富岡八幡宮、深川不動堂を有する門前町“門仲”は、日本酒、ワインをおいしく楽しめる店が多し。しっとり、ワイワイ、どちらもイケる懐の深さもまた街の魅力です。なんともグッとくる人情の街で見つけた良店をご覧あれ。
画像ギャラリー富岡八幡宮、深川不動堂を有する門前町“門仲”は、日本酒、ワインをおいしく楽しめる店が多し。しっとり、ワイワイ、どちらもイケる懐の深さもまた街の魅力です。なんともグッとくる人情の街で見つけた良店をご覧あれ。
『酒とビストロ KARASU』
下町で出合った日本酒×ビストロの新しい魅力に歓喜
街歩きには出会いと発見が付きものだ。それは時に人生をより豊かにする。門前町で遭遇したカラスもそう。ま、カラスはカラスでもこちらは美味空間ですけどね。
麗しのタリアータの横にはまさかの升酒。お察しの通り、イタリアンに合わせる食中酒は日本酒オンリーの店なのである。
ニッポンの酒の多様性&和食とはまた違う組み合わせを楽しんでほしいと、料理に和の定番調味料である醤油や味噌は一切使わないそう。これがまあセンスのいいこと。例えばカルパッチョは魚介によってソースも変幻自在。
水ダコなら柚子胡椒+パッションフルーツをアクセントにするなど発想は自由、味は確か。
熊本黒毛和牛「和王」のタリアータ~山葵と赤ワインのソース~ 2800円
日本酒は主に酸味や熟成感など洋に合う個性強めの味を揃えており、こう来たかと唸るペアリングに開眼するはず!
[住所]東京都江東区富岡1-9-3
[電話]03-5809-9961
[営業時間]17時~23時
[休日]水、第2・4火
[交通]地下鉄東西線ほか門前仲町駅1番出口から徒歩すぐ
『下町酒場 六傳(ろくでん)』
旬を感じる美味とひと捻りした粋なつまみに酔う
駅から少し離れていても足を運びたくなるのには理由がある。古木を使った温もりある空間は下町の隠れ家のような特別感。
旬の食材を生かした料理はひと味もふた味も違う逸品揃い。厳選した日本酒や季節の生搾りフルーツサワーなど、食いしん坊&酒好きの琴線に触れまくりなのだ。
だってですよ、刺身を頼めば肉厚で2倍うれしいし、ハムカツなんて玉子焼きを挟んで揚げるという意表を突くコラボに卵LOVERの私は正直驚いた。いや泣いた。
御刺身盛合せ 5種900円~(内容は仕入れで変わる)
食べれば今度は垂涎モノ。サクサクの衣に歯を入れた瞬間から広がるハムのコク、ふんわり玉子のやさしい旨み、ちょこんと添えた粒マスタードが絶妙な塩梅で……んまっ。
どれも食材の組み合わせや見せ方がちょっと他にない粋な味。あれもこれも食べたくて、酒も一段と進むのだ。
[住所]東京都江東区永代2-33-7 キャピタルビル1階
[電話]03-6240-3669
[営業時間]17時~23時(22時LO)、土16時~22時(21時LO)
[休日]日・祝
[交通]地下鉄東西線ほか門前仲町駅3番出口などから徒歩4分
『ぽんしゅビルヂング』
通えば通うほど日本の酒が好きになるビル
ピンクのネオン文字で「よっぱらい」。え、呼んだ?思わず吸い込まれた魅惑のビル。その名も『ぽんしゅビルヂング』だ。何せ1棟丸ごと日本酒の店。とはいえ専門店にありがちな敷居の高さは1mmもないので(何ならマイナス)ご安心を。
1階はポップな立ち飲み、2階は飲み放題もある居酒屋、3階の厨房を越えて4階へと上がればプライベートな個室空間、そして芝生の屋上はBBQも。シーンに合わせて楽しめる。
「幅広い味わいの日本酒に親しんでほしい」と品揃えは多種多様を心掛けているそうで、なるべく全国各地まんべんなく、味わいも昔ながらの王道から最新トレンドまで約100種。
イクラや卵黄がのった痛風さん泣かせのポテサラなど、遊び心満載の料理と共に明るく健全なよっぱらいになりましょう!
痛風ポテトサラダ 715円
[住所]東京都江東区富岡1-4-8
[電話]03-6240-3224
[営業時間]17時~23時 ※1階のみ金は~翌2時、土15時~23時 ※日・祝は~22時
[休日]月
[交通]地下鉄東西線ほか門前仲町駅2番出口から徒歩3分
『PIZZERIA ONDA(ピッツェリア オンダ)』
門仲で再出発した本場ナポリの味!熱々を頬張りたい
これぞ由緒正しきナポリの味。伝統的製法を守る「真のナポリピッツァ協会」の厳しいテストをクリアした東京でも数少ない認定店だ。
10年営業を続けた沖縄から店主の地元近くの門仲に昨年移転、早くも予約必須の人気店になっている。とにかく強調すべきはナポリピッツァの命といわれる生地の旨さだろう。
イタリア・カプート社の粉を3種ブレンドしたそれはモチッとサックリ、鼻に抜ける豊かな小麦の香り。理想の味になるよう季節によって配合を変えるそう。
DOC(水牛モッツァレラ・ミニトマト・バジリコ・グラナパダーノ) 2530円
王道マルゲリータと並ぶツートップならイタリア産の水牛モッツァレラを使った「DOC」。500度近くにもなる本場の薪窯で焼けば、チーズのミルキーなコクとトマトの酸味が芳ばしい生地の上でとろりと融合、有無を言わせぬおいしさに気分はもうナポリです。
[住所]東京都江東区牡丹1-2-2 Y・Sビル1階
[電話]03-5809-8035
[営業時間]11時半~14時半(14時LO)、17時半~22時(21時LO)
[休日]水・他不定休
[交通]地下鉄東西線ほか門前仲町駅4番出口から徒歩4分
『ワインバー KAY(カイ)』
極上のチーズとワインの誘惑に心まで魅了される
今回一番の穴場はここかもしれない。知らなければ身構えるビルの3階。店主、原沢さんのワインの知識と品揃えに惹かれ、他店のシェフらも通う知る人ぞ知るバーだ。
実は界隈を取材中に噂を聞き、酔いに任せて扉を開けたのがこの店との出合い。初めてでも堅苦しくない雰囲気は原沢さんの気さくなお人柄が醸し出すもの。気負わず、素の自分で寛げる。
ワインはグラスで12種、ボトルは約500種。フランスとイタリア産に特化し、ブドウ品種の特徴が出ているクラシックな味を伝えたいとか。ハンドメイドのグラスで味わえばより深く風味が感じられ、心地よい陶酔にうっとり。
各種ワイン グラス1320円~、ボトル7480円~
さて、つまみで必食は約10種から好きに選べるチーズ。熟成加減も絶妙で、相思相愛のワインと交互に舌に絡めればもう……脳内に祝福の鐘が鳴り響く。
[住所]東京都江東区門前仲町2-2-4 共栄ビル3階
[電話]03-6315-0652
[営業時間]18時~23時半LO ※土は~23時LO
[休日]日・祝
[交通]地下鉄東西線ほか門前仲町駅4番出口などから徒歩2分
撮影/小島昇、取材/肥田木奈々
※2024年7月号発売時点の情報です。
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