小樽のモンブランはモンブランじゃない?! モンブランといえば、栗でできた茶色っぽいケーキをイメージすると思いますが、小樽市のモンブランは違います。見た目はどう見てもチョコのケーキをモンブランと呼んでいます。 サブレを重ね…
画像ギャラリー民間調査会社による47都道府県魅力度ランキングで13年連続1位に輝く「北海道」。
観光地として圧倒的な人気を誇り、豊富な海の幸や新鮮な牛乳やチーズなどの酪農製品、札幌ラーメンなどのご当地グルメ、雄大な自然、スキーなどのアウトドア…とにかく”非日常的“な魅力がいっぱいです。
そんな北海道には、漢字の一般的な読み方から想像するのが難しい地名がいくつもあります。
九州の2倍強という広い大地ゆえ、馴染みのないエリアだと道産子でも読めないものも少なくありません。「おとなの週末Web」では北海道の難読地名を取り上げながらその周辺の観光スポットやグルメも紹介していきます。読み方を学びながら束の間の旅気分を味わってみませんか?
今回は小樽市にある「忍路」です。何と読むでしょう?
答えは…
「おしょろ」と読む地名です。
忍路は札幌に隣接する小樽市の西側に位置しており、中心部から車で約20分。日本海に面していて、近くの「蘭島海水浴場」は毎年夏になると多くの家族連れでにぎわいます。忍路はアイヌ語のウショロ (湾,入江の意) に由来する通り、少し入り組んだ地形になっていて漁港もあります。
小樽市は江戸時代後期に始まったニシン漁で栄えていきます。明治時代以降に港湾が整備され、北前船の寄港地として人の往来が増え発展しました。
新鮮な魚介を使った丼や寿司などのグルメのほか、「小樽運河」や「北一硝子(がらす)」「小樽オルゴール堂」など有名な観光スポットが多く、コロナ前までは特にインバウンドの皆さんで賑わっていました。最近、小樽運河を訪れたときには修学旅行生が多く、運河をバックに高校生たちは写真撮影にいそしんでいました。
市内を一望!天狗山展望台
小樽市内を一望できる場所はさまざまありますが、中でもおすすめしたいのは、標高532mの天狗山。ロープウェイや車(冬季期間は通行止め)で山頂まで行くことができ、展望台からは小樽市街地や小樽港、石狩湾を一望。テラスもあり、椅子に座ってのんびりと絶景を望むことができます。素敵な景色が気に入ったのか、保育園児の娘が、私がスマホを出すたびに「写真とって」とポーズを取り始めていました(笑)
鼻の先をなでると願い事が叶うという「鼻なで天狗さん」もいて、多くの人がご利益を求めてなでていました。そのほか、小樽の街を見下ろしながら空中滑走するジップラインやスライダー、熱気球などのアクティビティも多く、一日満喫できる場所です。
小樽のモンブランはモンブランじゃない?!
モンブランといえば、栗でできた茶色っぽいケーキをイメージすると思いますが、小樽市のモンブランは違います。見た目はどう見てもチョコのケーキをモンブランと呼んでいます。
サブレを重ねたサクサク食感の「マロンコロン」で有名な市内の老舗菓子店「あまとう」でも、モンブランという名のチョコレートケーキを販売しています。お店ごとに違いがあり、「あまとう」のモンブランはチョコのロールが乗ったタイプ。(説明を書きながら混乱してきました…笑)
理由は定かではないのですが、小樽市観光協会によると、昭和初期に小樽スタイルのモンブランができたそうです。テレビやSNSもない時代、「東京で流行しているから、わからないけど作ってみよう!」と作ってみたのがきっかけだったとか・・・
共通しているのは「栗を使わずに、ヨーロッパの名峰モンブランを想像したケーキ」。ココアのスポンジが岩肌、生クリームが万年雪を現しているようです。いずれにしても、おいしいことは間違いありませんでした。
当時の面影残る旧国鉄手宮線
小樽寿司屋通りから小樽市総合博物館まで線路が続いています。これは、旧国鉄手宮線(南小樽駅~手宮駅)で、その前は北海道初の鉄道「官営幌内(ほろない)鉄道」として始まった区間の一部です。明治時代、三笠市幌内にあった炭山から、石炭を港のある小樽市まで運ぶのに敷かれた鉄道です。
現在は散策路になっていて線路上を歩くことができ、この日は線路沿いでイベントを行っていて、コスプレ姿の人たちが映える写真を撮影していました。アナウンサー時代、ここでイベントが開かれるときに中継で来たこともありますが、風情があって素敵な場所です。
小樽に来たら、王道の観光ルートはもちろん、ちょっと違う場所の観光やグルメも楽しんでみてくださいね。
文・写真/森順子
森 順子
元テレビ北海道アナウンサー。現在は教育サービスの会社を運営しながら地理の楽しさを普及する活動も行っている。地理女net代表/札幌国際大学短期大学部講師/札幌観光大使
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