冬の京都でパワーをいただく

“ブリしゃぶ発祥の地”で味わうブリ尽くしに深く感動!風光明媚な漁師町「伊根」の旅

「伊根の寒ブリ会席」は、脂が溶けだしとろける美味しさ!! 毎年11月から翌3月頃まで味わえるという〈伊根の寒ブリ会席〉は、脂がのって身が引き締まった分厚いブリのお刺身、ブリの照り焼き、お出汁が染みたブリ大根とまさにブリ尽…

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冬の京都の魅力を紹介する連載「冬の京都でパワーをいただく」。京都の日本海側“海の京都”を訪ねるルポの後編です。伝統文化を受け継ぐ漁師町・伊根町のおススメの観光スポットを紹介します。

まるで海上に浮かんでいるような「舟屋」の眺め

宮津市で「龍の願い玉」を納めた後はバスや観光船を利用して伊根町へ向かいます。海岸線に沿って立ち並ぶ舟屋と呼ばれる家々は1階に船揚げ場や作業場があり、2階が住居という造りが特長で、重要伝統的建造物保存地区にも指定される漁師町です。

山を背後に舟屋群230軒ほどが並んでいる。豊かな漁場が、今も昔も海とともに暮らす人々に恵みをもたらす

おすすめは遊覧船で伊根湾から舟屋を眺める風景。湾を取り囲むように並ぶ舟屋はまるで海上に浮かんでいるよう。舟屋は人が暮らす私有地のため基本的に立ち入りできませんが、最近では見学できるよう開放された家や、宿泊施設やカフェ、飲食店などにリノベートされた舟屋も増えており、伊根湾を眺めながらゆったりお茶や食事を楽しむこともできるようになっています。

伊根湾を30分ほどかけてめぐる遊覧船からは、海に浮かぶように建つ舟屋の趣きある風景が楽しめる

日本三大ブリ漁場のひとつ、江戸時代にはブリがもとで“切腹事件”

冬、「海の京都」にはカニやカキなどおいしい誘惑がたくさんありますが、伊根でぜひ食べたいのは寒ブリ。実は伊根町は日本三大ブリ漁場のひとつ。次々名前を変える出世魚であり、大きく成長することから、丹後地方では縁起物としてお祝い事でもふるまわれる習慣があるそう。そのおいしさは古くから知られており、江戸時代にはブリがもとになった切腹事件まで起きています

たっぷりと脂を蓄え身のしまったブリが獲れる伊根。新鮮なものはもちろん、数日寝かせた熟成ブリも好まれるそう

冬の美味「ブリしゃぶ」が誕生したのもこの地「ブリしゃぶ」発祥といわれるお宿、奥伊根の高台から日本海を望む旅館「油屋本館」で、温泉とブリ尽くしのコースをいただきます。

伊根湾からは車で約8分。高台にある奥伊根温泉「油屋本館」は、名湯と丹後のグルメが自慢
旅館の真下から湧出する自家掘りかけ流しの天然温泉。露天風呂では冬の日本海を見下ろしながら極上の湯あみを楽しめる
海側の部屋は眼下に日本海が一望でき波の音が心地いい

「伊根の寒ブリ会席」は、脂が溶けだしとろける美味しさ!!

毎年11月から翌3月頃まで味わえるという〈伊根の寒ブリ会席〉は、脂がのって身が引き締まった分厚いブリのお刺身、ブリの照り焼き、お出汁が染みたブリ大根とまさにブリ尽くし。お待ちかねのブリしゃぶは、薄く大きく切り出した新鮮なブリを、熱々の昆布だしにサッとくぐらせ、表面だけに火を通し特製ポン酢でいただきます。口に運ぶと身はほろりと崩れ、脂が溶け出しとろける美味しさ!

お刺身から照り焼き、ブリ大根、ブリしゃぶとブリ尽くしの夕食が味わえる「伊根の寒ブリ会席」。毎年11月から翌3月頃までの冬のごちそうだ
脂がたっぷりのり身の引き締まった寒ブリ。昆布だしにサッと通していただく

近隣は酒造りも盛んなエリア。旬のブリとうまい日本酒をいただき、龍のパワーに満たされて、海の京都に乾杯!

【丹後・奥伊根温泉 油屋】
住所/京都府与謝郡伊根町字津母570
電話/0772-32-0972
備考/昼の提供は休止中

宿泊料金/ひとり16,500円~(季節、料理内容によって変動あり、税サ込)

編集/エディトリアルストア
取材・執筆/渡辺美帆、成田孝男

※情報は令和5年11月30日現在のものです

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