10月でもまだ間に合う! 沖縄では10月末まで海水浴できる絶景ビーチも多いので、時期をずらした沖縄はずし旅でゆったりと過ごせる。車でも行き来できる大橋のある離島や岬などで、ロケーションもちょっとはずすと、さらにラグジュアリーな滞在に。最近オープンしたリゾートに滞在し、はずす旅の豊かさを体感してきた。
画像ギャラリー10月でもまだ間に合う!沖縄では10月末まで海水浴できる絶景ビーチも多いので、時期をずらした沖縄はずし旅でゆったりと過ごせる。車でも行き来できる大橋のある離島や岬などで、ロケーションもちょっとはずすと、さらにラグジュアリーな滞在に。最近オープンしたリゾートに滞在し、はずす旅の豊かさを体感してきた。
名護から車で行き来できる瀬底島でスペシャルな時間を
空港周りの豊見城(とみぐすく)市・豊崎で心身ともにチャージした後は、那覇から離れた楽園へ!沖縄のビーチは10月末までオープンし、マリンアクティビティも楽しめる。海水温は時期がずれるので、夏の影響もありまだ低くなく、透明度が高い。さらにはロケーションにこだわるだけで、沖縄のバカンスはさらに上質なものとなる。
キーワードは「車で行ける離島」。本島はすぐ目の前だけれど、橋を渡らないとその島には行けないという立地がおすすめだ。まずは本部(もとぶ)町・瀬底島。本部港の西にある周囲約8キロの小さな離島で、全長762mの瀬底大橋とつながっている。白い砂浜が広がるビーチはもちろん、サンセットや満天の星など、離島ならではのピースフルな瞬間に心を動かされた。
滞在したのは2020年7月に開業した「ヒルトン沖縄瀬底リゾート」。ここは目の前にプールあり、徒歩2分にビーチありというファミリーでも快適なリゾートなのだが、大人の夏休みならぜひエグゼクティブラウンジが使えるプランを選びたい。最上階の9階にあるクラブラウンジは絶景オーシャンビューで、ここでずっと過ごしたくなるくらい。
スイーツをつまみながらリモートワークに励むもよし、セルフで試したオリジナルカクテルを手にベランダで語り合うのもよし。ソフトクリームマシーンがあるのもうれしい!
ソフトクリームマシーン(オールデイスナックタイム)、フィンガーフード(カクテルタイム)。フィンガーフードも豊富なので食べすぎ注意だ。平日だったせいもあり、驚くほど静かで、この空間にいるとまるでリゾートのオーナー気分になる。
人工物ゼロ、透明度抜群の瀬底ビーチで浜辺の休日
ホテルからすぐの瀬底ビーチは沖縄の中でも抜群の透明度を誇る天然ビーチ。実は砂を運び入れるビーチも多い中、瀬底ビーチの砂はもともとが白くなめらかなで、海水浴には最適なクオリティ。今年リニューアルしたというビーチ施設ではパラソルなどをレンタルでき、眺めのいいシーサイドカフェではタコライスや沖縄ぜんざいなどの沖縄グルメも味わえる。
ビーチでくつろぐと気づくのが、人工物が全く目に入らないということ。これは離島ならではで、近隣に漁港などがないので、手つかずの自然がそのまま残されているのだ。あえてBGMなどを流さず、波音や潮風を五感で楽しめるようにしているのだという。
遊泳区域を網で囲っているため、クラゲに悩む心配もなし。網を潜り抜けられる小さな魚たちがやってきて、監視員がいるなかで安全にシュノーケリングに夢中になれるのもポイントだろう。ゴリラチョップなどの人気スポットにも近い瀬底ビーチはシュノーケリング初心者にはおすすめだ。なんとドッグフレンドリーでもあり、リードをつけ、遊泳区域内にいれなければ、愛犬と一緒に過ごせるという。
全長約800メートルというほどよい規模もプライベート感があっていい。ここではあえて何もせず、散歩したり、小さなカニとたわむれたり、のんびりと流れる島時間を満喫したい。瀬底ビーチは10月31日までオープンしている。
染まる夕陽のビーチを眺め端正なグリル料理を堪能
「ヒルトン沖縄瀬底リゾート」がおとなの夏休みにおすすめなのは、連泊してもダイニングに選択肢があること。イタリアンやブッフェ、プールサイドでのBBQなども楽しいが、離れのステーキ&シーフードレストラン「シスクグリル」は素晴らしかった!
