ガチ中華の聖地・池袋北口の名店5選! 大皿料理のボリュームに驚愕、おいしさは国境を超える

中国人が本場そのままの味を提供する「ガチ中華」。町中華のようなキャッチーなフレーズで瞬く間に定着したものの、実際に行ったことがない方は多いのでは。そこで、ガチ中華がひしめく聖地・池袋北口へ実食してきました。ライター菜々山が、中国人助っ人の情報も頼りに、ガチ感あふれる料理やトレンドを感じられる一品を食べ歩いてきました。どんな味に出合えたのか!?

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中国人が本場そのままの味を提供する「ガチ中華」。町中華のようなキャッチーなフレーズで瞬く間に定着したものの、実際に行ったことがない方は多いのでは。そこで、ガチ中華がひしめく聖地・池袋北口で実食してきました。ライター菜々山が、中国人助っ人の情報も頼りに、ガチ感あふれる料理やトレンドを感じられる一品を食べ歩いてきました。どんな味に出合えたのか!?

中国各地の味を一度で味わえる最新フードコート『沸騰 小吃城(フェイトン ショウチーチョン)』ガチ度★★

現在池袋北口には3つの中華フードコートがある。中でもいちばん新しいのがこちら。「小吃」=軽食ってこともあり、香港スタイルの点心や串焼きなど中国式のストリートフードがわんさか。

煎餅果子715円

『沸騰 小吃城(フェイトン ショウチーチョン)』煎餅果子 715円 朝食の定番という中国式クレープ。レタスやソーセージが包まれている

店内の料理ブースは地方ごとに分かれていて福建や上海、重慶、湖南、湖北など中国各地の味を網羅している。大人数で訪れいろんな料理を試してみよう。初心者でも写真付きのモバイルメニューで注文すれば、スタッフがテーブルまで届けてくれるので安心だ。

『池袋北口』『小吃城』

[住所]東京都豊島区西池袋1-43-7 福住ビル3階
[営業時間]11時〜23時半(23時LO)
[休日]無休

雲南発のトレンドが早くも上陸!初体験の蒸鍋に挑戦『ムーさんの蒸鍋館(ジョングォウグァン)』ガチ度★★★

プシューッ!天井まで勢いよく吹き上がる蒸気に目を丸くした。

実はこれ、雲南省を中心に流行中の“蒸鍋”なるもので、強力なスチームでスープと具材を蒸し煮にする料理なのだ。具材は豪快に丸ごと素揚げしたスズキor鯛に、野菜やキノコなど。

蒸気石鍋魚セット1人前3278円

『ムーさんの蒸鍋館(ジョングォウグァン)』蒸気石鍋魚セット 1人前 3278円(写真は2人前) 最初に魚をあらかた食べてから他の具材をイン。スープは豚骨をベースにカボチャペーストを加えたもので、実山椒や唐辛子も入った複雑な味わい

とんがり帽子の蓋をしてぐつぐつやれば、具材のエキスがスープと溶け合って、ぐんと味が深くなる。さらにこの蒸気を利用した海鮮蒸しも。

店内の生簀から取り出したばかりのアワビ、エビ、ワタリガニなどの新鮮魚介は蒸すことで身がプリップリ。あらかじめ鍋底には米とダシを仕込んでいて、そこに具材から滴り落ちた旨みが加わった極上の海鮮粥でフィニッシュ。ライブ感たっぷりの楽しさと、初体験の味に盛り上がること間違いなし!

『ムーさんの蒸鍋館(ジョングォウグァン)』代表 牟明輝さん

代表:牟明輝さん「今年3月にオープンしました。鍋の他に雲南料理もあります」

『ムーさんの蒸鍋館(ジョングォウグァン)』

[住所]東京都豊島区西池袋1-28-1 第二西池ビル6階
[電話]03-6687-2011
[営業時間]11時半〜23時(22時半LO)
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか池袋駅西口(北)出口から徒歩1分

初体験のハラール中華に挑んでみた!『アリヤ清真美食(チンジェンメイシー)』ガチ度★★★

仏教のイメージが強い中国だけど、少数民族の「回族」などを中心にムスリムも数多いそう。「清真」とは中国語でイスラム教のことを指し、こちらは“ハラール中華”という耳慣れないジャンル。

ハラールと聞くと少し身構えてしまうけれど中東地域と国境を接し、歴史的にもイスラム色が濃い中国西部の料理が中心で、エキゾチックな香りのスパイスをまとった羊のスペアリブに、串焼きや煮込み、魚介料理までとかなり幅広いラインナップだ。

焼羊排(※焼の漢字は本来、火編に考)4378円

『アリヤ清真美食(チンジェンメイシー)』焼羊排(※焼の漢字は本来、火編に考) 4378円 クミンなどのスパイスをたっぷりまとったラムのスペアリブ焼き。皮目をカリッと焼き上げ身はジューシー

