なぜ、こんなにもラーメン店が多いのか? 前略、編集長。こちら葛飾区は堀切の現場から失礼します。他の記事はベテラン写真家によるおいしそうな写真ですね。こちらiPhone SEで心を込めて撮りました。 さて、降りたことあるで…
画像ギャラリー「ラーメン屋多すぎない?」ライター渡辺が、「おとなの週末」編集武内と堀切菖蒲園を飲み歩いている時のふとした会話から、どうかしてるとしか思えない企画が爆誕。取材という名の修業が始まった。
堀切菖蒲園のラーメン全15杯、一気見せ!
駅周辺に町中華、ラーメン店が密集。ラーメン激戦区・池袋駅の乗降客数は1日約46万人で、ラーメン屋1軒あたりにすると3833人の計算です。対して堀切菖蒲園の乗降客数は1日約1万人。ラーメン屋1軒あたりは666人ですから、あの池袋よりも堀切菖蒲園の方が5倍もラーメン屋が多い計算なのです!
『下町中華 樹』ラーメン 400円
15軒の中で最もあっさりした中華そばという印象。驚きの破格値
『大八元』ラーメン 550円
醤油の風味がしっかり感じられる昔ながらのラーメン。飲んだ後に好適
『居酒屋 けんちゃん』醤油らーめん 700円
背脂を少し浮かべた醤油味。居酒屋利用の締めに味わいたい
『美山亭』ラーメン 550円
毎日でも食べられそうなすっきりとした醤油ラーメン
『長門』スタミナラーメン 600円
にら・もやし・挽肉炒めがスタミナの素。麺のボリュームもたっぷり
『ラーメン大 堀切店』並ラーメン 900円
二郎系で男性に終日人気。スープがほんのり甘く、クセになる味わい
『中華料理 三河屋』ラーメン 650円
1928年創業、界隈最古の町中華と言われる老舗。淡麗な味わい
『焼豚ラーメン 三條 堀切店』焼豚ラーメン 900円
バラ肉を使った煮豚がたっぷり。ラー油が効いた醤油味のスープが美味
『つけ麺 陽』担々麺 1000円
旨みと辛味のバランスのよいあと引くスープ。麺自体のおいしさも光る
『来集軒』タンメン 720円
堀切菖蒲園で1、2を争う昭和感。具の野菜炒めもスープも激アツ!
『大黒天 堀切店』台湾まぜそば 900円
辛みやニラの風味が濃厚な味わいを軽やかに。食べやすさに驚き
『タカノ』ラーメン 500円
やさしくシンプルな味わい。リピート必至。
『とんちん軒』全部のせ濃縮中華そば 1000円
『麺席 一番鶏』鶏白湯らーめん+たまご 970円
クリーミーなスープは旨みとコクたっぷり。青唐辛子入りもある
『らー麺 まるいち』「極」塩らー麺 850円
豚骨、丸鶏、京風一番ダシのトリプルスープが濃厚。麺はモチモチ
なぜ、こんなにもラーメン店が多いのか?
前略、編集長。こちら葛飾区は堀切の現場から失礼します。他の記事はベテラン写真家によるおいしそうな写真ですね。こちらiPhone SEで心を込めて撮りました。
さて、降りたことあるでしょうか、京成本線・堀切菖蒲園駅。焼酎にシロップなどを加えて炭酸で割る焼酎ハイボールのメッカとして知られ、立石の次に来る酔いどれタウンと目されている街です。ひとつだけある改札を出て、気が向くままに歩いてください。
何軒ものラーメン屋、町中華の店に出くわすでしょう。私の調査では駅から徒歩5分圏に15軒を確認しました。
ラーメン激戦区と言われる池袋駅周辺にはなんと120軒ものラーメン屋があるそうです。池袋駅の乗降客数は1日約46万人。ラーメン屋1軒あたりにすると3833人の計算です。
対して堀切菖蒲園の乗降客数は1日約1万人。ラーメン屋1軒あたりは666人ですから、あの池袋よりも堀切菖蒲園の方が5倍もラーメン屋が多い計算です。
激戦も激戦、キングダム並みの密度です。それでも、他にガチ寄りの中華料理店も何軒かありましたが、見て見ぬふりをしたことを告白します。時間的にも身体的にもギリだったんです。
実は普段はグルテンフリーの生活なんです。そのせいでしょうか、ラーメン一杯の満足感がハンパありません。とある夕方に『大八元』のやさしい醤油味のスープにホッとし、「やっぱりラーメンって世の中で一番おいしい食べ物だ!」と『長門』へはしご。スタミナも付けてしまいました。
綾瀬駅までの往復ウォーキング後、富士の湯で汗を流し、『けんちゃん』で今時なコクのある醤油ラーメンを夜遅くにいただきました。翌昼まで満腹だったのは50歳目前だからかもしれません。
ラーメン弱者(麺弱)の私は、『ラーメン大』のパンチある旨みにひれ伏して即帰宅。後日、『美山亭』の昭和然とした中華そばでリハビリし、『陽』の濃厚な担々麺をペロリといけるほどに成長しました。『三條』では焼豚の増量を考えたほどです。
ところが、濃縮スープ1本の『とんちん軒』では、スープ割してから食べるという貼り紙を見落とす麺弱っぷりが露呈。その後、三日戦争と呼ばれる『一番鶏』『まるいち』『大黒天』との闘いに敗れ、「我にこのおいしさを消化する胃さえあれば」と涙しました。
そんな翼の折れた私を迎えてくれたのは、町中華飲みでしばしば訪れていた『三河屋』と『タカノ』の澄んだスープだったのです。
なぜラーメン屋が多いか?方々で聞きましたが、得られたのは「そういや最近増えたね」「始めやすいからじゃない?」という証言だったことを報告します。国破れて山河あり。仕事を選べば減るばかり。編集長、どうかご自愛ください。草々。
追伸『来集軒』のラーメンにはポテサラが付きます。
撮影・文/渡辺高
※2024年2月号発売時点の情報です。
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