週末温泉巡りの旅 早戸温泉でリフレッシュ……男⼆⼈旅で温泉にいくぞ〜の巻(2)

週末温泉巡りの旅 早戸温泉でリフレッシュ……男⼆⼈旅で温泉にいくぞ〜の巻(2)

週末温泉巡りの旅 早戸温泉でリフレッシュ……男⼆⼈旅で温泉にいくぞ〜の巻(2)

コロナ禍でなかなか温泉にも行けない状況です。せめて、記事の中だけでも温泉に行った気分になりませんか? 本誌で料理写真を撮影しているカメラマン・鵜澤昭彦氏による温泉コラム。今回は福島・早戸温泉!

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毎週やってくる週末、どこか遠くの温泉に⾏きたいなぁ〜! などと呑気なことを⾔っているそこの、そこのあなたですよ! あなた!! 今回は前回の福島県温泉旅の続きなのだ。

前回にも増して素晴らしい⽇帰り温泉施設に⾏ってみたので額に⼗字をきり、神の祝福を浴びながら⼼して読むように。そして読んだら最後必ず⾏くのじゃぞよ、お約束な(笑)。

今回も前回同様俺の相棒は30年来の腐れ縁(失礼)、落語家の「柳家獅堂」師匠だ。師匠のことは昔からの呼び名「⾵ちゃん」と呼ばしてもらうことにする。

さてさて始まり始まりの巻でやんす。

快楽主義型温泉愛好家の落語家との旅はまだ続く〜

「親⽅ぁ〜ん、磐梯熱海温泉はチョ〜良かったですけど、まだ午前中ですよ。⽇帰りにもう⼀軒温泉いってみましょうよ〜ん」

能天気な「⾵ちゃん」は⽢ったれた声を出して磐梯熱海駅前で俺に訴えかけてきた。

「何を⾔ってるの東京から磐梯熱海まで⾞で3時間半。これから何処かに⾏ったら帰りは遅くなっちゃうよ」

「親⽅ぁ〜ん、そんなことは百も承知、⼆百もガッテンでやんすよ」

「でも、セツは運転しないし〜、別に夜も⽤事がないから〜、時間は関係ないざんすよ〜」

「あっ、このすっとこどっこい野郎、そういう魂胆か!!」

俺は呪いの⾔葉を⼩さく吐きながらしばらく考えた。

「おう! いいところを思いだした。俺もいつかいってみたいと思っていた温泉があったよ! 少し遠いけど早⼾温泉に⾏ってみよう

「おっ。親⽅、そこはどちらにあるんでやんすか?」

⾞に乗り込みながら師匠が聞いた。

「⾵ちゃん、川霧に浮かぶ幻想的⾵景が⾒られるところで有名な只⾒川の霧幻峡の近くだよ」

「???」

「まぁここから⾞で2時間かな。帰り時間⼤丈夫かな〜」

「⾏きましょう、⾏きましょう、さぁ〜⾏きましょう、あっしは寝ます

「また寝る構えだな、今度は寝させん!」

「あっしは悪政には抗議しますからね」

「何が悪政なんだよ、とにかく毒を喰らえば⽫までだ! レェッツラゴー !!」

早戸温泉に到着! 1200年前に発見された薬湯とは!?

磐梯熱海ICで⾼速に乗り90分、会津坂下ICを下⾞し、国道252号を23.5Km⾛ると早⼾温泉の看板が右に出てくる。252号から側道の細い道に⼊り、坂をくねくねと下っていくと『つるの湯』に到着だ。

「早⼾温泉つるの湯」

まず⽬の前に現れてくるのはモダンな湯治棟だ。そして湯治棟の裏に広い駐⾞があり温泉施設の⼊り⼝(エレベータ)がある。

「⾵ちゃん、到着だよ」

「親⽅! なになに、このエレベーターで下って⼊り⼝まで⾏くようでやんすよ」

駐⾞場から下を⾒ると川沿いに湯治棟とおなじデザインの建物が⾒えた。

「つるの湯」

エレベーターを下ると温泉施設の⼊り⼝だ、俺たちは早々に券売機で⼊浴券(600円3時間券)を買い、受付のかわいらしい⼥性にチケットを⼿渡して館内に⼊った。

只見川が見える!

