唐津の自然の恵みが詰まった「玄界灘塩らぁ麺」 スープのベースは支那そばやが「鶏」主体なのに対して、今回は「豚」が主体。「和豚もちぶた」をメインとした動物系スープと、アゴ(トビウオ)やエソ、昆布などの魚介系をブレンドしたも…
画像ギャラリー新横浜ラーメン博物館(横浜市)は、30周年を迎える2024年へ向けた取り組みとして、過去に出店した約40店舗が2年間かけて3週間のリレー形式で出店するプロジェクト「あの銘店をもう一度」を2022年7月1日から始めています。このプロジェクトにあわせ、店舗を紹介する記事の連載も同時に進行中。新横浜ラーメン博物館の協力を得て、「おとなの週末Web」でも掲載します。
6月27日から始まる第18弾は、佐賀・唐津の「らぁ麺むらまさ」です。
“ラーメンの鬼”こと佐野実さんがプロデュース
第18弾は、新ご当地ラーメン創生計画の第3弾として、プロデューサーに「支那そばや」創業者の佐野実さん(1951~2014年)を迎え入れた佐賀・唐津「らぁ麺むらまさ」さんです!
【あの銘店をもう一度・第18弾・「らぁ麺むらまさ」】
出店期間:2023年6月27日(火)~2023年7月17日(月)
出店場所:横浜市港北区新横浜2-14-21
新横浜ラーメン博物館地下1階
※第16弾「IKEMEN HOLLYWOOD」の場所
営業時間:新横浜ラーメン博物館の営業に準じる
・過去のラー博出店期間
2009年9月17日~2010年4月4日
岩岡洋志・新横浜ラーメン博物館館長のコメント「唐津で多くの常連客に支えられている。佐野さんの先見の明を実感」
2001年にスタートした新ご当地ラーメン創生計画ですが、沖縄、八戸と行い、八戸から7年ぶりに第3弾として佐賀県の唐津を舞台に実施しました。プロデューサーは支那そばやの佐野実さんにお願いをしました。佐野さん自身も「最後のプロデュース」としてご快諾いただきました。
九州はとんこつ圏ですので、とんこつラーメンを出すのだと思っていたのですが、佐野さんが出した答えは塩ラーメンでした。確かに玄界灘は暖流と寒流が入り混じる拠点でミネラル豊富な塩が採れますし、唐津は海産物も豊富で、イメージ的には函館に似たようなエリアだと感じました。函館は塩ラーメンの文化が定着しているため、これはきっと時間をかければ唐津でも根付くのではと感じました。
そして唐津に帰郷オープンして13年が経ちました。多くの常連客に支えられているということは、この味が根付いてきたのだと改めて感じたとともに、佐野さんは先見の明があるなと感じました。
「らぁ麺 むらまさ」さんは唐津にしかありませんので、この機会に極上の塩ラーメンをお召し上がりください。
玄界灘に面した風光明媚な城下町・唐津
唐津は佐賀県の北西に位置し、玄界灘に面する旧唐津藩の城下町をルーツとする市で、古くから唐(韓・唐)などの大陸との窓口(津・港)で、多くの生命を育む豊かな海、玄界灘を臨み、深く清らかな自然の山々に守られた地です。優雅かつ雄厳な自然の神韻と、万葉の風・桃山文化の薫りを感じる、歴史浪漫に満ちたところです。
唐津には三大名物が多く、三大松原の「虹の松原」や、佐賀県三大焼物の「唐津焼」、日本三大くんちの「唐津くんち」等、観光や名産物にもおいても有名です。また「呼子のイカ」は全国的にも有名な名産として知られています。
新ご当地ラーメン創生計画の第3弾
「らぁ麺むらまさ」は、新横浜ラーメン博物館の15周年企画「新ご当地ラーメン創生計画」の第3弾として誕生しました。
プロデューサーは、全国の食材・食文化に精通している「支那そばや」店主の佐野実氏に依頼。
プロデューサーにより地域を選定し、新横浜ラーメン博物館と協議の元、対象地を佐賀県「唐津市」に。
その選定理由は、(1)海産物等の食材が豊富である事(2)ラーメンのスタイルは確立されていないが先行する麺文化「うどん」は古くから食べられている事(3)すでにラーメン文化が根付いている「函館」と似た文化が存在する事。以上の選定理由から唐津にもラーメン文化が根付く背景としては充分であると判断したためです。
