産の千代幻豚。脂の旨み、肉質のきめ細やかさ、甘み、歯応えなど、豚肉本来の特長をすべて備えている。「特ロースかつ定食」(300g)4400円など


店主:野溝太志さん
「プレミア豚の入荷予定時期は店のホームページでご確認ください」

[住所]東京都世田谷区代沢4-34-12
[電話]03-6450-8635
[営業時間]11時~14時、17時半~22時※昼夜ともに材料がなくなり次第終了
[休日]火、第3水
[交通]京王井の頭線池ノ上駅南側出口から徒歩10分

『とんかつ 太志』内観

撮影/小島昇、西崎進也(七井戸、太志) 取材/菜々山いく子、松田有美(丸山吉平、まんぷく、太志)
※店のデータは、2020年3月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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