おとなの週末Webの人気連載「文豪占い」は、スタートからちょうど1年が経ちました。そこで今回から、新しい作家の方々に登場していただくことに。前の作家の方も合わせて、自身と同じ数字の作家の作品も楽しんでみてください。その中…
画像ギャラリーおとなの週末Webの人気連載「文豪占い」は、スタートからちょうど1年が経ちました。そこで今回から、新しい作家の方々に登場していただくことに。前の作家の方も合わせて、自身と同じ数字の作家の作品も楽しんでみてください。その中にはきっと、同じ数字だからこそ理解できる言葉、心に沁みるフレーズが散らばっているはずですよ。
文豪占いとは?
自身の生年月日から数字を導き出し、そこから各々の特性を見出すというシンプルながら奥の深い占いがベース。さらにその占いを使って、世界の名著を綴ってきた作家がどの数字の持ち主なのか? たくさんの作家の生年月日を調べてもみました。かの作家がどのような性格でどんな考え方、どんな生き方だったのか、さらに作品の内容も参考に、天才? 自己破滅? 構築脳? 努力の人? みなさんがどの作家と同じタイプかをみていきます。自分や他人の真の才能や人間性、他人との付き合い方を文豪たちの生き方や作品の言葉から学んでいきましょう。
占い方
占いの計算方法は、とってもカンタン!
(1) 生年月日(西暦)を書き出し、ひとつずつ足していく。
(2)出た2桁の数字をさらに足して、一桁にする。
注意 11、22、33になったらそこでストップ
⇒1桁の数字、もしくは11、22、33と表を照らし合わせる
例えば、1982年11月28日生まれだったら…
1+9+8+2+1+1+2+8=32
3+2=5 …コナン・ドイルタイプ
という感じです。
そして、皆さんと同じ数字を持っている文豪ですが、
1…ラヴクラフトタイプ
2…マルキ・ド・サドタイプ
3…ゲーテタイプ
4…永井荷風タイプ
5…コナン・ドイルタイプ
6…アレクサンドル・デュマタイプ
7…泉鏡花タイプ
8…江戸川乱歩タイプ
9…サン・テグジュペリタイプ
11…中島敦タイプ
22…井原西鶴タイプ
33…H・Gウェルズタイプ
文豪占い数秘1
“異世界の天才クリエイター”の、ラヴクラフトタイプ
ラヴクラフト
アメリカの怪奇小説、幻想小説家の先駆け。「パルプ・フィクション」に作品が掲載され生前は認められなかったが、死後に入念な文体と悪魔的雰囲気を描いた短編が高評価される。神智学に影響を受け、彼が創出した作品世界は「クトゥルフ神話」と呼ばれ、後続の作家たちに賞賛され書き継がれている。代表作『クトゥルフの呼び声』『蕃神』など。
ラヴクラフトタイプへのカンフルワード
私が若さを感じていたのは、憶えていることが少ないからだった。(『アウトサイダー』より)
性格
ひとつのことに集中するクリエイターな1タイプ。言語に敏感で、造語なども面白く使える豊かな感性。突出した言語能力と世界観を持ち、他者からの価値観や時代に振り回されない。常識や世間の標準とは価値観を別にする。デリケート過ぎるのと他者への理解が薄いため、内側へ気持ちが向かいがちだが、それが才能に変わると力となる。
別居婚など結婚の形にも囚われず、自分の道を歩むのも”普通道”を歩まない体質ならでは。そのくせ人と関わるのが好きで、遠くにいる作家仲間やファンに生涯大量の手紙を書き続けることでコミュニケーションの形としていたのも1タイプの特徴。
ラヴクラフトの「テ・ケリ、テ・ケリ」をはじめとした造語は才気走っており、「恐怖が人間のもっとも深い所に潜むもっとも強い感情」で心にいつまでも残り続けると考えて、独自の神話体系を作り上げた。2歳から文字が読めたり、16歳で天文学誌にコラムも執筆していたが生前は売れず、『パルプ・フィクション』の文章や添削をしており、病みながらも創作意欲は失われることなく、後世に残る作品群を描いた。
仕事