出店事業主は唐津市で造園業を営むグリーンアーツ株式会社(代表・村山昌治)が選ばれました。
この「新ご当地ラーメン創生計画」は新横浜ラーメン博物館に出店後(2009年9月17日~2010年4月4日)、必ず現地に戻り開業することが条件で、2010年4月22日に帰郷オープンし、現在も唐津で営業を続けております。
「らぁ麺むらまさ本店」
住所:佐賀県唐津市菜畑3609-2
電話:0955-74-3213
営業:11時~15時(定休日は木曜日)
食材を知り尽くした佐野氏が出した答え
とんこつラーメンの聖地「九州」で「塩ラーメン」に挑む。佐賀県唐津市に隣接する福岡県はとんこつラーメンの発祥の地。福岡県久留米市で誕生したとんこつラーメンはその後、福岡、熊本、大分等九州一体に伝播しました。言わば九州はとんこつラーメンの聖地。しかし今回、佐野氏がプロデュースするラーメンは「塩ラーメン」。
ご当地ラーメンとはその土地の気候・風土・食文化に影響を受けるもの。佐野氏曰く「玄界灘は暖流と寒流が入り混じる拠点でミネラル豊富な塩が採れるとともに新鮮な食材が豊富に手に入ることから九州の中でも独自の食文化が存在し、九州の他県に比べ素材本来の旨みを生かした食文化やあっさりを好む傾向がある」との事。そうした背景や地元郷土料理等からのヒントを得て佐野氏が辿り着いたのは、玄界灘の塩を使った「玄界灘塩らぁ麺」でした。
佐野氏が惚れ込んだ玄界灘の「一の塩」
ひと口に塩と言っても「岩塩」、「海塩(天日塩)」、「海水」、「湖塩」等の種類や、産地や手法によりその数は多く、佐野氏もこれまでに数百種類を超える様々な塩を試してきましたが、今回出会った唐津の塩は「味・成分とも文句のつけようがない」と絶賛。その塩は玄界灘に囲まれた加唐島(かからしま)で作られる「一の塩」。
「料理で一番大切なのは水と塩」という佐野氏は「まろやかで角のないこの塩を使えば、より食材本来のうまみが引き立つラーメンが出来る」とのこと。
唐津の自然の恵みが詰まった「玄界灘塩らぁ麺」
スープのベースは支那そばやが「鶏」主体なのに対して、今回は「豚」が主体。「和豚もちぶた」をメインとした動物系スープと、アゴ(トビウオ)やエソ、昆布などの魚介系をブレンドしたもの。弱火でじっくり煮込み、あっさりとしていながら素材の持つコクを引き出したスープです。
塩ダレはメイン食材「一の塩」他、剣先イカ等の魚介エキス、唐津屋の天然だし等を使用。
麺は中細(番手22番)のストレート。佐賀県産国産小麦「ニシノカオリ」を配合した「春風」に、支那そばや御用達粉をブレンド。香り・旨み・コシ・しなやかさが同居した麺です。
具はスープを邪魔しないようにあえてシンプルな盛り付け。「和豚もちぶた」を使った肩ロースのチャーシュー、穂先メンマ、そして唐津産の中ネギを使用。
※食材は2009年当時のものです。今回の出店時には変更する場合がございます。
「らぁ麺むらまさ」をラー博で食べられるのは実に13年ぶり。新横浜から唐津までは飛行機+電車を乗り継いで少なくとも4時間かかります。この機会に銘店の味を思う存分ご堪能くださいませ。
出店期間は2023年6月27日(火)~7月17日(月)です。皆様のお越しをお待ちしております。
『新横浜ラーメン博物館』の情報
住所:横浜市港北区新横浜2-14-21
交通:JR東海道新幹線・JR横浜線の新横浜駅から徒歩5分、横浜市営地下鉄の新横浜駅8番出口から徒歩1分
営業時間:平日11時~21時、土日祝10時半~21時
休館日:年末年始(12月31日、1月1日)
入場料:当日入場券大人380円、小・中・高校生・シニア(60歳以上)100円、小学生未満は無料
※障害者手帳をお持ちの方と、同数の付き添いの方は無料
入場フリーパス「6ヶ月パス」500円、「年間パス」800円
※協力:新横浜ラーメン博物館
https://www.raumen.co.jp/