カップヌードルの春の新作『和風魚介ぶしカレー』(236円税別)は、従来のカレー味に和風だしを組み合わせることで、コクと風味に厚みを増したのが特長。発売直後から話題のこの製品、食べてみたらやっぱりうまいので、実食レポートをお届けしよう。辛さも控えめなので安心だ。
画像ギャラリーカップヌードルの春の新作『和風魚介ぶしカレー』(236円税別)は、従来のカレー味に和風だしを組み合わせることで、コクと風味に厚みを増したのが特長。発売直後から話題のこの製品、食べてみたらやっぱりうまいので、実食レポートをお届けしよう。辛さも控えめなので安心だ。
流行りの和風だしを使ったカレーが、カップヌードルでも楽しめる!
カレー専門店は星の数ほどあるが、カレーに和風だしを加えた味がちかごろ注目を集めている。そのトレンドを取り入れた『和風魚介ぶしカレー』が、カップヌードルの春の新作だ。
「鰹節と鯖節の “Wぶし”、焼あご、鯵、煮干し、昆布の6種の魚介だしをきかせた、香りと旨みが豊かな和風仕立てのカレースープが特長です。具材には、白謎肉のほか、きざみあげ、ネギ、ニンジンを入れ、彩り良く仕上げました」と、日清食品の商品紹介文にも気合が感じられる。
カップラーメンの定番品であるカップヌードルの新作、果たしてそのお味はいかがなものか、早速試してみることにしよう。
香りはカレーだが、辛さはレベル1!
開封すると、カレーの香りがふわっと鼻をくすぐる。「カップヌードル カレー」よりも刺激は柔らかいが、まぎれもないカレーの香りだ。というか、カレーの匂いしかしない。これは予想されたとおりだ。カレースパイスの香りの強さは、和風だしの比ではない。乾燥状態ならばなおのことだ。
気になる辛さは、「辛さレベル1」とされている。和風だしとのバランスを重視しているのだろう。
カレーと和風だしが交互に前に出る、摩訶不思議な味!
沸かした湯を注いで3分待つ。開封すると、きざみあげの存在感が目を引く。かさが増えて大きくなったようだ。香りはあいかわらずカレーだけだが、さきほどよりも少し複雑さを増したようにも感じられる。
軽く混ぜても印象は変わらない。だが、混ぜた箸をなにげなく舐めて驚いた。和風だしの味だ! カレーの風味よりも和風だしの旨味がはるかに勝っている。少量の汁を下に乗せると、さしものカレースパイスも力を失い、かわりに強い和風だしの旨味が味蕾をくすぐってくる。うまい。
期待を高めながら、箸を使って麺をすする。麺の感触はいつものカップヌードルだが、わずかに太くされたのか、うどんにも似た舌触りだ。
そして肝心の味は、マイルドで複雑さを増したカレーである。辛さが控えられたぶん厚みを増したカレーの味だ。たしかに美味いが、カップヌードル カレーのバリエーションであることは明白だ。
ところが、箸を休めてふぅと息を吐くと、舌の上で和風だしの感触がぐぐっと前にでてくる。これだ、さっき驚かされたのはこの旨みだ。
さらに食べ進めると、カレーと和風だしが交互に攻めてくる。深みを増しただけでなく、主として前に出る味が、局面によってころころと変化する。これは面白い。感心しながら、あっという間に食べ尽くしてしまった。
味の秘密は、カレーに負けない6種の魚介だし!
日清食品の資料には ”鰹、鯖、焼あご、鯵、煮干し、昆布の6種を用いた魚介だし” という記述がある。これら6種類の和風だしが、しょうゆとともに強い香りとうまみを発して、後味ではカレーを上回るのだ。
カップヌードル カレー好きも、そうでない人にもおすすめ!
基本的な成り立ちはカップヌードル カレーである。しかし、単に和風だしを突っ込むだけでなく、カレーとのパワーバランスを協調させたことで、場面に応じて主役がころころと入れ替わる面白さが生まれている。
カップヌードル カレーが好きな人は「こんな手があったのか」と感心するだろうし、カップヌードル カレーに今ひとつ馴染めない人にも「新しいカレースープのカップヌードル」としておすすめできる仕上がりだ。
文・写真/深澤紳一(ふかさわ しんいち):PCゲーム雑誌から文芸誌、サブカルチャー誌まで幅広い寄稿歴をもつライター。レーシングスクールインストラクターなども務めつつ、飼犬のために日々働く愛犬家。