まずは目の前にサンセットビーチが見渡せるロケーション。繊細な旨味の沖縄県産もとぶ牛などのブランド肉や漁港直送のシーフードなど、素材を生かしつつ、端正に仕上げたグリル料理のコース!オープンキッチンでの豪快なパフォーマンスやシェフとの交流などのエンタメ性にも大満足。ケーキも用意してくれるので、サプライズのお祝いなどにもぴったりだ。
県産野菜やフルーツをふんだんにつかったサラダ、オマール海老や沖縄県産あぐー豚ロースなどのグリル料理など季節のサーフ&ターフコース(1万6000円)も満足度が高いが、オマール海老以外にもやんばる鶏のグリルが主役のサラダやTボーンステーキを2人でシェアし合うコース(3万5000円)もぜひ試してほしい。
やちむんの里をぬけた果て、残波岬(ざんぱみさき)の隠れ家的ビーチ
「はなれ旅」を提唱し、全国展開しているのがアコーグループの「グランドメルキュール」「メルキュール」ブランド。2024年に一気に22軒をリブランドオープンしたことで話題となった。いずれも観光客が殺到するエリアから、ちょっとだけ離れ、あまりまだ知られていない絶景や地域特有の文化、交流など、土地に根付いた魅力をモダンにアップデートした宿だ。琵琶湖や淡路島、奈良橿原、那須高原、南房総などにオープンした。
沖縄にできたのは那覇空港から車で70分ほどの読谷村(よみたんそん)にある「グランドメルキュール沖縄残波岬リゾート」だ。残波岬は高さ30mの断崖絶壁が2km続く景勝地。人気の泡盛「残波」でもその名を知られる。晴れた日には慶良間(けらま)諸島も望め、先端まで来たと実感する。読谷村・やちむんの里などの観光スポットからのアクセスがいいのも、残波岬の魅力だ。
村営の残波ビーチはこじんまりとしてスタイリッシュ。マリンアクティビティの拠点となるビーチハウスは遊泳期間の4月1日から10月31日以外も年中オープンし、ロッカーやシャワーを使えるので、地元の人たちも知る人ぞ知る穴場。シーズンを過ぎても楽しめる。
滞在中はお財布とは無縁のオールインクルーシブも魅力
最大の特徴は、宿泊料金に夕食、朝食、ラウンジアクセス、大浴場やプールアクティビティなどが含まれたオールインクルーシブのプランがメインである点。一部のドリンクやアクティビティは有料ではあるものの、滞在中は支払いを気にせず、リラックスできるのはうれしい。プールに面したラウンジでは夕方はアペロ、ディナー後はさまざまな泡盛などを飲み比べできるナイトキャップがふるまわれ、お酒好きにはたまらない。
ブッフェも期待以上だった!トリュフオイルで仕上げるチャンプルーやミルク仕立ての沖縄そばなど、フレンチの手法を取り入れた沖縄料理などがならび、とにかく艶やか。ビールやワインなどのアルコールもフリーフロー。ブッフェの概念をひょいと超えたクオリティだった。
ラグジュアリーなのは料理だけではない。テラスで過ごすようなインテリアで、屋内でありながらバカンス気分に。朝からスパークリングワインが並んでいたのには小躍りした!フレッシュジュースと割ってミモザ風カクテルをいろいろ試した。
リブランドした施設なので、洗練された雰囲気らしからぬ、昔ながらの大浴場があるのもうれしい。水平線をみながら疲れを癒して、すっかり骨抜きに。客室は36平方メートル以上のゆったりとしたスイート級で、ここでは誰もがセレブになれる。
沖縄県最大級のエンタメプールではしゃぐのもおとなの夏休みならでは
見逃せないのが今年8月にオープンしたばかりの沖縄で最大級というプール施設だ。巨大なウォータースライダーとウルトラブーメランは迫力満点。恐怖を感じるほどのスリルだ。流れるプールやキッズ専用など、ファミリーで楽しめるプールもあるが、18歳以上限定の「ゆくる(=休む)プール」などのくつろぎ空間も。22時までのナイトプールも幻想的だ。
10月以降も12月までは温水エリアはオープンし、シーズンはすぎても沖縄らしいバカンスが楽しめる。
時期やエリアをすこしはずすだけで、混雑を回避でき、時にはリーズナブルに旅ができるはずし旅。秋の沖縄はねらい目なので、ぜひ夏を取り返すべく、おとなの夏休みプランを練ってはいかがだろう。
文/間庭典子
まにわ・のりこ。東京都杉並区出身。婦人画報社(現ハースト婦人画報社)退社後、米ニューヨークを拠点に活動。帰国後はフリーライターとして情報を発信。全国各地の宿、インテリア誌では200軒以上の住宅を取材するなど、旅芸人なみのフットワークを誇る。仕事柄、ラグジュアリー系リゾート体験も豊富だが、「青春18きっぷ」を使って旅する“18きっぱー”でもあり、JRのほぼ全路線制覇。地の酒、肴を味わえる居酒屋や市場めし、ひなびた湯治場を巡るのも大好き。