現代の世の中なら、オンラインで働くのもオススメなタイプ。自分のペースで周りを気にせず、働ける環境が有れば頭角を表す。人の都合で動くのが苦手だが、ひとりで事務作業や営業をやらねばならない自営業は向かない。魔法の指を持つ生まれつきなのでマッサージ師や美容の仕事に向く。
ファッション
柄物やちょっと凝ったボタンやピンブローチ、小物を好む。オシャレも流行中心でなく個人の趣味でたのしむか全く興味を持たないかどちらかの極端なタイプ。
健康
基本的には身体は丈夫だけれども、真面目で振り幅が狭い一点集中型。占いやオカルト的なものに傾倒して引きこもったり、想像に引っ張られ過ぎて活動できなくなることもあるので要注意。散歩やカフェタイムが大事。
ラッキーカラー:レッド
文豪占い数秘2
“独自の哲学が全て”の、マルキ・ド・サド タイプ
ドナスイェン・アルフォーンス・フランソワ・ド・サド
18世紀、伯爵家に生まれ、7年戦争に従軍し大佐になる。サド家は侯爵となるも、サドは性的犯罪を重ね、牢獄と精神病院で32年間過ごす。作品の殆どは獄中にて精力的に執筆された。それらは自由思想に裏打ちされた背徳的な思弁小説であり、暴力とエロティシズム、徹底した無神論でフランス革命のきっかけとなったとも言われている。代表作『悪徳の栄え』『恋の罪』など。
マルキ・ド・サド タイプのカンフルワード
女は自分のために張り切るものを好み、自分を揺すぶってくれる者を愛します。(『悪徳の栄え』より)
性格
恋愛的関心が高く、早咲きの人も多い2タイプ。サドはこの恋愛的(変態的?)嗜好を多いに利用し、楽しみ、重要視し過ぎるほど、己の独特な哲学で生きた人である。2タイプに生まれた人は、独自の趣味嗜好が世間の承認と関係なければないほど成功する。禁書になっているにも関わらず、サドはベストセラー作家であった。彼の小説は、のちにサディストという言葉を生む。そんなサドの生原稿『ソドム120日』を、フランス政府は2017年に“国宝”と認定している。
意外な話だが、サドの妻はそんな彼を見捨てる事なく、貞淑な妻として子を育てながらたびたび援助を行っている。タイプ2に生まれつきの家族運の良さがこのエピソードに出ている。不自由な状態にあっても創作せずにはいられないエネルギーも、持久的集中力のある2タイプならでは。
恋愛には早咲きだけれども、金銭や成功より自分のこだわりが一番先なので、仕事運は遅咲きの傾向にある。潜在能力が相当眠っているタイプなので反社会的ではない趣味を深掘りしたり、恋愛力を存分に使って良きパートナーを見つけるのが幸福への近道。
仕事
やさしく需要的な面と厳しく攻撃的な面をコインの裏表のように持っている二面性が特徴。外向きはやさしいが、身内には甘えて厳しくなりがちなことに注意。真面目で細かいのでコツコツやる地道な仕事向き。
ファッション
お金があるとものすごくファッションにもこだわりを発揮し、お金をかける。反面あまりなかったならば、ずっと気に入ったモノを着続けて綺麗にしている場合が多い。
健康
依存的な傾向があり、人まかせになるとドンドン怠惰になってしまう。血流の悪さから免疫力が落ちやすい。お風呂、通勤時や買い物時に出来る日常的な運動がオススメ。
ラッキーカラー:ペールブルー
文豪占い数秘3
“教養深い恋詩人”の、ゲーテタイプ
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
18世紀のドイツの詩人、劇作家、小説家、政治家、法律家。裕福な家庭に生まれ、学ぶ機会や環境に身を置いていたため、たくさんの種類の仕事をこなすこととなる。詩や文学以外は特に自然化学に特化し「骨学」「形態学」「色彩論」など多岐に渡る研究発表をした。代表作に『若きウェルテルの悩み』、叙事詩『ヘルマンとドロテーア』、詩劇『ファウスト』など広く作品を表現した。
ゲーテタイプへのカンフルワード
お前のほんとうの腹底から出たものでなければ、人を心から動かすことは断じてできない。(『ファウスト』より)
