安く食べるなら ■小岩「すし三崎丸 シャポー小岩駅ビル店」 抜群の安定感を誇る、味わい深い握り。上方寿司や回転寿司など様々な形態の店舗を展開する京樽系列の、寿司職人が握ってくれる“回らない寿司店”。1貫108円からという…
画像ギャラリーチェーン店の寿司屋って味や雰囲気などが画一的では? と思っていた筆者。でもそれは一概に言えないと知ったのです。
例えば店舗ごとにカラーが違うのは『築地玉寿司』。今回撮影した本店からほど近い晴海通り店は、もっとカジュアルな雰囲気。玉寿司は末広手巻108円の日を実施したり(掲載当時)、食べ放題を行ったり、ファミリーや若者でも入りやすい店づくりを展開していることも魅力だ。
職人一人ひとりが正確で豊かな知識を持ち客と対峙。高い満足感を得てもらうことを店のモットーにしているのが『鮨処銀座 福助』。高級感のある落ち着いた雰囲気で、予約はカウンターから埋まるのだそう。
使っている「紀州梅まだい」は、本州最南端の和歌山県串本町で養殖されているもの。天然物に近い味わいで、東京で食べられるのは、福助だけなのだとか。鮮魚問屋直営ながら貪欲にいいものを探し続ける姿勢に感服。
ファミリー向けから高級志向まで多種多彩
印象的だったのは『玉寿司』も『福助』も寿司職人さんを生え抜きから大切に育てていること。新卒で入った職人さんたちが中核を担う人材に育ち、それぞれの店舗責任者になってきているのだとか。『玉寿司』では店内清掃なども含めた、チェック項目を可視化。同期のいる他店舗と競い合いながら切磋琢磨できるのは、チェーン店ならではだ。
今回、私のチェーン店苦手意識を払拭してくれたのが『すし屋 銀蔵』と『すし三崎丸』。気軽にちょいと行けて、この味って! チェーン店の底力を知りました。
美味しいお寿司屋さんを見極めるひとつの指標がネタケースのきれいさ。素材を丁寧に扱っている証拠だもの。そういうお店は衛生管理もしっかり。って、ナマモノを扱ってるだから、それは普通のこと。
ちなみに24時間営業の『すしまみれ』は、お客さんの入りを見つつ掃除をするのだが、こまめな「3分間清掃」を習慣づけているのだそう。その習慣を見習いたいと、自分の周りを見回してしまった……。
味で選ぶなら
■「築地玉寿司 築地本店」
家族3代で通う常連客もいる、1924(大正13)年創業の人気店。「美味しい寿司を手頃な価格で」がモットー。素材ごとに厳選した仲卸との強い信頼関係ゆえ、そのモットーを実現。上質な寿司をいただける。
ネタの鮮度や管理を徹底し、最高に美味しい状態で提供する。例えば穴子は、提供直前にさっと煮汁にくぐらせることで、柔らかくふっくらさせている。そのためシャリはほんのりあたたかく供するのがこだわり。赤酢を使い、ふくよかな旨みが堪能できるシャリも魅力だ。
■銀座一丁目「鮨処 銀座 福助 本店」
鮮魚問屋直営だけあり、精選されたネタを揃え、舌の肥えた銀座の客たちも納得の寿司を提供。さらにより良い素材を求め、大分の漁協や勝浦の漁師などともタッグを組むなど、美味しさへの探求を続けている。
“江戸前の仕事”にこだわり、例えば自慢のイクラは網走産の鮭から皮の柔らかい成熟した一番子だけを使用。独自のレシピで醤油漬けにするなど手をかける。シャリはキリッとした美味しさでネタとのバランスの良さを重視。口に入れた瞬間にふわりとほどける握り加減で供される。
安く食べるなら
■小岩「すし三崎丸 シャポー小岩駅ビル店」
抜群の安定感を誇る、味わい深い握り。上方寿司や回転寿司など様々な形態の店舗を展開する京樽系列の、寿司職人が握ってくれる“回らない寿司店”。1貫108円からという良心的な価格だが、シャリ・ネタともに安心して食べられる美味しさだ。程よい甘みがあるシャリは、少々小ぶりでネタとのバランスがグッド!
飲みメインで使いたいなら
■秋葉原「すし屋 銀蔵 秋葉原本館」
洋風・和風、魚料理など様々な形態の居酒屋を展開する、だん家系列の寿司店。ネタは毎日築地から仕入れ、鮮度や品質にこだわっている。特筆すべきはシャリがふわっとほどけるような握りをいただけること。つまみやお酒も豊富なメニューを揃え、柚子塩で食べる寿司も提供。
ソロ活するなら
■新宿「築地すし好 新宿店」
毎朝築地へ出向き、熟練の目利きで厳選した素材を提供している。客の多くはビジネスマンだが、20代前半とおぼしき若者たちがカウンターで食べていた。スタッフは勤勉で丁寧、お手頃価格なので若者やおひとりさまのデビューにもってこいだ。
ご当地ものが食べたいなら
■東京「沼津魚がし鮨 丸ビル店」
脱サラして始めた創業者の「美味しいお寿司をお腹いっぱい」という思いを受け継ぐ、女性ならひと口では食べきれないほどのダイナミックなデカネタが自慢。繁盛店の多いキッチンスリートの中でも人気を誇る。
夜中に食べたくなったら
■池袋「築地海鮮 すしまみれ」
清掃が行き届いていて、24時間営業店。ネタは提供時にベストな状態になるよう、鮮度管理を徹底。特に力を入れるマグロとサーモンは生を使用し、「まぐろ5貫セット」もお値打ち価格。人気の焼肉店『あみやき亭』のグループ店のため、A4ランク以上の和牛を使ったメニューも展開。
『おとなの週末』2017年11月号より(本内容は発売当時のものです)
…つづく「東京のうまい 「最強の町寿司」 ベスト7軒…高コスパ、一貫 《110円》 からで一見さん、ソロ活でも大丈夫「覆面調査隊が実食」」では、庶民価格の美味しい町の寿司店を紹介します。