『La Fame(ラ・ファーメ)』
素材と技術と哲学と。全てで仕上げる極上の根津イタリアン
パスタを出す店はいくつもあるが、シェフの哲学が根津という場所にマッチしているのは、ここが一番だと思うのだ。まずは素材。肉は米沢牛をメインにA4かA5ランクのみ。魚介も信頼のおける卸から。野菜にいたっては実家で有機栽培にこだわって育てたものを使用する。それらのポテンシャルをしっかり引き出すために塩分を控えて仕上げる。ゆえにパスタは時間が経っても味が尖ることなく、いつまでも美味。
黒毛和牛のボロネーゼ 1870円(昼・自家製パン、ドリンク付き)
鴨はさらに丁寧な火入れもあってみずみずしさを保ち続けるのだ。ちょっと話し込んでも変わらない味わい。体にやさしい素材に低塩。年配の方も多い根津では、同店の料理は格別と言えるだろう。またランチなどにつくパンも天然酵母使用の自家製で、こちらも小麦の香り、甘みが引き出された逸品。となれば、根津でなくとも足繁く通いたいのは言うまでもない。
[住所]東京都台東区谷中1-2-10
[電話]03-5842-1180
[営業時間]12時〜14時半LO、18時〜21時半LO
[休日]月
[交通]地下鉄千代田線根津駅1番出口から徒歩3分
『BIKA』
目に飛び込んでくるニラの緑 鶏スープ、肉味噌、細麺が抜群のコンビネーション
ご主人の小池一郎さんは生まれも育ちも根津。「中国飯店」などの名店での修業を経て、こちらに店を構えたのが37年前。以来、こじんまりとしながらも上海料理の名店として愛され続けている。中でもファンが多いもののひとつが『ニラそば』だ。「修業先で中国人のまかないを見て面白いと思った」のがヒントのオリジナル。まずは美しい。一面を覆うニラの緑が目に飛び込んでくる。
ニラそば 1320円
よく切れる中華包丁での手仕事だからこその細かさと、それゆえの食感のよさ。鶏だけで取られたすっきりコクのあるスープが張られ、真ん中には甜麺醤で炒められた肉味噌が。麺はかなりの細麺。ニラや肉味噌をレンゲですくいつつ、スープとともにこれをツツツーっとやったときの風味ときたら。さっぱりして、油濃くなくて、だけれどしっかり旨みを感じさせる料理はどれもおいしい。さて、何から行く?
[住所]東京都台東区池之端4-25-11
[電話]03-3821-3347
[営業時間]11時半~14時(13時半LO)、17時半~20時(19時半LO)
[休日]火・第3日・月
[交通]地下鉄千代田線根津駅1番出口から徒歩3分
『ラーメン 喜粋』
鶏と煮干しのダブルスープ コクと旨みを感じさせつつキレのあるおいしさ
ど真ん中のストレートである。懐かしさを覚えるトラディショナルな構成。それでいて、一つひとつきっちり仕事がされた味わいは、力強く、完成度が高く、オリジナルだ。まずはその、煮干しと鶏のみを使ったダブルスープ。贅沢に使われた鶏ガラからのコクと旨みを煮干しが支え、実に味わい深い。で、これが醤油ワンタン麺であれば、醤油の旨みと風味もじわり。
醤油ワンタン麺 1100円
数種の醤油を合わせ、海産物も加えたカエシがキーポイントだ。人気のワンタンは、数種類の鶏肉の部位を使い、細かく刻んだゆずの風味が香る。少し縮れた細めの中華麺がよく絡んで箸がくいくい進むこと間違いなしだ。もう一杯、数量限定ながら鶏白湯も見逃しがたい。こちらは鶏のみを贅沢に炊き、白濁したミルキーなスープにはその旨みが濃厚かつきれいに満ちている。カイワレや晒しネギと一緒に爽やかに啜るのがいい。
[住所]東京都文京区根津2-27-1 今井ビル1階
[電話]03-5834-2750
[営業時間]11時半~14時半、18時~21時(日・月は昼のみ)
[休日]無休
[交通]地下鉄千代田線根津駅1番出口から徒歩2分
撮影/橋本真美(松風、やなか、三里)、竹崎恵子(根の津、BIKA、喜粋)、小澤晶子(ラ・ファーメ)、取材/池田一郎(松風、やなか、三里、根の津、BIKA、喜粋)、編集部(ラ・ファーメ)
※2023年5月号発売時点の情報です。
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