性格
飽くなき好奇心に知識欲も強い3タイプ。社交能力を生かし、いわゆる“人脈”と呼ばれるものを意識することなく、自然に作り上げて行くことが出来る才能を持つ。ゲーテの職業の多さはこんな性質の表れ。弁護士を早々に辞めたが、”訴訟をふたつしたのみ”という逸話もある。
インスピレーションやアイデアの多い人にありがちな「気分の変わりやすさ」「新しい考えに移るとまえのことがどうでもいい」という特色も顔を出しがち。そんな可愛げも人に好かれるが、激しく強い感情と高すぎるアンテナを持つため、3タイプは恋愛や結婚を次から次へと繰り返す人も多い。ゲーテの詩に表れるように、恋愛にロマンティックな感情を強く持つので、他者に幻想を抱き過ぎ、あとで目が覚めてガックリすることも。
また名作を残しているが、複数の人と仕事を成し遂げるオペラや詩劇が多い。これは自らを長時間、律せないため。他者からの協力や強制、義務や責任が必要となるときもあると覚えておくことで成功する。また、芸術的ではあるが、研究チームに入るのもチームの起爆剤や発展力を培う。
仕事
発想力や勢いでトントンと進んでいく仕事が向いている。感情の起伏が激しいが忘れるのも早いため、ビジネスシーンに慣れてくると働きやすくなるはず。またチームでやる仕事にも適度な責任感や適度な諦めも持つので、仕事に困らない。
ファッション
オーソドックスなようで、アクセントの色をうまく効かせたり、服のカットや自分の身体のラインに合わせるのを好むため、センスの良い人が多い。オシャレをしたくなくなったら調子が悪いかも。
健康
躁鬱的気性があり、明るい時は思いっきりポジティブで周りを笑わせ喜ばせるが、鬱的になると電話やメールも出なくなったり見なくなったり。ひとりの時間と浄化的風呂や洗濯活動で健康を維持すると楽。
ラッキーカラー:イエロー
文豪占い数秘4
“スタイルを貫く”の、永井荷風タイプ
永井荷風
実家が実業家だった荷風は実業家になるために渡米する。アメリカとフランスに滞在、大使館員や銀行員になるも馴染めず、同時代のフランス文学を身につけ帰国した。耽美派として名をなし『あめりか物語』『ふらんす物語』なをど出版するも、発禁となる。明治末期に師・森鴎外の推薦で慶応義塾教授となる。以降日記文学で圧倒的な力を残すこととなる。代表作『濹東綺譚』『断腸的日常』など。
永井荷風タイプへのカンフルワード
未知の二人が寄合って、幾分なりとも互の思想の一致を見出し得る時ほど、愉快な事は恐らくあるまい。(『あめりか物語』より)
性格
日頃は冷静で律儀、おだやかで誠実。しかし、こと恋愛となるといきなり人格が変わったように物分かりが悪くなり、約束ごとや変わりゆく生活や人のあり様を恐れ、人間関係を悪くしたり、白か黒かという極端な感覚になる。永井荷風の数々の日記文学は移り変わる自分や人の気持ちを恐れ、でも人を愛する様子が描かれている。
荷風は2回、短めの結婚と離婚をしているが、他者に対する幻想が壊れた時にかなり疲弊するタイプ。向いているのは友達のような“情”で結婚することだが、その“情”さえ過剰である。恋愛感情はなくとも、許容できる純粋でおおらかな人が見つかれば全てがうまく回る。
正直なので目上の人、夏目漱石や森鴎外に才能や人柄を買われていたうえ、行儀が悪くてわがままな面もあるのに文人仲間と揉めながらも仲良くやっていたようだ。タイプ4は基本、話が面白く、勘がいい聞き上手な才能を持つ人が多い。江戸戯作作家のように生きたかった荷風は、文化風習を大切にする。日記文学の様に毎日少しずつ長期にわたる仕事は変化がない為、大変タイプ4の性分に合っていた。
仕事
コツコツと好きなことを調べたり、記録をして行くことが好き。病院や学校、役所の様なキチンと規則がありそこで仕事をするのに向いている。金銭の計算ができないわけではないが、瞬発力の必要な商人的なことはあまり向いてない!