「親⽅、休憩所から只⾒川が観れるざんすね! 超景⾊良いですよ! これはかな〜り期待できそうですぜ」

「何⾏ってんの⾵ちゃん! ここ早⼾温泉は1200年前に発⾒されて以来素晴らしい効能で知られている由緒正しい薬湯なんだよ」

お湯も当然源泉掛け流しで、加⽔はおろか加温や消毒剤の使⽤も⼀切⾏っていないんだ」

「しかも、しか〜も、飲泉もできるんだよ」

「親⽅〜ん! 勘弁してつかわさいよ〜 !!! 何パンフレット棒読みしてるんですか〜。あっしだって、今パンフレットいただきましたよ」

「あっそうか、悪い悪い……(笑)」

「ちょっと黙っていれば、知ったかぶりするんでゲスから、ほんと親⽅ダメな⼈ですね」

「おっ、⾵ちゃんにそこまで⾔われるとは……俺も堕ちたもんだ」

「堕ちましたね〜、只⾒川の川底を貫通してマグマまで落ちた感じでゲス」

「まっ、⾔い争ってる場合じゃないよ、早く湯に浸かろうよ」

「へい、それに関しては全く同意⾒です、へい」

早速、脱⾐所に⼊りすごい速さでスッポンポンになった俺たちは、1200年間湧き続けてきたお湯に⼊体を浸そうと勇んで浴室の引き⼾を開けた。

大浴場

途端に「おぉぉ!!!! 素晴らしい」と俺。

「これは全く息もつけずに素晴らしでやんすね」俺とハモるように師匠も⾔った。

噺家が後世に語り継ぎたくなる名湯

⼤浴場では1200年前からこんこんと湧き出てきている茶緑⾊の源泉が湯船に滔々と流れ込み、源泉の⾳だけが厳かに響いていた。⻑⽅形の湯船の縁は源泉の含有物が厚く付着してその湯質を物語っている。

早速、俺たちは熱い湯に肩まで浸かり、⾝体全体でその効能を堪能してみた。⾵ちゃんは、⽕照った顔で感動のあまり突然温泉の実況中継を始めた。

露天風呂もある

「さあ温泉好きのみなさま、源泉100%のここ早⼾温泉『つるの湯』は加⽔無し、加温無しのまさに、まさしく本当に正しい温泉であります。この薬湯に浸かれば、あ〜ら不思議、体のコリというコリが瞬時にほぐれ、神仏に揉みしだかれたように筋⾁が柔らかくなってくる感じがするのでございます。窓を開けて外を⾒渡せば只⾒川の絶景が⼀望に⾒渡せるこの湯船のなんと素晴らしいことでしょう」

「あ〜っうるさいやつ! 全く他にお客さんがいなくてよかったよ! ⾵ちゃん、この温泉の効能と⾵ちゃんの感想が⼤きく違わないか?」

「親⽅ぁ〜ん!無粋なことを⾔うもんじゃありませんよ。疲労回復ってパンフに書いてあったでしょう !!! セツはこの温泉に浸かった感動をセツなりに語っている最中でありますから、多少の誇張は聞き流してくださいな。

まったく親⽅は表現の⾃由ってやつも知らないでやんすか」

「わかった、わかったから、少し静かに⼊ろうよ」

「いんや、親⽅、この感動は噺家の意地にかけて後世に語り継がれなくてはいけないのでございます

「ずいぶん惚れ込んだね」

「まっこと素晴らしく気分の良い湯でありんす」

「本当だよな、しかも飲泉できるって書いてあったけどさぁ、どんな味かな〜……?」

「どうれセツが味⾒を!!! おおっ。この味は……..タラちり鍋タラ無しの味」(飲泉所は別にちゃんとありますからね)

「おもろいこと⾔うね、さすが噺家!! するってえと具が無い鍋の具は俺たちかい……(笑)」

「(笑)…….そうでガスな! はっはっはっ」

このように飲泉所で飲めます

「ところで⾵ちゃん、早⼾温泉つるの湯のお湯とかけてなんととく」

「おぅ、のってきましたね」

「早⼾温泉つるの湯とかけまして、寄席の不埒(フラチ)なお客様と解く」

「早⼾温泉つるの湯さんとかけて、寄席のフラチ なお客様と解きましたか!?」

「そのココロは⁇」

「只⾒にて⾄福の時間を過ごしました」

「お後がよろしいようで」

■「早⼾温泉つるの湯」
[住所]福島県⼤沼郡三島町⼤字早⼾字湯ノ平888
[電話番号]0241-52-3324
[泉質]ナトリウム塩化物温泉(低張性中性⾼温泉)
[泉温]53.5℃ pH7.0
[使⽤状況]かけ流し
[湧出量]192.7l/分(動⼒揚湯)
[成分総計]5718mg/kg
[効能]特に外傷、術後の回復に⼤きな効果があり。慢性⽪膚病、やけど、慢性婦⼈病、神経痛、慢性消化器病、疲労回復
[入浴時間帯]10時〜20時(最終受付は30 分前)
[料⾦]⼤⼈600円、⼩⼈400円(3時間)/夜間17時以降 ⼤⼈400円、⼩⼈200円/1⽇⼤⼈1200円、⼩⼈800円
[設備]男⼥内湯、男⼥露天⾵呂
[備品]ボディーソープ、リンスインシャンプー、ドライヤー
[施設]休憩室、有料休憩室、リラクゼーション、マッサージ機、売店、⾷事処宿泊湯治施設 全8部屋(⾃炊)
[施設料⾦]⼤⼈2名以上の利⽤の場合、1⼈1泊4990円~、⼦供3670円~
チェックイン15時、チェックアウト10時、詳しくはホームページ参照
[交通]JR)只⾒線早⼾駅を出て、国道252号線を徒歩約10分※早⼾駅までの送迎は無料(事前に要連絡)
⾞)磐越道会津坂下インターチェンジから23.5km 25 分。
[駐⾞場]30 台
[ホームページ]https://www.okuaizu-tsurunoyu.jp/

文・撮影/鵜澤昭彦

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