50周年を迎えたレストラン『デニーズ』は、記念企画「都内人気レストランシェフの監修メニューシリーズ」を始めています。第1弾から第3弾に分けて、『ミシュランガイド東京』で一つ星を獲得するなど名実ともに人気を誇るレストランの…
画像ギャラリー50周年を迎えたレストラン『デニーズ』は、記念企画「都内人気レストランシェフの監修メニューシリーズ」を始めています。第1弾から第3弾に分けて、『ミシュランガイド東京』で一つ星を獲得するなど名実ともに人気を誇るレストランのシェフ3人による特別メニューが、お値打ち価格で味わえます。11月7日からは第2弾がスタート。東京・銀座のイタリア料理店『アロマフレスカ』の原田慎次オーナーシェフが監修した播磨灘(はりまなだ)産牡蠣と冬野菜の蕪が主役のパスタが提供されます。原田シェフの牡蠣を使った料理は『デニーズ』だけで味わえる貴重な機会です。
ミシュランシェフ考案の特別メニューとは!?
『アロマフレスカ』は、2007年11月の『ミシュランガイド東京』創刊時から16年連続星を獲得するなど、日本のイタリア料理界を代表するお店のひとつ。銀座1丁目交差点からほど近いビルの12階にあり、コース料理(ランチ1万5125円〜、ディナー2万7225円〜)が堪能できます。
『デニーズ』で味わえる原田シェフのメニューは、前菜の「ローストポークのカルパッチョ仕立て」と「ライ麦パン」が付いた「播磨灘産牡蠣とトロトロ冬野菜のスパゲッティ シェフおすすめセット」(2519円)と、「播磨灘産牡蠣とトロトロ冬野菜のスパゲッティ」 (単品1859円)です(~12月21日まで)。
食べた瞬間に「うまっ!」と感じるインパクトを求めて
メニューの提供に先立ち、2023年10月26日、『デニーズ』を展開するセブン&アイ・フードシステムズ本社(東京・二番町)で行われた発表会と試食会に参加してきました。シェフ監修メニューの目的は、「お客様に新しい食体験の価値を提供する」こと(発表会資料より)。
今回、季節感がありパスタに合う食材として『デニーズ』側から提案したのは、11月頃から3月頃までがおいしいといわれる牡蠣だったそうです。牡蠣は、通常出荷に2〜3年かかるといわれますが、播磨灘(瀬戸内海東部の海域)産の牡蠣は、山から流れ込む栄養分などの自然環境のおかげで、1年で立派な大きさに育つそうです。この牡蠣を選ぶ決め手になったのは、蒸したときに最適な味に仕上がる食感だといいます。
『アロマフレスカ』では、牡蠣を使った料理の提供はないということなので、お店のファンの方にとっても、牡蠣好きの方にとってもおすすめの超プレミアムなパスタとなっています。
パスタソースのベースには、牡蠣の「アヒージョ」(ニンニク入りのオリーブオイルで魚介などを煮込んだスペインの小皿料理)をイメージしたオイルに、帆立、アンチョビの旨みを重ね、魚介の旨みがたっぷり。
牡蠣のパスタというと、ペペロンチーノ系のオイルベースで作ることが多く見られ、このままでも十分おいしいオイルに、さらにピューレ状の蕪と合わせることでポタージュスープやクリームソースのようにコクと丸みを与えパスタに絡みます。
オイルベースに深みを与えるために何の素材を合わせるかなど、ソースだけでも開発担当者と共に何度も試行錯誤を重ねて完成したそうです。野菜の使い方ひとつをとっても、原田シェフならではのトータル的なおいしさを追求した新鮮な組み合わせのように感じました。
原田シェフがメニューの開発でこだわったのは、食べた瞬間に「うまっ!」と感動するようなひと口目のインパクトと、食べ疲れせず最後まで感じられるおいしさ。まさに「播磨灘産牡蠣とトロトロ冬野菜のスパゲッティ」は、ひと口頬張ると蕪の甘みがプリッとした牡蠣とクリーミーで絶妙なハーモニーを醸し出し、ありそうでなかった衝撃のおいしさです。