ファッション
周りから目立ってしまうのは苦手だが、オシャレで目立つファションをしがち。そして人から「センスが悪い」と言われないタイプ。ここも基本を大事にバランスよく着こなす感じ。
健康
若い時は健康な人が多いが、生き方で随分と健康が分かれてしまうタイプ。ストレスや頭の使い過ぎ、嫌悪感を我慢していると内臓や関節に不調が来やすい。心の健康こそ身体の健康なタイプ。
ラッキーカラー:グリーン
文豪占い数秘5
“波乱こそ我が人生”の、コナン・ドイルタイプ
アーサー・コナン・ドイル
19世紀から20世紀に活躍したイギリスの医師、社会活動家で小説家。世界中で大ベストセラーとなった『シャーロック・ホームズ』シリーズの作者である。医師をしながら空き時間で書いた小説が本業になっていき推理小説、歴史小説、SF小説など次々と発表している。現在もシャーロピアンという熱烈なファンを持ち、多数映画化やドラマ化されている。主な著作は『緋色の研究』『バスカヴィル家の犬』『失われた世界』など。
コナン・ドイルタイプへのカンフルワード
人生は人の心が考え出すどんなものよりも、はるかに奇妙なものだ。(『シャーロックホームズの冒険』より)
性格
人生の移り変わりが大きく波が激しいのがタイプ5の特徴。自分のライフワークでは何が起きても貫くところがあるが、医師を始めても病院はそんなに混まず、待ち時間に小説を書いてしまい小説家デビューまでするというのはタイプ5のコナン・ドイルならでは。デビューしたのちは眼科医に転向するもいっさい患者が来ず、小説一本に絞ったのも変わったエピソードである。
本来なら医師より小説家で成功するほうが何十倍も難しいのにこの結果。このあとすぐに『シャーロック・ホームズ』シリーズが大ヒットしてあっという間に人気作家に。しかし、何にでも反発精神があるタイプ5のため、人気の出たホームズを倦厭するようになり歴史小説を書く。翌年の1900年、ボーア戦争が勃発すると医療奉仕団に医師のひとりとして参加し戦地に赴いた。1901年にはホームズシリーズを再開してファンを歓喜させる。
さらにコナン・ドイル自身も現実の事件でも警察に頼まれて、冤罪事件を2件、推理、調査し解決した。その後SF作品に転向したり、タイタニック号に関する論争をしたり、心霊研究に興味を持ったり、結婚を2回するなどバイタリティと行動力の塊である。動くことで人生が拓けるので、迷わず突き進むので紹運来福。
仕事
一生にひとつの仕事しかしないことが珍しいタイプ。もし仕事を変えないとしたら同じ会社で部署が変わることが多かったり、転勤が多かったということがあるかも。損得より自分のしたいことを選ぶのがのちに幸福につながる。
ファッション
Tシャツのプリントや服の飾りが可愛い、アクセサリーがポップ、帽子や靴が特徴的などちょっぴり凝ったおしゃれが楽しめるタイプ。
健康
運動嫌いな人も多いが、身体を動かすことで体調が良くなるタイプ。移動したり、生活の簡単動作を重ねることでも充分。動けば動くほど運気も好転する。
ラッキーカラー:ターコイズブルー
文豪占い数秘6
“感性豊かな活動人”の、アレクサンドル・デュマタイプ
アレクサンドル・デュマ・ペール
19世紀に活躍したアレクサンドル・デュマは、演劇から出発して最初に成功した『アンリ三世とその宮廷』を皮切りに歴史ドラマを何本も書き、一躍有名になる。唯一無二の壮大なストーリーテラーとして、現代でもなお世界中で小説が読み継がれ、数多く演劇や映画化されている人気作家である。代表作に『三銃士』から始まる三部作や『モンテ・クリスト伯』など人気作家として一世を風靡した。
アレクサンドル・デュマタイプへのカンフルワード
きわめて大きな不幸を経験したもののみ、きわめて大きな幸福を感じることができるのです。(『モンテ・クリスト伯』より)
性格
祖父の侯爵が解放黒人奴隷を妻にしたり、父が将軍なのにナポレオンに意見して財産が無くなったり、とことん自由でユニークな性分のデュマ家。貧しさのせいで普通の学校へも行けず神父の塾に入るのだが、自由に好きなことだけ学べる環境に入ったのはリベラルなタイプ6にとってラッキーだった。
豊かな想像力とロマンティシズムがある自身の本領を思いっきり発揮できるのは、人の縛りがないこと。妙に義理堅く、人と合わせる能力も高いので、学校や社会組織の厳しいところでは窮屈。野生児のようだったデュマは恋愛を繰り返し、演劇の世界から作家の世界へ入っていった。夢中になるものがあれば強制されなくても深く広く勉強する。人と協調しながら仕事をするのも、自由すぎず良かったのかもしれない。
