自動車の経済学

なんと新車の「30%」が「SUV」!! 「失敗しない」クルマ選びするなら“価格帯別”にこの「4台」

ホンダWR-V

もともと自動車は高額商品だが、昨今原材料の高騰などによって新車価格が上昇している。それだけにクルマ選びは失敗したくない。新車として販売される小型/普通乗用車の30%以上を占めるのがSUVだ。今回はその中でも、特に推奨度の高い、お買い得な車種を価格帯別に紹介したい。

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もともと自動車は高額商品だが、昨今原材料の高騰などによって新車価格が上昇している。それだけにクルマ選びは失敗したくない。新車として販売される小型/普通乗用車の30%以上を占めるのがSUVだ。今回はその中でも、特に推奨度の高い、お買い得な車種を価格帯別に紹介したい。

■150万円以下:スズキハスラーハイブリッドG・2WD(138万7100円)

スズキハスラー

2023年度の軽自動車販売ランキングは、1位が国内販売ナンバーワンでもあるホンダN-BOXで、2位がスズキスペーシア、そして3位がスズキハスラーだった。今の軽自動車では、全高が1700mmを超えるスライドドアを装着したスーパーハイトワゴンが圧倒的な売れ筋だが、ハスラーの全高は1700mm以下でスライドドアも装着されない。それなのに販売ランキングの上位に入った。

ハスラーの販売が好調な理由は、適度に背の高いボディによって居住性や積載性を向上させながら、人気カテゴリーのSUVに仕上げたことだ。天井が適度に高く、ピラー(柱)やウインドーの角度も立てたから、スライドドアは装着されなくても乗降性が良い。

しかもハスラーのシートアレンジはワゴンRと共通で、スーパーハイトワゴン並みに充実する。後席の背もたれを前側に倒すと、座面も連動して下がり、平らな荷室を拡大できる。しかも後席の前後スライド機能を含めて左右独立式だ。荷室は汚れを落としやすく、アウトドアグッズも気兼ねなく積める。

ハイブリッドGの価格は140万円を下まわり、ホイールはアルミではなくスチールだが、外装色に応じてブラックやホワイトにペイントされる。低価格でも外装をオシャレに仕上げるなどの工夫を凝らして、高い人気を得た。

■150~200万円:トヨタライズ1.2G・2WD(186万7000円)

トヨタライズ

ライズは5ナンバーサイズに収まる貴重なSUVだ。パワーユニットは、直列3気筒1.2Lのノーマルエンジンとハイブリッド、1Lターボを用意した。

この内、ノーマルエンジンを搭載する中級グレードのGは、実用装備を充実させて価格は186万7000円だ。ヤリスなどのコンパクトカーと同程度で販売される。

全長が4m以下に収まる5ナンバー車で、Gの最小回転半径は4.9mだから、混雑した街中や駐車場でも運転しやすい。その一方でSUVとあって全高が1620mmと少し高いから、車内は広く後席はヤリスよりも余裕がある。SUVのボディスタイルを効果的に使って、実用的なクルマに仕上げた。

■200~250万円:ホンダWR-V1.5X・2WD(209万8800円)

ホンダWR-V

現行ヴェゼルは、ハイブリッドのe:HEVを中心としたグレード構成になり、ノーマルガソリンエンジン車の印象が薄れた。その結果、売れ筋価格帯が高まり、先代ヴェゼルのノーマルエンジン車を使う人達が、他社の安価なコンパクトSUVに乗り替え始めた。

そこで低価格だった先代ヴェゼルのノーマルエンジン車に相当する車種として、新たにWR-Vを設定した。全長が4325mm、全幅が1790mmのコンパクトなサイズながら車内は広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ2つ半の余裕がある。荷室容量も十分に確保しながら、価格は200~250万円に収まる。

買い得グレードはベーシックなXだ。一般的に機能に対して価格の割安なグレードは、中級に設定することが多いが、WR-Vでは最も安価なグレードになる。価格の安さをアピールする車種だから、210万円以下のグレードを割安にした。Xの装備を中級のZと比べると、Xはアルミホイールなど18万円相当を省いたが、価格は25万800円も安く抑えられている。

■250万円以上:スバルクロストレック2.0ツーリング・4WD(288万2000円)

スバルクロストレック

クロストレックはインプレッサをベースに開発されたSUVで、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は200mmを確保して、悪路のデコボコも乗り越えやすい。それなのに全高は1600mmを下まわり、低重心になって高速道路や峠道での走行安定性も優れている。

内装も上質で、前後席ともに頭上と足元の空間に余裕がある。4名で乗車して、長距離を快適に移動できる。

エンジンは水平対向4気筒の2Lを搭載して、マイルドハイブリッドのe-BOXERも備わるから、燃費性能、動力性能ともに満足できる。

買い得グレードは、安全面を含めて実用装備を充実させたツーリングの4WDだ。4WDの価格は2WDに比べて22万円高いが、ヘッドランプウォッシャーや悪路走破力を高めるXモードも搭載され、4WDシステムの正味価格は約16万円に収まる。4WDは舗装路での走行安定性を高める効果も期待され、選ぶ価値が高い。

文/渡辺陽一郎(わたなべ よういちろう):自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。執筆対象は自動車関連の多岐に渡る。

写真/スズキ、スバル、トヨタ、ホンダ

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