しょうゆが隠し味の「クーリッシュGreen バニラ」 2022年3月には植物性ミルクで仕上た「クーリッシュGreen バニラ」が登場しました(現在テスト販売中)。 食のダイバーシティ化や環境配慮を背景とした、新しい「クー…
画像ギャラリー暑いときはもちろん、年中アイスは美味しいもの。シーズン問わず求められるようになったアイスは、我々が気づかないうちにある変化や工夫が施されています。シズリーナ荒井調べによると年間1,100個以上もの新商品アイスが、アイスストッカー(店頭用冷凍庫)の中でしのぎを削ります。そんな激しい競争の中で存在感を放ってきたロッテの人気アイスブランド「クーリッシュ」が来年で20周年を迎えます。そこで、今回の「シズリーナ荒井のアイス見聞録」では、クーリッシュの歴史を振り返り、注目の最新ラインナップをご紹介します。
アイスの製造技術に携帯性を取り込んだ新機軸の「飲むアイス」が話題に!
「クーリッシュ」は2003年にゼリー飲料などでお馴染みの口栓付きのチアパック容器を使った新感覚の飲むアイスとして首都圏を中心にテスト販売を開始、翌年より一般発売が開始しました。
アイスの素(以下、アイスミックス)に微細氷(びさいごおり)を混ぜ合わせながら練り上げるおいしさとクールダウンを両方兼ね備えたアイスは業界を驚かせました。
1980年から90年代にかけて飲み物の新しいスタイルとして登場したのがペットボトル飲料。アイスクリームの市場は、このペットボトル飲料に市場を奪われつつあった歴史的な背景がありました。
ペットボトルは飲みたいときに飲みたい分だけ飲める上、シーンを選ばず味わうことができる。これまでのアイスとは異なり、ペットボトル飲料の優れた“携帯性”や“保存性”を付加したアイスが「クーリッシュ」だったんです。アイスそのもののなめらかな食感にもこだわり、容器から直接吸い込めるようにしたデザインになっています。
1999年に同社から発売されたアイス「爽」のようにアイスミックスには微細氷を混ぜ込み爽やかな後味ですっきりとした甘さになるように工夫が施されています。
「クーリッシュ」もアイスなのに喉越しがよく食べやすい! まさに「飲むアイス」で業界を驚かせました。
ロッテは狙いどおり「クーリッシュ」ブランドがヒット商品の仲間入りとなりました。現在も製造に関わる技術の特殊性の高さから独自の視点で「クーリッシュ」の新ラインナップを続々と登場させています。新商品のポイントをブランド戦略担当を9年間務めたクーリッシュブランド課(取材当時)の北村考志さんのコメントともに紹介していきます。
しょうゆが隠し味の「クーリッシュGreen バニラ」
2022年3月には植物性ミルクで仕上た「クーリッシュGreen バニラ」が登場しました(現在テスト販売中)。
食のダイバーシティ化や環境配慮を背景とした、新しい「クーリッシュ」ブランド。初めて植物性ミルクを使用して仕上げた新ラインアップで「植物性ミルクで仕上げても、美味しさはそのまま!」をテーマに開発した、子どもから大人までより多くの人たちに美味しく楽しんでもらえる商品です。希望小売価格は151円(税込)です。
・北村さんコメント
ベースとなる植物性ミルクの選定にもこだわりました。従来の豆乳アイスは食感がなめらかになりづらくボソボソした品質になってしまう傾向にあるため、「クーリッシュ」ブランドの特徴であるなめらかさを出すためにえんどう豆を採用しました。
えんどう豆のミルクは、大豆ミルクよりも独特な豆の風味やエグ味などが少なく、先行する海外の植物性ミルクを研究してえんどう豆ミルクにたどりつきました。味わいにもこだわっており、隠し味としては「しょうゆ」を使用しています。
実は、乳にはあって豆乳にはないものが“ミネラル”由来の旨味。これを補うために、しょうゆを隠し味として使用しています。バニラとの相性の良いしょうゆを厳選しました。豆乳な苦手な人でも美味しいと感じていただける商品の開発を目指し、何より豆乳をベースにしたアイスが苦手だったので、自分がおいしいと思える味わいにこだわった商品です。
ご褒美アイス「クーリッシュデザート」
2021年11月に登場したのが「クーリッシュデザート」ブランド。微細氷のサイズからアイスミックスと微細氷の配合にまでこだわられた商品です。これまでに2商品を発売しており「ダブルショコラ&クッキー」は生チョコレートやブラッククッキー、「ストロベリーチーズケーキ(2022年3月発売)」はストロベリー果肉とグラハム(全粒粉)クッキーを入れ込んだご褒美アイスに仕上がりました。今までの「クーリッシュ」とは違う味わいが楽しめるとすぐさま話題に。希望小売価格は183円です(税込み)(現在は発売を終了しております)。
・北村さんコメント
レギュラー商品や今までの期間限定の「クーリッシュ」はアイスミックスと微細氷の配合率は50%とバランスのとれた商品だったところを、「クーリッシュデザート」の配合率は微細氷45%に対してアイスミックスを55%としました。こうすることで、レギュラー品と比べ微細氷の比率を低くすることにより舌触りが滑らかになっています。微細氷の大きさも小サイズでより濃いめな味わいで楽しめるように開発しました。
初のアルコール製品「クーリッシュ フローズンサワー」も登場
加えて、6月にはクーリッシュブランド初のアルコール製品となる「クーリッシュ フローズンサワー(「レモンサワー」「グレフルサワー」の2種)」も発売開始となり、アルコール市場でも注目されています。次回の「シズリーナ荒井のアイス見聞録」では、なぜクーリッシュがアルコール市場に参入したのか?!迫っていきます。
シズリーナ荒井
初めてアイスを食べたのは“1歳1ヵ月”(証拠映像資料有り)。人生で55,000個以上ものアイスを食べた記録を保持するアイスマニアであり、日本一アイスを愛するスーパーアイスマン。
どうしたらより美味しくアイスクリームを食べられるかを真剣に考え、氷菓子(アイス、ソフトクリーム、ジェラート、かき氷)の研究を開始。氷菓子は原材料が同じでありながら製品温度が異なることで感じ取れる味が違うことを発見!
食べ方をデザインする“イートデザイナー”として市販アイスのアレンジレシピや企業同士の商品コラボを手がけており、“かけ合わせグルメ”「雪見カレーヌードル」の考案者として、SNSで話題に!
年間4,000種類以上のアイスクリームをテイスティング。アイス現場のすべてを知りつくすアイスジャーナリストとして活躍中!2021年6月には著書『コンビニ&スーパーのアイスが極上スイーツに! 魔法のアイスレシピ』(KADOKAWA)を出版。
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