醤油系の魅力「匂い」を存分に楽しめる一杯 さて、肝心のチャーハンの味ですが……。まず、林さんが感じたのはマスク越しにわかるほどの醤油ダレの香り。 いつも通り、皿を近づけてチャーハンの香りを嗅ぐと「動物的な匂い」と満面の笑…
画像ギャラリーTHE SECOND 初代チャンピオン「ギャロップ」のボケ担当・林 健(たけし)さんは、専門のYouTubeチャンネルをもつほどのチャーハン好き。そんな林さんのチャーハン愛あふれる連載第9回目は、醤油系のチャーハンについて。大阪・京橋の劇場で漫才をしていた頃の思い出の味『新福菜館』の「やきめし」です。
京都最古のラーメン店による“黒いチャーハン”
「自分が知る限り、普通の焼き飯やチャーハンとして出されている中で、醤油の強さは1番じゃないかなと思います。ここまでのものになかなか出合えません」
数多くのチャーハンを食べてきた林さんが、「中華屋さんの醤油チャーハンや黒チャーハンのような醤油に特化したメニューはありますけど」という前提の上で、醤油の強いチャーハンとして挙げたのが、『新福菜館』の「やきめし」(680円)。
『新福菜館』は、1938年に京都駅前で屋台からはじまった中華そば店。京都最古参のラーメン店と言われています。林さんが足繁く通っていたのは、大阪・京橋にある『KiKi京橋店』。
2008年11月〜2011年11年にあった演芸場「京橋花月」で幾度となく漫才の出番があったことがその理由です。
「週に2、3回は京橋花月で出番があったので、多いときは月に10回近く『新福菜館』に行ってたと思います。楽屋で『今日はやめとこう』と言ってても食べてましたから。おかげで京橋エリアの飲食店をあまり開拓できなかったですね(笑)」
それだけの頻度で食べていたという「やきめし」を、当時はラーメンセットの半チャンで食べていたという林さん。「チャーハン林」の動画では、チャーハンしか食べてはいけないというルール上、「やきめし」単品を注文。
出てきたチャーハンは、かなりのボリューム! その量に驚くとともに、680円という価格にもビックリ。量について店員さんに聞いたところ……。
「他の店よりはサービスしていると思います」というご回答。詳しく聞くと、こちらの小で他店の並のボリュームだそう。
実際、厨房での調理動画を見ると、かなりのご飯の量であることが確認できます。丼2杯分はありそうな……。
醤油系の魅力「匂い」を存分に楽しめる一杯
さて、肝心のチャーハンの味ですが……。まず、林さんが感じたのはマスク越しにわかるほどの醤油ダレの香り。
いつも通り、皿を近づけてチャーハンの香りを嗅ぐと「動物的な匂い」と満面の笑みを浮かべ、いざ実食。
「どないじゃーっていう」くらいの醤油ダレが効いた「やきめし」との久々の邂逅に「仕事終わりに身体が全部を欲してるやつ」と、どこかうれしそうな林さん。
醤油系チャーハンの魅力を「醤油系のチャーハンの魅力は匂いですかね。少し醤油が焦げた匂いが食欲をそそります」ということから、身体が欲しがる味というのも頷けます。
そして、新福菜館の「やきめし」がほかの醤油系と違う点にも言及。見た目と食べたときのギャップについて話します。
「めちゃくちゃ濃い醤油のべったりしたものかと思いきや、食べるとそうでもない。パンチはあるけど、ちょっと甘みがあってずっと食べ続けられる」
そう言いながらぐんぐん食べ進めていきますが、「なかなか減らない」とその量に再度驚きます。
入院した時のオカンくらい優しい味のスープが相性抜群!
こちらの「やきめし」、単品にはスープが付いてきます。
それを飲んで「優しい」とひと言。「やきめし」とのバランスのよさに触れていました。
そもそも、優しい味のスープと醤油系チャーハンは相性がいいのか伺うと……。
「コッテリ過ぎないラーメンやスープと相性がいいですね。ひつまぶしでおダシをかけて食べる感じに近いというか、味変の意味合いが強いです。ただ実際にスープをかけて食べるのは行儀が悪いですし、お店の方に不信感を与えてしまうと思うので、口の中でひっそりとやらせてもらってます(笑)」
それもあってか、動画内ではチャーハンを食べたあとにスープをひとすすり。また、ラーメンとの相性については、「醤油系のチャーハンを出すお店のほとんどが、醤油ラーメンや中華そばがおいしいので、ラーメンとセットで食べたくなります」と言います。
事実、『新福菜館』は「中華そば」(930円)も美味。真っ黒な醤油スープが特徴な一杯は、これまた見た目よりあっさり、くどくない味です。
ちなみに、『新福菜館』の本店へ行ったことがあるかどうか聞いてみると、「一度だけ行ったことがあります。店舗によって味の違いがあるかはわかりませんが、本店は特においしいと聞いて行ったこと、そしてかなり並んで食べたことで、その時は『やっぱ本店はうまいなー』って思いましたし、そう言ったと思います(笑)」と、本店マジックにかかった様子。
『新福菜館』は、東京にも秋葉原をはじめ、数軒展開しています。関東エリアの方はそちらをチェックしてみてください。
林 健(はやし・たけし)/1978年5月17日、大阪府生まれ。お笑いコンビ・ギャロップのボケ担当。「THE SECOND~漫才トーナメント~」初代王者。テレビや舞台で活躍中。チャーハン専門チャンネル「チャーハン林」を更新中。https://youtube.com/@user-by9ey8mk4i
画像ギャラリー