町中華でチャーハンや定食を頼めば必ずと言っていいほど共に提供されるサイドスープ。メインを引き立てる名脇役にも関わらず、なかなか注目されてないのが悔しくて……。今回はそんな町中華のスープに着目して新米編集者の荒川がお店を巡ってみました!
画像ギャラリー町中華でチャーハンや定食を頼めば必ずと言っていいほど共に提供されるサイドスープ。メインを引き立てる名脇役にも関わらず、なかなか注目されてないのが悔しくて……。今回はそんな町中華のスープに着目して新米編集者の荒川がお店を巡ってみました!
チャーハンが有名な行列店のスープ
ご飯には味噌汁、チャーハンには中華スープと、とにかく汁物が大好きな荒川です。2024年12月号の『おとなの週末』は町中華の特集。麺や逸品に目が行きがちですが、脇に添えられているスープのことを知って欲しい!そして好きになって欲しい!ということでリサーチ・取材を行ってきました。
まずは諸先輩方にスープがおいしくて印象的だったお店を聞き出すところからスタート。さすがは亀の甲より年の功!
とはいかず、なかなか店の候補が上がってきません(もっとスープに注目して)。それでも『龍朋』のスープに出合えたのは僥倖(ぎょうこう)でした。カツオ節などの旨みが効いたダシをベースに大豆を加え、ほのかに和を感じるまろやかな味わいの一杯。これがまあやたらとおいしくチャーハンとも相性抜群。
『龍朋』のサイドスープ
聞けば麺類とは別に、チャーハンなどに付くスープ用に醤油ダレを仕込むという手の込みよう。常連さんにならってご飯をスープに浸して食べてもこれまた旨い!チャーハンが有名な行列店ですが、このスープも人気の一端を担っているに違いありません。
旨さの秘密は「醤油にこだわる」
更に取材を進めていくと興味深いお話が。
実は今回取材を行ったお店の方の多くが「醤油にこだわる」と語ってくれたのです。スープに醤油?と疑問に思ったのですが、どうやら忙しさもあって醤油ダレは使わず、お椀にネギと醤油、そこへ鶏や豚などでとったダシを注ぐスタイルのお店がほとんど。それでもおいしく提供するため、自分の店のダシに一番合う醤油を探し求めるのだとか。
そのこだわりは筋金入りで、醤油の銘柄に関してはほぼすべてのお店が「これは秘密なんです」と口を揃えます。仕入れ業者の方が配達の際、ラベルの向きに気を使うほどのトップシークレットなんですって。
そうやって考えると、その店の個性って実はサイドスープにこそ出ているのでは!?
ベースのダシは鶏でとるか、豚でとるか、魚介系か……。はたまた掛け合わせるという手も。そうして完成したダシに、吟味した醤油を合わせる。そこへネギを浮かべただけのシンプルな味わいこそが、店の味と呼ぶに相応しいのかもしれません。
今回は“当りだらけ”の町中華特集ですが、本当のところは“スープの旨い店は当りだらけ”を推していきたい荒川でした!
スープで選ぶ個人的おすすめ3選!
『中華料理 新華楼(しんかろう)』
豚足や香味野菜をメインにしたやさしい味わいのスープ。ラーメンにはもちろん、主張が穏やかなので、口内をリセットする脇役の目的にもピッタリ!
『下町中華 樹(きいち)』
エッジの効いた醤油の香りと、透き通ったキレイな鶏の旨みを感じるスープ。醤油を合わせただけとは思えない完成度にきっと驚くはず。
『神楽坂 1』
残念ながら取材拒否。しかし豚骨ベースのこの一杯はぜひ一度試していただきたい。「チャーハン」はメニューに書いてありませんが頼めます!
撮影/石井明和(龍朋)、写真・文/編集部(荒川友吾)
■おとなの週末2025年2月号は「醤油ラーメン」
※2024年12月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
…つづく「【保存版】絶品ラーメンのある町中華5選!スープまで飲み干したくなる完食必至の逸品」では、絶品ラーメンのある町中華5選を実食レポートします。
画像ギャラリー