×

気になるキーワードを入力してください

SNSで最新情報をチェック

新米が出回る時期は、秋の味わいを満喫できる「炊き込みご飯」がうれしい。ふたを開けた瞬間のヨロコビは、なんともたまりませんよね。栗やキノコ、銀杏などの旬食材を使ったものや、目にも舌にもうれしい贅沢具材をふんだんにあしらったものまでさまざまあり、目移り必至です!

icon-gallery

『花鼓』@浅草

秋の吹き寄せ炊き込みご飯(1500円)
キノコ、新銀杏、栗をたっぷり入れた秋ならではの炊き込みご飯。ふたを開けると、それぞれのいい香りが立ちのぼる

ダシをかけて最後はお茶漬けで食べるから2度美味しい

居酒屋のように気楽だけど、料理はきっちりと和食。そんな店があったら普段使いにうってつけだが、まさにここはそんな一軒。浅草・雷門から少し離れた静かな場所にあり、ご近所さんの普段使いも多い。料理人の大田さんは、すっぽん料理や懐石など、幅広く修業した料理人。釜飯居酒屋にもいたことがあるだけに、炊き込みご飯にも思い入れが深い。

どの炊き込みご飯にもお茶漬けセットが付くのもここならでは。最後の一杯はダシをかけてサラサラとかき込めば、お腹一杯でもペロリと胃に収まる。

角煮炊き込みご飯(1400円)
とろとろの角煮とネギを炊き込んだ豪快な炊き込み。よく混ぜていただく

季節の炊き込みを中心に、いつも数種類を用意するが、修業先の人気メニューを受け継いだという「角煮の炊き込み」は特に個性的で面白い。豚の脂がご飯に溶け込む濃厚な味わいは、炊き込みご飯の概念をいい意味で覆してくれる。

鱧のしゃぶしゃぶ(2180円)(1人前)
その日の朝に〆た鮮度のいい鱧を使ったしゃぶしゃぶ。ダシは鱧の骨から取ったもので、鱧をまるごと味わえる。このほか毎朝市場から仕入れた魚のメニューが秀逸だ

『花鼓』外観

住所:東京都台東区浅草6-12-5 角田ビル1階
TEL:03-6458-1963
営業時間:11時半~14時LO、17時~23時LO、日15時~21時
定休日:水
交通:東武スカイツリーライン浅草駅から徒歩7分

『花鼓』内観

『曙橋 かず』@曙橋

松茸ご飯(5500円のコース+1000円)(1人前)・単品(3520円)(2人前)
松茸の香りと瑞々しいご飯の美味しさが一体になった炊き込みご飯

新米の時期にこそ食べたいお米を味わう炊き込みご飯

「炊き込みご飯はお米の美味しさも味わっていただきたいんです」と微笑むのは店主の松尾さん。味と食感のバランスを考えてブレンドした米にたっぷりと水を含ませ、強火で炊いてゆっくり蒸らす。そこでご飯はふっくらツヤツヤ。みじん切りの油揚げを加えただけのシンプルな松茸ご飯は、松茸とご飯の両方の美味しさを余すところなく味わえる。

かますの炙り刺し胡麻酢だれ(5500円のコースより)
皮目をサッと炙ったかます。まろやかな胡麻酢がかますの旨みを引きたてる

炊き込みご飯だけでなく、他の料理も素材の味を丁寧に引き出すのが松尾さん流。てらいのない料理はどれもきれいな味わいだ。コースの他アラカルトもOKで、軽くつまんで〆にご飯も歓迎という、使い勝手のよさもうれしい。

野菜の炊き合わせ(5500円のコースより)
かぼちゃレモン煮、昆布を利かせたダシで炊いた小芋、タコの柔らか煮、サッと火を入れたつるむらさきなど、それぞれの食材の美味しさを引き出す調理法で炊いている

『曙橋 かず』外観

住所:東京都新宿区荒木町16 エスペロビル1階
TEL:03-6882-3683
営業時間:17時~24時(23時LO)
定休日:日・祝
交通:都営新宿線曙橋駅A4出口から徒歩3分

『曙橋 かず』内観

『時喰み(ときはみ)』@東銀座

色々魚介の炊き込み御飯(2400円)
鯛、サワラ、ホタテ、タコ、シジミなど、魚介の旨みが結集。イクラとウニはあと乗せで。

色々魚介の炊き込み御飯(2400円)
魚介の組み合わせはその日によって変わる

これでもか!のごちそう三昧 食いしん坊が喜ぶ大人の居酒屋

高級日本料理『銀座くどう』が手がける大人の居酒屋がここ。「自分が食べたいなと思う料理を作ったらこうなりました」と店主の工藤さんは笑う。品書きにはイクラ、カラスミ、生ウニ、キャビアをのっけた名物「痛風飯」をはじめ、大人の夢がかなうパワフルな料理が満載だ。