その後新聞に小説を書き連載を始めるが、この規則的に仕事がキチッと出来る能力を発揮したはず。規律や制約の中で好きなことが書ける環境はタイプ6の才能をどんどん育んでいく。何社とも契約し相当利益が上がったはずだが、今でも残るモンテ・クリスト城を建て、さらに働かざるを得なくなる。
生命力と好奇心、形に残しておきたい執着心を遺憾なく発揮させ、歴史に残る名作をたくさん残せたのは、一番向いている生き方ができた証拠だと思われる。彼の写真も生命力に溢れている。
仕事
頭が良い人が多いが、嫌いなことは人よりかなり出来ないタイプ。デュマが作家になったように、安定よりも興味が持てる仕事に就かないと天才的な「野生の勘」も働かないのでもったい無い。
ファッション
比較的服はどうでもいいため、メーカーやブランドを決めたらずっとそこの服を着ているのがラクチン。高すぎるものや慣れないものは苦手で、手を出さない。
健康
元来、丈夫だが変食、少食、過食など何らかの食の問題を抱え、神経過敏になるとお腹を下したりする。アレルギーや自家中毒も起こす場合もあり、慣れぬストレスや責任荷重に要注意なタイプ。
ラッキーカラー:ビビットピンク
文豪占い数秘7
“信じれば強くなる”の、泉鏡花 タイプ
泉鏡花
明治後期から昭和初期にかけて活躍した小説家で、戯曲や俳句も手がけた。尾崎紅葉を師として仰ぎ門下に入る。江戸文学の影響を受けた耽美的華麗な文体と怪奇趣味で、幻想文学の先駆者として評価されている。ロマン主義、観念小説なども書いており、新聞連載も多い。文人仲間との交流も盛んで、神経質だが人間関係は豊かだった。作品の舞台化、映画化は多数。代表作は『高野聖』『歌行灯』『天守物語』など。
泉鏡花タイプへのカンフルワード
我が生は自由を望む。自由を欲する。気ままを望む。(『夜叉ヶ池』より)
性格
人や己を信じる。もしくは“信仰”ということが大きなテーマのタイプ7は、何でも良いので信じるものを持つと強くなれる人が多い。泉鏡花は母親の死の翌年、石川県の摩耶聖人像に参ってから母の面影を感じたのか、一生摩耶信仰を保持した。
過度の潔癖症が有名で、畳に手の甲をつけてお辞儀をしていたにもかかわらず、神社では土下座していたという信心深さだった。その見えないものを感じ、想い、信じる力が幻想小説や怪奇小説を書く才能に繋がっていたと思われる。見えないものを形にする力が強いタイプ7はイメージする力が人より強く思い込みも強い。泉鏡花の不潔恐怖症は自分のいない時間に起きたことやこれから起きる事態をイメージしすぎたのかも。
恩を忘れず師の尾崎紅葉を敬っていたように愛情深くやさしいタイプ7は、上下関係や恋愛関係でも一途で誠実。また、鏡花は文字を大切に考えていたらしく文字の書いてあるものは捨てられずにいた。この辺りに信心に近いものを感じるが、文字で生計を立てていたので粗末にしなかったのではないか。
酉年生まれなので反対の位置の卯の模様のものを集めたり身につけたり、縁起担ぎのようだ。気を回し過ぎてエネルギー切れになりやすいので、縁起担ぎや寺社仏閣巡りなどで運気を集めるのがオススメ。
仕事
個人の想いや美意識が高い上、イメージ力が高いので創作する仕事がオススメ。作るものは食事でも建物でも服でも何でも良いので、芸術家というくくりにこだわらず、自身の環境から手をつけやすい職業に就くことで大吉に。
ファッション
伝統的過ぎるファッションや、凝った服とカジュアルなものを奇妙に組み合わせている人が多い。また気に入った色や模様を取り入れる人も多く独特のセンス。
健康
悪い想像をふくらませすぎて、ペシミスティックになると体調も悪くしがち。ホルモンバランスのせいなのか脚気や痛風、リュウマチになる人も。風に当たって水と野菜をたくさん摂ろう。
ラッキーカラー:パープル
文豪占い数秘8
“器の大きい無計画者”の、江戸川乱歩 タイプ
江戸川乱歩
大正から昭和に活躍したミステリ作家。ペンネームはエドガー・アラン・ポーからもじっている。“エログロ・猟奇・残虐趣味”を盛り込んだ小説が大人気となる。戦前に『芋虫』が発禁となり、探偵小説も不可能になるが、変名で少年小説を書き、戦後に少年探偵団シリーズが大人気となる。横溝正史が担当編集者だったり、編集者として作家を発掘もした。代表作『陰獣』『D坂殺人事件』など。
江戸川乱歩へのカンフルワード
結局妥協したのである。もともと生きることは妥協することである。(『探偵小説四十年 生きるとは妥協すること』より)
性格
