2024年8月号「おとなの週末」のリサーチ、取材でさらにもつ酒場フリークになったライター 本郷、輔老、編集武内。最後にその魅力をとことん語り合います!
画像ギャラリー2024年8月号「もつ酒場」特集のリサーチ、取材でさらにもつ酒場フリークになったライター本郷、輔老、編集武内。最後にその魅力をとことん語り合います!
もつ酒場へGO!
輔「もつって悪魔の味。クセになるよね。食べて満足したはずなのに、すぐまた食べたくなっちゃう。実際、取材した次の日にリピートした店もあるし。」
武「おお、ハマってますね。」
輔「おいしいのはもちろん、ビシッとスーツとネクタイでも、首元がよれたTシャツでも、何を着ていてもフォトジェニックに似合う感じもいい。あと、ビールでいきたくなったり、焼酎でいきたくなったりと気持ちがスイングする。サワーを飲んだりロックを楽しんだり、皿ごとにいろいろ入れ替える。そのアンサンブル感の楽しみは、居酒屋ではなく『もつ酒場』、もつを相手にお酒を楽しむときによく起きる気がするんだよね。」
『辰心(たつみ)食堂』網レバー 600円、ミノ焼き 680円、もつ煮込み 580円
武「できる大人っぽい意見ですね。」
本「私、子供の頃は豚肉全体が苦手でした。多分、給食などでおいしくない豚肉ばかり食べていたからで。今は好きですよ。ただ、もつが苦手な友人も少なからずいて。そういう人に輔老さんみたいな楽しみ方を覚えてもらえるといいんですけど。」
武「豚肉は好きでしたけど、僕ももつは苦手で。独特の香りがちょっと……でした。僕の場合、まずはかしら、ハラミ、タン、ガツ…とクセの少ない正肉に近い部位から慣れていきました。独特の風味にウッとなりそうな時は焼酎をググっと飲んだり。そんな時代もあったんですよ(笑)。」
本「鮮度はもちろんですが、おいしいもつって、やっぱり掃除をきちんとしてるんですよね。『たいじ』のご主人が、掃除も含めたさまざまな仕込みをすることを愛情と表現していてキュンときました(笑)。」
『もつ焼たいじ』てっぽう 260円、さがり、こぶくろ、れば 各200円、しろ 260円、三冷ホッピー 570円
“理科の実験”から入ってもいい!!
武「今回紹介したお店はどこも同じ感じでもつを扱っていると思いますよ。」
本「ですね。苦手って言っている友人を連れて行って、生肉に似た部位から勧めて、その感覚を無くしてあげたい。」
輔「男の方だったら、例えば、牛の胃4つや、タンとタン下、ハツとハツ元を食べ比べてみるなんて、ちょっと理科の実験みたいなところから入っても面白いかも。違いをわかって食べるほどに賢くなった気もして。男心、くすぐられます!あと口からお尻まで、もつを食べるって生命大冒険というか、食べ物大冒険だなと思う。他の何より『ありがとう、いただきます』を感じる。」
『スタミナ串焼き 仲垣』しびれ(たれ) 380円、サンドミノ(塩) 450円、ギアラ(塩) 380円、マルチョウ(たれ) 450円、和牛ハラミ(塩) 900円(各1本)
武「わかります!部位によって味や風味が変わっていくのってそういうことですもんね。そして今回取材してみて、どこも大盛況だったことも驚きです。コロナ禍以降、お客さんが戻ってこないと嘆く店も少なくないなか、安くておいしい『もつ酒場』はすごいです。」
本「常連さんで手いっぱいなのでと、久しぶりに取材を断られました。荒川区の『M』、目黒区の『D』。いいお店だったので、残念です。」
輔「僕は取材拒否はなかったけど、ちょっと衝撃的だったのが『安い値段で極上のおいしさを楽しんでもらうのがもつ料理。安く提供できなくなったら店を辞めます』という店主がいたこと。そうは言わないまでも『赤坂(=東京のど真ん中)じゃ、この値段で出せないよ』と笑う店主も多く、きっと同じことを言いたいんだろうなと。」
『レバーランド』白レバー鉄板焼き 440円、白レバーネギ塩のっけ 440円
もつ酒場カウンターの同胞意識がひと際高い
武「寿司、蕎麦、うなぎ、焼鳥……近年、高級化が止まらない料理が増えています。仕入れ値の高騰もあるのでしょうが、気軽に足を運べなくなっていて。そういう点で、なかなか高級化しない『もつ酒場』には頭が下がるというか、もっと応援しなきゃ!ですね。」
輔「『もつ酒場』ってカウンターに並ぶ面々の同胞意識がひと際高い気がする。『いい店知ってるね、お互い』というような無言の連帯感。そこに、武内さんと同じ『この店を守りたい』という気持ちが入っていると思う。」
武「あそこは早くから行って並んだほうがいい、そこに行くならあの部位を食べなとか、他の『もつ酒場』の情報を教えてくれる人も多いんですよね。」
輔「そうそう。なぜか『もつ酒場』だとベロベロになりづらく、そういう話題をきっかけに話が弾むんだよなあ。」
本「もつ、正肉と分けるんじゃなく、それぞれがそれぞれにおいしいんです。『世界に一つだけの花』みたいですけど(笑)、味、雰囲気、人情、きっと何かが胃袋にヒットするはず。気軽に『もつ酒場』を楽しんでほしいですね。」
撮影/西崎進也(もつ焼たいじ)、浅沼ノア(辰心食堂、仲垣)、小澤晶子(レバーランド)、取材/本郷明美(辰心食堂、もつ焼たいじ)、荒川友吾(仲垣)、井島加恵(レバーランド)
※2024年8月号発売時点の情報です。
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