庄内豚ベーコンとトリュフの炊き込み御飯(2900円)
ふんだんに削ってのせた香りの高い秋トリュフと、ベーコンの脂が溶け込んだご飯は相性もぴったり

庄内豚ベーコンとトリュフの炊き込み御飯(2900円)
ワインや日本酒との相性抜群

当然、炊き込みご飯も同じ路線をまっしぐら。ベーコンとトリュフの炊き込みは、お酒をあと押しする強力な魔力を秘めているし、上品な魚介系炊き込みも、ウニとイクラのトッピングで魅力倍増。ガッツリ飲んで食べたい、食いしん坊の夢がふくらむ炊き込みご飯を求めるなら、この店の扉を叩くべし。

名物フォアグラ最中(700円)
この店の名物、最中の中身はフォアグラ、のしうめ、燻りがっこ

『時喰み(ときはみ)』外観

住所:東京都中央区銀座3-11-6 鈴木ビル2階
TEL:03-6264-2809
営業時間:17時半~23時LO
定休日:日・祝
交通:地下鉄日比谷線ほか東銀座駅A7出口から徒歩3分

『時喰み(ときはみ)』内観

『池尻浅野』@池尻大橋

和牛ステーキご飯(3850円)
ステーキ、わさび、花穂じそをトッピングした土鍋ご飯。和牛の脂が軽いので見た目よりさっぱり

和牛ステーキご飯(3850円)
和牛の脂が軽いので見た目よりさっぱり

個性あふれる炊き込みご飯は仕上がるまでの時間も楽しい

店主の浅野さんが目の前で作る料理は、端正でありながら「そうくるか!」というサプライズをはらんでいる。そこで、図らずもこちらは調理風景にワクワクすることになるのだが、この楽しいアプローチも実は計算された企みだ。

和牛ステーキが美しく盛られた炊き込みもまたしかり。完成までのストーリーがこれほど楽しめる炊き込みご飯は他にない!

牡蛎と海苔天ぷらご飯(2640円)
牡蛎と海苔とご飯を天ぷらの衣が上手くつないでくれるので一体感がある味

牡蛎と海苔天ぷらご飯(2640円)
食べる時に、具を崩してよく混ぜる。

そんな浅野さんに炊き込みご飯を注文すると、いきなり天ぷらを揚げ始めた。でき上がったのは大きな牡蠣と海苔の天ぷらが豪快に乗った土鍋ご飯。まず目で圧倒し、海苔と牡蠣の香りに誘惑され、最後は美味を舌で味わう。

特製メンチカツサンド(1320円)
パンとメンチのサイズ感のギャップに驚くメンチカツサンド。パンが薄いのでパクッと軽く食べられる

『池尻浅野』外観

住所:東京都世田谷区池尻3-21-25 廣井産業ビル1階
TEL:03-6875-8508
営業時間:18時~24時LO、土・日・祝17時~23時LO
定休日:月(祝の場合は翌火)
交通:東急田園都市線池尻大橋駅西口から徒歩6分

『池尻浅野』内観

『隠れ家鉄板 おぶ』@神保町

オマール海老の炊き込みご飯(6600円のコースより)
鉄板で蒸し焼きにしてバターで炒めたオマール海老と青ネギをトッピング

兄弟で創り上げた隠れ家鉄板の贅沢に味わう炊き込みご飯

店主は、有名日本料理店での修業を経て若くして独立した兄弟。そのふたりが力を合わせて手掛ける日本料理と鉄板焼きの隠れ家だ。

炊き込みご飯はうなぎ、ホタテ貝、オマール海老などの高級食材を使ったものが定番。それをこの価格で出せるのも、仕入れを工夫し、美味しいものを食べてもらおうという努力のたまもの。この店だからこそ味わえる、手の届く贅沢がある。

国産黒毛和牛サーロインステーキ(6600円のコースより)
国産黒毛和牛のサーロイン。わさびと塩でさっぱりいただく

国産黒毛和牛サーロインステーキ(6600円のコースより)
周りは強火でカリッと焼き、中はじんわりと優しく火を入れてミディアムレアに

ここでは6600円のコースの充実ぶりに驚かされる。フォアグラ入りの茶碗蒸しにはじまり、オマール海老や黒毛和牛の鉄板焼き、最後の炊き込みご飯までパワー全開のラインナップがうれしい。