計画的とは言えず行き当たりばったりで、出たとこ勝負な性質のタイプ8。そんな性質をそのまま抱えた江戸川乱歩は、小説家になるまで転職を何度か行い、さらに引越しが生涯で46回あったという。また、長編小説のプロットを立てるのを苦手とし、行き当たりばったりで作品を書くことで何作も連載していたという乱暴さ、心臓の強さもタイプ8ならでは。
長編連載をたくさん書いては休筆するという無計画な破天荒ぶりだが、不調になれば評論を書いたり少年小説を書いたり。骨太の小説家だっただけあって、戦前に多数発売された探偵小説の中で再刊されたのは江戸川乱歩だけであった。屋根裏が舞台の狭小ミステリから、『パノラマ島奇談』など空間自体を創造するミステリを書くなどスケールの大きさが窺える。
8タイプは経営者にも向いているのだが、戦後は『宝石』の編集者にもなりプロデューサーとして新人発掘に力を入れる。高木彬光、筒井康隆、大藪春彦、星新一などたくさんの才能を見出した。また海外のミステリ作家と積極的に交流したり、日本の推理小説協会を発足するなど社会的な活動もめざましい。
国内外で大乱歩と呼ばれたが「全集」は没後刊行が一般的な時代、生前・没後に各4度も「全集」を刊行した作家は分野を問わず他には存在しない。推理小説の大衆化にこれほど貢献した作家もいないと評されている。
仕事
野心の強い人が多く、乱歩のように行き当たりばったりでドンドン成功していくケースが多いタイプ8。プランはあるが強引に動かさず、チャンスがあればパッと飛びついて波に乗ること。そして継続こそ力としてしまえば無敵。
ファッション
地味なようでも個性的で、動きやすい物を好む人が多い。地味で目立たないタイプの方がオシャレで、目立つ服装をしている人は子供心が満載で遊びが多く、不思議な物を購入してくる傾向がある。
健康
12のタイプの中で1、2を争う丈夫さだが、自分の丈夫さにアグラをかいて老いてから生活習慣病を抱えることが多い。酒、タバコ、暴飲暴食などはほどほどにして欲しい。
ラッキーカラー:ゴールド
文豪占い数秘9
“どこで生きても私は私”の、サン・テグジュペリタイプ
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
20世紀初頭の短い期間に活躍したフランスの小説家、飛行家。没落貴族の出身で志願兵役して軍の操縦士となる。退役して就職後、民間企業のパイロットになる。26歳で作家デビューしたときの作品は高評価を受けなかったが、その後の作品はベストセラーになる。飛行家としての経験と観察眼で、愛に溢れたシンプルな文章で綴られた作品である。代表作『星の王子さま』『夜間飛行』『人間の土地』など。
サン・テグジュペリへのカンフルワード
星々が美しいのは、ここからは見えない花が、どこかで一輪咲いているからだね…(『星の王子さま』より)
性格
生涯飛行機乗りとして生きたかったサン・デクジュペリ。小説は書いていたものの飛行機に乗ることは諦めず、小説の内容も、有名な『星の王子さま』はサハラに不時着した時のことをモデルにして書くなど、飛行体験をベースにしたものが多い。
夢を見てそれに向かうというより“今、自分が出来ることに最善を尽くす”のはタイプ9ならではの生き方。職業をひとつに絞らないのも堅実で体力気力のある性質を表している。20年以下の執筆で寡作と言われているが、働きながら14作も書き残しているうえ、なんと『星の王子さま』の挿絵はサン・デクジュペリ本人が描いている。暇さえあれば子供の頃から絵を描いていたようだ。
このようにいくつもの才能を持つのもタイプ9ならでは。『戦う操縦士』という1942年の作品は、書かれた時代背景が彼の存在意義と評価を決めた。ヒトラーの『我が闘争』に対する“民主主義の側からの著作”として高く評価されている。どのような時代にいても自身の考えや思想を曲げない強さを持っている。恋愛小説も一作だけ書いているが評価が低く、通俗的な物への苦手さが現れている。
飛行については情熱的であるが忍耐力がなく、事故が多かった。1944年単機で出撃後、行方不明になっているが死体が発見されておらず、彼自体が“星の王子さま”のようだと言われている。
仕事
興味のあることで、目の前にあり現実的にすぐ動かせることをする。複数の仕事を持つ人が多く、エネルギー過剰で表現欲求、活動欲求が抑えられない。明るそうに振る舞うが落ち込んでいる時間も長く、執筆や絵画でデトックスするのが◎
ファッション
色んなシーンでズレている物を着る人ではないが、なんとなく「あれ?」と周囲に印象に残る物を身につける傾向。流行よりここも自らの趣味が一番!
