東京・高円寺と言えば、JR中央線の中でも、昭和風情が漂う商店街に、古着や古道具、輸入雑貨などを扱う店が目立ち、周辺にはライブハウスも点在するカルチャー色の強い街だ。安くてうまい個人経営の飲食店も多く、コスパグルメの激戦区…
画像ギャラリー東京・高円寺と言えば、JR中央線の中でも、昭和風情が漂う商店街に、古着や古道具、輸入雑貨などを扱う店が目立ち、周辺にはライブハウスも点在するカルチャー色の強い街だ。安くてうまい個人経営の飲食店も多く、コスパグルメの激戦区でもある。その魅力的なエリアを今回は「昼飲み」の視点で歩いてみた。元高円寺在住ライターが、明るいうちから陽気に飲める、味も確かな店4選を紹介したい。
焼き鳥が週末1000本以上売れる名店 @『高円寺やきとり大将本店』
昼飲みのメッカと言えば、ここだろう。一階にはカウンター席とテーブル席があるが、ビールの空きケースを使った席にも多くの人が集い、いつもどこからともなく、ごきげんな笑い声が聞こえてくる。
40年以上愛され続けてきた同店の焼き鳥は、「串刺し」の職人が串を刺し、「焼き場」の職人が備長炭で一串一串丁寧に焼き上げている。ポン酢でさっぱりと砂肝が味わえる「スタミナ漬」(250円)や、サクとろ食感の「チーズinハムカツ」(290円)など、懐にやさしい一品メニューも満載だ。
おさえておきたいのは、焼き鳥(1串120円~)だ。平日は1日数百本、週末になると1日1500本程度売れるという。取材時は「焼き鳥おまかせ(タレ)」(5本660円)をオーダー。外はカリっと中はジューシーで絶妙な火入れ加減。40年継ぎ足しの秘伝のタレは、甘辛さがクセになる味わい。
サイドメニューには、人気の「大將マカロニサラダ」(450円)を合わせるのがおすすめ。クリーミーなマヨネーズとコンビーフの旨み、キュウリのシャキっとした食感が調和したこのつまみは、不思議と箸が進む一品だ。
■『高円寺やきとり大将本店』
[住所] 東京都杉並区高円寺南4-27-10
[営業時間] 月~金15時~24時、土・日・祝日14時~24時
[電話] 03-3312-1047
[休日] 年中無休
[交通]JR高円寺駅南口から徒歩1分
おばんざいと珠玉のレモンサワーで乾杯! @『酒場ニホレモ』
高円寺の庚申通りから1本入った隠れ家的な立地にありながら、レモンサワーと日本酒の専門店として密かに人気を集めるのが、『酒場ニホレモ』である。ここでは、トマトと塩麹レモンを合わせた「塩レモントマトサワー」や、セロリを組み合わせた「本気レモンセロリサワー」など、常時8種のレモンサワー(すべて620円)が味わえる。
広島の「瀬戸田レモン」や大分の「べっぴんレモン」など地方の名産レモンを皮まで利用することで果物本来の味わいを引き出しているそうだ。同時に日本酒も8種ほどラインナップ。3勺・5勺・1合と3つのサイズから選び、利き酒にトライしやすい点が魅力だ。
イタリアン出身の店主が手がける創作料理は、ひと捻り利いたメニューで、見た目も華やか。いちおしは、「女将のおばんざい盛り合わせ」(1380円)だ。骨董の器に美しく盛られた料理は、まるで割烹料理屋のような佇まい。
種類は日替わりで入れ替わるが、3時間かけて煮込んだほろほろの牛すじ大根や、サクサクのしば海老と甘じょっぱいタレが病みつきになる南蛮漬け、招き猫型のもなかにリエットが入った一品など、とにかく豪華。複数人で楽しく飲めることはもちろん、1人で来てもハレの日気分が味わえる。
■『酒場ニホレモ』
[住所]東京都杉並区高円寺北3-20-19 マガザン高円寺
[営業時間]月~木曜日11時半~23時、金曜日11時半~24時、土曜日12時~24時、日曜日、祝日12時~23時