フォアグラ茶碗蒸し(6600円のコースより)
鉄板で蒸しあげる茶碗蒸しは超なめらか。濃厚なフォアグラに、ポン酢をアクセントで利かせて

『隠れ家鉄板 おぶ』外観

住所:東京都千代田区神田神保町2-6-3 早川・青砥ビル地下1階
TEL:03-3511-3173
営業時間:17時~22時LO
定休日:日・祝
交通:地下鉄半蔵門線ほか神保町駅A2出口から徒歩1分

『隠れ家鉄板 おぶ』内観

『宮わき』@四谷三丁目

さんま炊き込みご飯(2750円)
ネギ、生姜、かいわれ大根などの薬味をたっぷりと利かせて。

さんま炊き込みご飯(2750円)
良く混ぜてお茶碗に盛る 

土鍋のふたを開けば出合う思いがけない絶景に歓声があがる

荒木町らしい情緒漂う佇まいの『宮わき』。店主の宮脇さんは毎日市場に通い、日々変化する旬をとらえて料理を作りたいと話す。そんな旬を詰め込んだ炊き込みご飯も評判で、品書きには常時5種類を用意する。

ご飯は、沸騰してから一度手早く混ぜることで、米の炊きムラを防ぎ、艶やかで粒立ちよく炊きあげている。脂を落とし過ぎないようにサッと炙ったサンマは、たっぷりの薬味を添えて清々しく。

丹波栗、丹波の黒豆枝豆、新銀杏の炊き込みご飯(2750円)
丹波栗、濃厚な丹波黒豆の枝豆、新銀杏がごろごろ。ひとり分は1合の羽釜で炊きあげる。

丹波栗、丹波の黒豆枝豆、新銀杏の炊き込みご飯(2750円)
米はその都度精米して送ってもらう新潟の農家が作るコシヒカリ

丹波の栗や枝豆、新銀杏は、それぞれの香り豊かに炊き上げる。どれも和食の王道を外れることはないが、土鍋のふたを開くと鮮やかな景色が現れ、食べる人を喜ばせる。

イチヂクと巨峰の白和え(880円)
滑らかな白和えとフルーツは、フルーティな日本酒と合わせたい

『宮わき』外観

住所:東京都新宿区荒木町9 正起ビル1階
TEL:03-5379-6545
営業時間:17時(※予約に応じて)~22時半LO、日 ~21時半LO
定休日:水
交通:地下鉄丸の内線四谷三丁目駅4番出口から徒歩4分

『宮わき』内観

『白夜』@中野

厚岸のつぶ貝とやまぶし茸の炊き込みご飯(1200円~)
ダシに使う鰹節はその日に削り、焼津の荒節と枕崎の本枯節をブレンドする。やまぶしだけから出るダシとつぶ貝の海の香りが好相性。日本酒が欲しくなる

食材の相性を考え抜いたひと技ありの炊き込みご飯

「高級店ではなく、気軽に来てもらえる店にしたかった」という店主の工藤さん。食材を第一に考え、美味しく食べられる調理法を考え抜くという。その心は炊き込みご飯にも生かされている。

つぶ貝とキノコはお互いの対照的な食感で噛むほどに味わい深い。“今日はどんな炊き込みご飯に出合えるのか”、そんな期待が膨らむ和食店だ。

有明産の芝えびのおぼろと南関揚げの炊き込みご飯(1200円~)
エビの優しい旨みが染み渡る炊き込みご飯

有明産の芝えびのおぼろと南関揚げの炊き込みご飯(1200円~)
桜色の芝エビのおぼろが美しい。

甘く香りのいい芝エビのおぼろと南関あげの組み合わせ。南関あげは、店主工藤さんの故郷、九州は熊本の名物でごく薄い油揚げ。ダシを良く含むので、淡白なおぼろの合いの手にダシたっぷりの南関あげがジュワッとくるのがとても印象的だ。

お造り二点盛り(1716円)
鰹は醤油で、コチは酢橘とゲランドの塩を添えて

『白夜』外観

住所:東京都中野区中央5-24-11 中央マンション1階
TEL:03-6454-1855
営業時間:18時~23時頃
定休日:月、不定休あり
交通:JR総武線ほか中野駅南口から徒歩7分

『白夜』内観

撮影/貝塚隆 取材/岡本ジュン
※店のデータは、2020年11月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

icon-gallery
関連記事
あなたにおすすめ

関連キーワード

この記事のライター

おとなの週末Web編集部
おとなの週末Web編集部

おとなの週末Web編集部

最新刊

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌「おとなの週末」。3月14日発売の4月号では、「おにぎりとおべん…