健康
明るく感じ良くできる人が多いが、自分の気持ちに嘘をついて疲れ切っている場合が多い。ひとりでいると鬱的で暗い時間を持つが仕事に関係なく、吐き出し口として、文や音楽、美術をすることで健康を保てる。
ラッキーカラー:ブラック
文豪占い数秘11
“もっと高く遠く”の、中島敦タイプ
中島敦
教員勤務のかたわら小説執筆を続け、パラオの官史(教科書編修書記)を経て専業作家になる。中国古典の歴史世界を題材にした作品や、古代伝説風の奇譚・寓意物、自身の身辺を描いた私小説など書いた。存在の哲学的懐疑に裏打ちされた芸術性の高い作品が評価されるが、持病の喘息で33歳で亡くなり残した作品は20遍に満たない。代表作『李陵』『山月記』など。
中島敦のカンフルワード
人生は何事をもなさぬにはあまりに長いが、何事かをなすにはあまりに短い。(『山月記』より)
性格
そんなに必死に頑張らなくても地頭がよく頭脳明晰。さらに感受性の強い11タイプだが、中島敦は難関中学にトップで入学し、父の再婚や転校、外地へ移転など様々な環境の激変化にもかかわらず、成績は常に優秀であった。いわゆるガリ勉タイプではなく、いつ勉強しているのか分らない感じで、授業をサボって裏山に登り、城壁を越えて外の世界を出歩いていたという。
母の死や継母の折檻、転校の多さなど、屈折した精神構造を持つことになる。作品世界における人間認識の深さ、運命との対決という主題は、人生経験を積むことで研ぎ澄まされていった。また小学校4年のころの担任教師から聞かされた太陽系や地球絶滅の運命と存在の無意味さにショックを受け、あらゆる生の虚無と形而上学的な不安が中島文学の主題形成に影響を与えていく。
性質は明朗快活でウィットに富んだ話題を話し、礼儀正しく律儀で細かい気遣いも出来たエピソードなどはタイプ11ならでは。”もっともっと”と自身に才能や知性を課して行くが相当悩んだとされ、『孤憑』などの作品に語り部の中に物語が失われてしまったら死ぬことと同意だと描かれている。才能や知性に偏重した生き方を選ぶのもタイプ11の特徴である。
仕事
声がよく通り、明朗快活なのでコミュニケーションの多い仕事は出来る。反対に内面はデリケートなので人との距離が近過ぎる仕事や、体育会系の根性頑張り系は不向き。
ファッション
ファッションは色やカットが大人しめだが、体型維持に気を使っている人が多く、見た目は服装関係なくスッキリしている人が多い。
健康
何かにのめり込むのと、とにかく“もっと上へもっと遠くへ”と自分に課すことが多く、満足しないと酒乱や二重人格的、依存的になるので要注意。
ラッキーカラー:インディゴ
文豪占い数秘22
“後世に残る時代の寵児”の、井原西鶴タイプ
井原西鶴
17世紀初頭、江戸時代の大阪で活躍した浮世草子、人形浄瑠璃、俳諧の作者。様々なジャンルの作品を出版。従来の仮名草子とは一線を画すとして、現在では『好色一代男』以後の作品は浮世草子として区別されている。時代を超えて西鶴を題材にした小説や映画化もされ長く受け継がれている。代表作『好色一代男』『好色五人女』など。
井原西鶴のカンフルワード
善はつねに悪が混じっている。極端な善は悪となる。極端な悪は何らの善にもならない。(『日本永大蔵』より)
性格
運と実力が味方する22タイプの西鶴は15歳頃から俳諧師を志し有名になる。一昼夜の間に俳句をつくる数を競う矢数俳諧の創始を誇り、最高記録は23,500句作る。勢いがあるとものすごいエネルギーを発するタイプ22らしい。句風が奇妙で阿蘭陀(オランダ)流と称される。
1682年に自分が挿絵も書いた『好色一代男』を大阪で出版。絵の才能もあったようだ。翌々年には日本画家として名高い菱川師宣が挿絵を描いた江戸版も出版される。さすがの引きの良さである。『好色一代男』の役者絵も残っていることから、歌舞伎にもなったと思われる。
自ら動くことによって、周りの人間や大きな社会の動きを伴う生まれつきを有効利用していたようだ。原稿料の前借りを踏み倒すスキャンダルの記録も残っている。ただし、この記録の人物が西鶴への対抗意識が高く、信憑性が薄い。ともかく、この時代に原稿料を貰っていたとしたら西鶴の売れっ子ぶりがわかる。