蕪は具材としても使われ、ブロッコリーと共にクタクタに茹でることでソースに溶け込み、一体感を持たせています。こんもりと盛られた白髪ネギの上には柚子の皮が散らされ、爽やかな食感と香りが、口の中をリセット。牡蠣は蒸したものを使用することによって食の安全性にも配慮し、ふっくらとした旨みと柔らかさを際立たせているそうです。存在感のある大きさなので頬張ると幸せな余韻が続きます。
パスタは200gと、ボリュームたっぷり。同席した男性方も食べたな~という満足感を得られるようなしっかりとした量があります。店名の『アロマフレスカ』には、“フレッシュな香り”という意味があります。目の前にパスタが置かれた時の野菜の優しい香りと、魚介や柚子の風味が心地よく食を進めてくれます。
素材の持ち味を最大限に引き出し、洗練された料理に定評のある原田シェフの技術とおいしさへの思いが、『デニーズ』とタッグを組んだこの一皿に詰まっています。
冷めても、パスタに旨味が染み込んでいるため、最後の一口までおいしく、どこかほっとするようなマイルド口当たりなので、子どもやご年配の方にもおすすめです。
高級レストランでコース料理を楽しむのは、ちょっと敷居が高いですが、『デニーズ』なら1人でふらっと子ども連れでも気軽に、普段着で予約をしなくても食べることができます。高級店のクオリティを、2000円台で食べられるのは嬉しいですね。遠方から都内にある実際のお店に行くには大変ですが、『デニーズ』なら300店舗以上が各地にあるため、行きやすいというのも魅力です。
「デュカスパイス」が効いたお肉のカルパッチョ
「ローストポークのカルパッチョ仕立て」は、口当たりがふわっと軽やかにスライスされたロゼ色のローストポークが滑らかな舌触りの冷製の前菜です。オリーブオイル、パルミジャーノ、バルサミコがソース代わりにバランスよくかけられ、お肉の適度なボリュームとバルサミコのほのかな酸味が、食欲をかき立てます。
アクセントになる「デュカスパイス」(中東の万能調味料)には、ヘーゼルナッツ、アーモンド、カシューナッツにスパイスのコリアンダー、クミンと塩を合わせているそうです。エスニックな風味と、カリッとあたる食感が、お肉の旨みと甘みを引き立てています。
原田シェフセレクトのイタリアワイン(ボトルのみ/2189円)も赤・白が揃っているので、前菜とカリッと焼かれたライ麦パンとともに、温かいスパゲッティがテーブルに届くまでの時間を楽しむのもおすすめです。
江口寿史さんイラストによる約27年ぶりのメニューブック
メニューブックも、第1弾が始まった9月12日から50周年を記念した特別仕立てに。漫画家でイラストレーターの江口寿史(えぐち・ひさし)さんが描き下ろしたデザインとなっています。江口さんのイラストは、1992~97年のメニューブックにも描かれていたので、懐かしさを感じる人も多いのではないでしょうか。家族や友人と過ごした時間に思いを馳せながら、ゆったりしたひと時を過ごすのも良いかもしれません。
デニーズジャパンは1973年創業
『デニーズ』はアメリカ西海岸発祥のレストラン。1973年11月には、デニーズジャパン(セブン&アイ・フードシステムズの前身)が設立され、日本でのデニーズ1号店が74年4月に横浜市のイトーヨーカドー上大岡店内に出店されました。幅広い世代に親しまれるファミリーレストランとして全国に317店(2023年2月末時点)が展開されています。デニーズジャパン設立から2023年で50周年。2024年は1号店開店から50周年を迎えます。2023年8月1日~2024年8月31日にかけ、「デニーズ創業50周年記念期間」として様々な取り組みが実施されます。
「都内人気レストランシェフの監修メニューシリーズ」第1弾は、東京・参宮橋のイタリアン『Regalo(レガーロ)』の小倉知巳(おぐら・ともみ)シェフが監修。「スパゲッティ 海老のマリナーラ シェフのおすすめ 3品セット」(1969円)は、10万食を突破する人気となっています(10月6日発表時点/11月6日まで提供予定)。第3弾は、東京・白金台のフレンチ『ルカンケ』の古屋壮一(ふるや・そういち)シェフが考案するメニューです。
文/写真・大島あずさ
画像ギャラリー