江戸の流儀と北陸の美味の融合『鮨うら山 日本橋』 江戸前ではあまり見かけないノドグロや白エビなどが並ぶのは『鮨うら山 日本橋』。それもそのはずで、名古屋に本店・支店を構える、北陸エリアの食材を主とし…
画像ギャラリー東京都中央区日本橋。五街道の起点であり、そのたもとには魚河岸もあって、江戸時代大いに賑わいをみせた街。その日本橋で寿司、うなぎ、蕎麦に天ぷらと江戸時代に美味しさに磨きをかけた、いわゆる江戸前を楽しむ。美味に加えて歴史も味わえるなんて、贅沢な気分に浸れること間違いなしなのだ。
夜は高級な江戸前もランチなら比較的リーズナブル。散策途中で立ち寄るなら……。というわけで今回は日本橋の寿司店のランチを紹介します。
江戸前の伝統と革新を楽しませる『蛇の市 本店』
まずは明治22年に屋台として創業した『蛇の市 本店』。
歴史を感じさせた前店舗も、移転を機に黒塗りと朱塗りが映えるスタイリッシュな店構えに改装。とはいえ羽釜で炊き上げた米を赤酢と塩だけで調えたシャリはキリリとした味わいで、本マグロのヅケ、ヒラメの昆布締めといったひと手間加えたネタと実に好相性。と、伝統を感じさせる江戸前寿司は変わらず健在だ。
そして見逃せないのが、現大将が数年前に考案した、薄焼き玉子でシャリを巻いた玉子巻き。具にはゴマと海苔しか使わないという潔さながら、だからこそ一つひとつの味わいが口の中で絡み合って優雅な味わいを生み出し、実に〆にふさわしい逸品なのだ。伝統と革新を楽しみたいなら迷わず足を運んでほしい。
[住所]東京都中央区日本橋室町1-12-10
[電話番号]03-3241-3566
[営業時間]11時半~14時(13時半LO)、16時半~22時(21時LO)
[休日]日・月・祝
[席]カウンターあり、全25席
[その他]全席禁煙/予約可/カード可/サ・お通し代なし
[交通]地下鉄銀座線ほか三越前駅A1出口から徒歩3分
実直で繊細な江戸前の仕事に舌鼓『鮨 山沖』
続いてはカウンターのみ、7席だけの小さなお寿司屋さん。とはいえ、たとえばコハダは酢の〆加減が絶妙なうえに柚子が上品に香る。スズキの昆布締めにはゴマをかまし、食感だけでなく妙味も楽しい一品に。さらにヅケには和辛子を添えて口の中で香と味を膨らませ、煮ハマグリには貝の、車エビにはエビのダシを加えた煮ツメを用意するなど、大将の山沖さんの仕事ぶりは実に丁寧で繊細。
当然どのネタも抜群の味わいで、江戸前寿司の奥深さを堪能させてくれる。日替わりで17種ほど揃えるネタを使ったランチは2500円、3500円、5500円の3種を用意。お好みでも一貫330円から楽しませてくれる。どんなネタがどんな仕事をされて待っているのか。思い浮かべるだけで笑みがこぼれるってものです。
[住所]東京都中央区日本橋室町1-12-14
[電話番号]03-5201-8009
[営業時間]12時~14時(土は昼のみ)、17時~22時
[休日]日、第4土・祝不定休
[その他]席カウンターのみ、全7席/全席禁煙/予約可/カード可/サ・お通し代なし
[交通]地下鉄銀座線ほか三越前駅A4出口から徒歩2分
江戸の流儀と北陸の美味の融合『鮨うら山 日本橋』
江戸前ではあまり見かけないノドグロや白エビなどが並ぶのは『鮨うら山 日本橋』。それもそのはずで、名古屋に本店・支店を構える、北陸エリアの食材を主とした創作鮨で有名な「鮨うら山」が、北陸の味わいを東京に伝えたいと日本橋にも支店を構えたのだ。
天日干しのブレンド米に赤酢と米酢の合わせ酢を使用したほの甘いシャリ、ブリやズワイガニといった上質な旬材は北陸の味そのまま。そこにネタを寝かせたり、煮切りやツメで仕上げるといった江戸前の丁寧な仕事を施し、さらに切り付けや薬味のあしらいなどで現代風なアレンジも加えた握りは見た目も楽しく、まさに良いとこどりとあって舌鼓必至。次はどんな一貫が供されるのかワクワクが止まらない。
通し営業なので使い勝手もよく、日本橋散策の途中で立ち寄りたい秀逸店だ。
[住所]東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー地下1階
[電話番号]03-3516-3366
[営業時間]11時半〜22時半(22時LO)
[休日]日、第1・3月
[その他]席カウンターあり、全28席/全席禁煙/予約可/カード可/サ・お通し代なし
[交通]地下鉄銀座線ほか日本橋駅B6出口から直結
撮影/鵜澤昭彦、西﨑進也(鮨うら山 日本橋) 取材/編集部