同時代では売れっ子で有名人だったものの江戸末期には忘れられていたところ、明治時代の自然派の作家たちに再発見される。淡島寒月が古本を漁り、尾崎紅葉、幸田露伴に勧め、そこから二葉亭四迷や樋口一葉、島村抱月、田山花袋など多くの作家に影響を与えたというエピソードもタイプ22らしい。
仕事
アイデア、バイタリティ、行動力があり、さらに“運は人が運んでくる”ので自分の努力もある。しかし予想外の方向から運の神が微笑みやすい面も。思いっきり自分の世界を表現して支持者がいたら甘えてしまおう。
ファッション
素材の変わった物を好む。籠が流行ったら籠のバッグ。変わったサンダルや、靴など全て素材から変わっているものが多い。華やかというより個性的で面白いものを持っているタイプ。
健康
丈夫で怪我や病気が少ない。ただ、無理をしがちなので免疫系の具合が悪くなりやすい。体を冷やしたり冷たいものの飲み過ぎには要注意。病は気からと放置しないで早めに病院へ。
ラッキーカラー:ホワイト
文豪占い数秘33
“堅実な未来予見者”の、H・Gウェルズタイプ
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したイギリスの作家。SFの巨人と呼ばれる。科学師範学校で進化論に影響を受け、四次元の世界についての論文を発表し、作家人生の根幹を築く。後のSF業界に多大なる影響を与える科学知識が下敷きになる空想小説である。代表作に『タイム・マシン』『透明人間』『宇宙戦争』など。
H・Gウェルズタイプへのカンフルワード
我々が戦争を終わりにしなければ、戦争が我々を終わりにするだろう。(『来るべき世界より』)
性格
タイプ33らしく堅実に教員を目指すが、教員の世界の保守的で融通の効かない感じと、自身の肺病のためジャーナリストへの道を進む。「ネイチャー」などに寄稿する。タイプ33は教育者にも向いているが、己の強い運命に引きづられるようにジャーナリストを経て、作家の道へ。
1890年代から1900年代初頭にかけて『タイム・マシン』をはじめ、現在でも有名な作品を何作も発表する。いきなり脚光を浴びたわけではないが、よく扱われるSF的題材を数多く生み出し、また発展させた事で評価を得ている。タイムマシン、蛸型の火星人、透明人間、動物の知性化や細菌兵器など数えられないほどSF小説の基盤を築いていった。
タイプ33ならではの想像力と裏付けを探していく本格ぶりだが、小説『解放された世界』は、原子核反応による強力な爆弾を用いた世界戦争と、戦後の世界政府誕生を描いた。核反応による爆弾は、原子爆弾を予見したとされる。
自宅での執筆活動ばかりでなく、文士との交流や社会運動にも参加している。また多彩な恋愛歴があり、結婚は2回だが交際した女性の数は相当数にのぼっている。愛情と想像力とエネルギーが余っているタイプ33ならではの精力的なエピソードも多いが、作家や研究者、漫画家など後世に影響を残している。
仕事
キチンとしており、だらしなく放っておくということがない。研究者や教師、ジャーナリストや物書きに向いており、社会性があるため他の仕事についても生活に困るということがない。
ファッション
休日にカジュアルなものを着ているが、仕事的に許されるなら普段からカジュアル。仕事が絡むと急にキチンとして文句のつけようのない服装になる。こだわりはあるがそれほどファッションに興味なし。
健康
気を張りすぎて不調を起こすことが多い。社会性を重んじてなくても世の中に合わせてしまうので知らないうちに緊張している。頭を空っぽにする趣味が大切。
ラッキーカラー:レインボー
タナミユキ
タロット、気学、易学、数秘術などに精通し、テレビや雑誌、アプリなど様々なメディアで活躍している占い師。著書に『来れば? ねこ占い屋』(小学館)がある。また雑司が谷にある『古本ト占 JUNGLE BOOKS』で鑑定も行なっている。
HP https://junglebooks.wixsite.com/junglebookstop
イラスト・倉本トルル
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