[電話] 03-5356-7662
[休日] 年中無休(年末年始、不定期で店休あり)
[交通]JR高円寺駅北口より徒歩4分
日本ワイン約140種×小皿料理がうれしいワインバー @『葡庵(ぶあん)』
ワイン好きの昼飲みにおすすめしたいのは、午前11時30分から夜と同じメニューもオーダーできる、日本ワインに特化したワインバー『葡庵』だ。気さくな接客の同店では、複数人はもちろん、おひとりさまでもスタッフと会話しながら楽しく飲んでいるゲストが多い。
地下のカーブには北海道から九州まで、日本全国のワインが常時140種ほど揃い、自身でボトルを選ぶことも可能だ。グラスワインは、スパークリングと白赤5種、デザートワインなどで常時12種ほど揃え、500円から頼めるのがうれしい。
料理はパスタのゆで汁の代わりに昆布出汁を使用したり、西京味噌でドレッシングを作ったりと、フレンチをベースにしながら出汁や醤油などの発酵調味料で和の要素をプラス。ワインにも発酵が欠かせないが、同じ発酵食品なので、きちんとマッチするそうだ。
小皿料理は480円から。おすすめは「砂肝のコンフィー」(750円)だ。低温調理で2時間煮込んだ砂肝はふっくらやわらか。甘みたっぷりの旬野菜にバルサミコの酸味が程よいアクセントになっている。3時間煮込むことでトマトの旨みが凝縮した「濃厚!トマトのアヒージョ」(690円)も、ぜひ食べてみてほしい一皿である。
■『葡庵』
[住所]東京都杉並区高円寺北3‐23‐5 和光ビル1F
[電話]03‐5373‐0141
[営業時間]11時半~14時半(LO14時)/17時半~24時(LO23時)
※日曜、祝前日前日は~23時(LO22時)
[休日]年中無休
[交通]JR高円寺駅北口から徒歩3分
ガチ中華でもちもち食感の麺にハマる! @『ビャンビャン麺 火鍋 成都』
ガチ中華飲みを楽しみたい人は、地元民に愛される中華料理店『成都』の姉妹店として2023年4月にオープンした『ビャンビャン麺 火鍋 成都』に足を運んでみてほしい。8種以上の漢方を使ったヘルシーな火鍋や、手打ちのビャンビャン麺などのほか、「中華風豚ナンコツ煮込み」(680円)、「中国屋台風串焼き」(1本150円~)などのつまみも揃い、11時から乾杯できる。
一人世帯の多い高円寺という土地柄、火鍋はおひとり様用が用意されているところも注目のポイント!スープは1~3種類ほど選べ、ゴマダレ・ラー油・にんにくを含む6種のタレと、ネギ・パクチー・唐辛子をはじめとする4種の薬味を好きなようにカスタマイズできる。
必ず食べておきたいのは、一本一本手打ちで仕上げる、きしめんのような「汁なしヨーポービャンビャン麺」(780円)である。熱した油・唐辛子・黒酢などで味付けた、さっぱりとしたもちもち食感の太麺がタレと絡み合い、なんともクセになる。6種のスープと17種の薬味でオリジナルのタレを作ることができる点もうれしい。
壁に描かれた富士山が目を引く店内には、テーブル席のほかBOX席もあり、ゆったりと寛ぎながら昼飲みを楽しむことができる。サワーやハイボール、紹興酒、ソフトドリンクなどを堪能できる「さくっと60分飲み放題」は、破格の980円。うまさもコスパも兼ね備えた同店は、ひとりで訪れても、大人数で訪れても楽しめる一軒だ。
■『ビャンビャン麺 火鍋 成都』
[住所]東京都杉並区高円寺北3-22-4 UKビル 2階
[電話]050-5600-3854
[営業時間]11時~15時、17時~23時
[休日]年中無休
[交通]JR高円寺駅北口から徒歩2分
文・写真/中村友美
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