■山王さんの名で親しまれるパワースポット 創建約800年。将軍家の氏神、皇城の鎮として知られる。御祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)。近年は厄除け、商売繁盛、社運隆昌の神様としても信仰を集める。
画像ギャラリー年末、年始は何かと神社・仏閣に足を運ぶ時期。そして参拝を終えたら、おいしい蕎麦をぜひ!胃に心に、“おいしくて大満足”というご利益ももたらしてくれます。今回は日枝神社・増上寺・大国魂神社・亀戸天神社周辺の蕎麦店をご紹介します。
赤坂見附・日枝神社『そば 沙伽藍』
蕎麦の産地はその時々で変わるが、8月末から始まる北海道雨竜産や12月頃から始まる福井県丸岡産がメイン。店主の平川さんは農家に足を運んで栽培状況を聞き、自分好みの水分量に調整してもらうなど希望を伝えることもあるという。
「石臼でざらざら感が残る粗さに挽くのですが、蕎麦の状態がわかっているとギリギリまで攻められるんです」。田舎をいただくと、しっかりと香りが立ち上がり、角が立っていてのど越しもいい。
そして、厚みのあるかき揚げはサクサクで、イカやエビはプリッとしてやわらかさもある。「蕎麦以外の料理も食材を吟味し、きちんと美味しいものを出したい」という細部にわたるこだわりが垣間見えた。
■山王さんの名で親しまれるパワースポット
創建約800年。将軍家の氏神、皇城の鎮として知られる。御祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)。近年は厄除け、商売繁盛、社運隆昌の神様としても信仰を集める。
大門・増上寺『嘉一』
東京都内に10店舗を構える蕎麦店「本陣房 本店」で20年修業し、暖簾分けで独立して20年。蕎麦の仕入れは、「本陣房」と同じ製粉業社を利用していて、北海道産を中心にその時々でおすすめの産地の蕎麦粉が届く。
打つときに粉を触った手の感触で水加減を調整し、茹でるときも固さを毎回確認することは怠らない。「口にすっとなじむ歯ざわりを大切にしながら、教わったことをきちんとやるだけです。」と店主の高塚和之さんは謙遜するが、常連客が多いのはずっと変わらない真摯な仕事ぶりが伝わるからだろう。
昼限定の蕎麦が付いた1000円前後のお得なお刺身御膳や丼も人気で、近隣の会社員たちでにぎわう。
■東京タワーの眼下に立つ徳川家の菩提寺
明徳4年(1393)に創建された浄土宗の七大本山のひとつ。ご本尊は阿弥陀如来。徳川将軍代々の墓処であり、家康ゆかりの秘仏「黒本尊」を祀るため勝運を招くと言われる。
府中・大国魂神社『手打ち蕎麦 ほてい家』
江戸時代、蕎麦が名物で、今も数多くの手打ち蕎麦店がひしめく府中の街。同店は駅近くながら閑静な住宅街にある店だ。北海道産の蕎麦粉2種をブレンドして打つ、東京の蕎麦と言えばの二八は香り高く、のど越しもつるりとなめらか。
大甕に作り足してきたかえしに、カツオ節と昆布ダシで作る辛ツユはほんのり甘めで、これが蕎麦によく合い、多めに盛られたせいろもたちまちペロリ。激戦区で4代続く味は伊達じゃない。
蕎麦前も充実しており、平日の夜、週末は参拝後に昼間から3種盛りや天ぷらなどをアテに酒を楽しみ、〆に蕎麦を手繰る人も少なくない。実に使い勝手のいい隠れ家なのだ。
■文化財も多く残る緑豊かな空間
約1900年前に大國魂大神を武蔵国の守り神として祀ったのが起源。縁結び、厄除け、厄払いなどにご利益があるとされる
亀戸天神社『十割江戸そば にし田』
「ボクシングでは無理だったチャンピオンに、蕎麦でなれるといいですよね」と恥ずかしそうに笑う店主・西田さん。元プロボクサーとして活躍した後、第2の人生として選んだのは蕎麦職人への道だった。
修業を重ね、試行錯誤の末に辿り着いたのは栃木県益子産の常陸秋そばを使う十割蕎麦。上品な香り漂う正統派だ。かと思えば、豚挽き肉に芝エビ、とろろをツユに加えエビ真丈をのせた、複雑で濃厚な旨みの天神そばといったアイデア蕎麦も用意する。
そして和食店で腕を振るった経験から一品料理も充実。参道にあるだけでなく、今は彼の味にノックダウンさせられたファンも多い人気店。チャンプになる日は近い!?
■菅原道真公を祀る天満宮
学問の神様・菅原道真公を祀る天満宮で「江戸三大天神」のひとつ。学業成就などを願って多くの人が訪れる。境内の梅、藤、菊も有名
…続く「東京、神社のうまい「年越しそば」究極の一杯…《浅草寺・池上本門寺・川崎大師》味わい深い一品を大公開」でも年越しにぴったりの絶品そばを紹介しています
『おとなの週末』2022年12月号より(本内容は発売時点の情報です)
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