夜はバータイムも、リビング感覚でくつろげる ということで夜にも訪れてみた。カウンターには特製スパイスも販売しているスパイス料理の名手のシェフによるサングリアやレモンサワーの瓶が並ぶ。メロンや大葉をスパイスとともに漬け込ん…
画像ギャラリー「久しぶりに情報交換しましょうよ」とお誘いを受け、PR会社の代表が連れて行ってくれたのが、東京・恵比寿駅から徒歩5分ほどの「ロジエ」だった。2023年夏にオープンしたばかりという、ビルに囲まれた小さな一軒家レストラン。お高そうだなぁとおそるおそる扉を開けたが、その和やかな雰囲気に驚いた。
ランチハンバーグやカレーなど家庭的なメニュー
店内はキッチンを囲むカウンターと小さなテーブルのみ。ランチはハンバーグやカレー、昔ながらの豚のしょうが焼きなど家庭的なメニューでスープ付きで1350円と思いのほかリーズナブル。1プレートにはサラダや自家製ピクルスやナムルが付く。
200円のソフトドリンクに加え、ランチビールやワインが500円というのもうれしい。ロジエ特製という白いナポリタンは、赤くないのにトマトの風味が効いて、定番のナポリタンよりもクリーミー。これは不思議!
とよた真帆さん自ら設計、施工したテラス席
そして店内にははっとする美女が。実はオーナーである青山真穂さんは、女優として活躍するとよた真帆さん。撮影がないときにはマダムとしてお店に立っており、きさくに語りかけてくれる。
店内にはとよたさんが20代からコレクションしたというアートが飾られ、まるでご自宅に招かれたように錯覚する。店内のBGMは2022年に他界した夫の映画監督、青山真治さんが所有していた名盤からで、店名も青山さんの短編映画の『路地へ 中上健次の残したフィルム』からとった。
そして内装はDIYを得意とするとよたさん自らがデザインし、制作、ペイントしたのだそう。なるほど、奥のテラス席も手作業ならではの味がある。「レシピやお皿は、我が家のものをそのまま活用していたりするんですよ」ととよたさんは笑う。受け継いできたレシピはシェフがアレンジしてさらに進化。夜は本格的なイタリアンとともに、そんなほっこりする家庭の味も楽しめる。
夜はバータイムも、リビング感覚でくつろげる
ということで夜にも訪れてみた。カウンターには特製スパイスも販売しているスパイス料理の名手のシェフによるサングリアやレモンサワーの瓶が並ぶ。メロンや大葉をスパイスとともに漬け込んだ白のサングリアでまずは乾杯。サングリアは季節によりレシピが変わるので一期一会だ。
前菜は胡麻と梅ソースのキャロットラぺ、自家製しめ鯖いちじくジャム添えなど、定番にひとひねり加えたメニューばかり。価格も600円~と居酒屋感覚だ。牛タングリル、生姜のきんぴら添えのマッシュポテトなど、好きなものを少しずつつまめるのも気楽。
ロジエ特製白いナポリタンやジェノベーゼなどのパスタは1800円~。錦爽鶏の骨付きグリル2500円や房総ポークのロースグリル2800円などのカルネも提供しているので、しっかりしたコースをアレンジすることも可能だ。
バータイムとしての需要も多く、ふらりと立ち寄り、飲んで帰る地元客も多いのだとか。スタイリッシュな一軒家レストランとは思えぬほど、穏やかな空気が流れ、3、4人組の若い男性客も多い。気張らず、誰かの家のリビング感覚でみな、集っている。
ランチでも、ディナーでも、ちょっと一杯でも、あらゆるシーンに寄り添う、まさに使い勝手のいいお店。恵比寿駅から近い立地でありながら、隠れ家的要素もあり、知っていると自慢できる、とっておきの居場所ができた。
『ロジエ』
[住所]東京都渋谷区恵比寿南2-4-19
[電話]03-5708-5221
[営業時間]11時30分~14時(L.O.13時30分)、ディナー17時30分〜、BARタイム21時〜
[休日]なし
[交通]JR、地下鉄日比谷線恵比寿駅徒歩5分
文・写真/間庭典子
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