そしてご安心を。アルコールも種類豊富でがっつり飲めます。入口の階段と同じくブルーで統一された店内の風情も異国感満点だ。

『アリヤ清真美食(チンジェンメイシー)』

[住所]東京都豊島区西池袋1-43-3 日精ビル2階
[営業時間]11時〜23時
[休日]無休

コクのあるシビ辛スープとプルモチ麺『四川麻辣湯(スーチュアンマーラータン)』ガチ度★

日本の若者の間でも流行っているのが「麻辣湯」。こちらはモバイルオーダー方式で、初心者ならば店のおすすめ具材が盛り込まれたセットメニューを選ぶべし。

「人気セット」は味玉や魚卵団子、水餃子などが入っており、そこにカスタマイズで油条(揚げパン)をトッピング(+100円)。

人気セット+油条1380円

『四川麻辣湯(スーチュアンマーラータン)』他にも「肉盛りセット」や「美容セット」もある。イチからカスタマイズも可能

辛さや麺も選べる仕様で、チョイスした板春雨はプルプル&もちもち具合がクセになる。ラーメンよりもあっさりしていて、胃にも軽やか。ガチ中華巡りの〆にいかが?

『四川麻辣湯(スーチュアンマーラータン)』

[住所]東京都豊島区西池袋1-38-2
[営業時間]11時半〜23時
[休日]無休

大皿でやってきた骨つき鶏のボリュームに驚愕!『ウイグル料理 大新疆(ダーシンジャン)』ガチ度★★★

今年3月にオープンしたウイグル料理の専門店。すでに在日中国人の間では知られた存在らしく、取材時のお客はほぼ中国人。

看板は鶏肉の煮込みで、八角の香りただようピリ辛の煮汁が骨つき鶏やじゃがいもに染みて、酒のお供に抜群だ。さらに平打ち麺もセットになっているので、タレに絡めつつ味わおう。

大皿鶏肉じゃがいも煮込み(中)2880円

『ウイグル料理 大新疆(ダーシンジャン)』大皿鶏肉じゃがいも煮込み(中) 2880円 鶏肉の様々な部位が入っているからそれぞれ異なる味わいと食感を楽しもう

どの料理も驚くほどボリューム満点。食べきれない場合は容器をもらえるので持ち帰るべし。角ハイボール298円(!)という安さも驚きだ。

[住所]東京都豊島区西池袋1-38-3 D:vort池袋8階
[営業時間]11時〜23時(22時半LO)
[休日]無休

流行語大賞ノミネートの2022年以前から“聖地”

“ガチ中華”って言葉が流行語大賞にノミネートされたのが2022年。池袋はその前から“聖地”なんて言われてきた場所だ。

まず初日には中国人のSさんに同行をお願いし、『ムーさんの蒸鍋館』へ。お供は編集の戎くん。ちなみにSさんは来日たった10年で週刊誌編集も行っている天才で敬語は私よりも上手だ。

お目当ての「蒸気石鍋魚セット」は“他のメニューも食べたいよね”ってことで2人前をオーダーする。が、どデカいスズキが丸ごとドン!

続いて店員さんがやってきて、テーブルのボタンを操作すると間欠泉かってくらいの勢いで蒸気が上がった。天井には火災報知器。大丈夫なのか?

『ムーさんの蒸鍋館(ジョングォウグァン)』見よ、この強力スチーム。火傷には要注意

料理の詳細は前ページを読んでもらうとして、3人で挑んでもかなりのボリューム。と、そこへSさん。「日本の方ってみなさん少食ですよね」

そうかなぁ。でも今回のガチ中華巡りではそれを実感することになった。

2軒目に向かったのが『沸騰小吃城』で、いわゆる中華式のフードコート。東西南北、中国各地の料理を揃えていて見たこともないメニューもわんさかある。

「中国って地域によって食文化が全く違うから日本で友達になっても行く店に困るんです。だからいろんな地方の料理が揃うこんな店があると集まりやすいの」

そっか、小さな島国に生きる我々にとって中国は想像もつかないほど広いのだ。

そして別日に訪れたのが『アリヤ』。ハラール中華という謎ジャンルだ。予約しておいたので入口で名前を告げると「いらんいらん。何人?」みたいなジェスチャーをされる。予約とは……。

席に座れば隣はケンカでもしてんのかってくらい大声で話す中国のおじさん達。なんていうか大陸のおおらかさと押しの強さがたったの数十秒で身に沁みた。

「焼羊排(※焼の漢字は本来、火編に考)<羊のスペアリブ焼き>はプレートから木が生えた不思議な演出が異国感満載。味はどれも抜群です。

『四川麻辣湯』はガチ感ライト。お客は日本の若い女性もわんさかいて「辛〜い!」なんて、言いながら麺を啜っていた。辛さの中にもコクのあるスープに見事ハマり、思い返す度に食べに行きたくなる。

「ビュッフェで見かけるサイズですね」

そして最後は『大新疆』へ。看板料理っぽい「鶏肉じゃがいも煮込み」を注文。しばらく後、やってきた皿に目が点になった。

「ビュッフェで見かけるサイズですね」と戎くん。腹を括って挑んでみれば、身はほろほろでスープが染みたジャガイモもいい味。

格闘するように食べ進めるもたったの3分の1でギブ。帰っていった中国人客のテーブルを見ると完食した形跡が。Sさん、確かに我々日本人は少食です。

料理の味はもちろん肌で感じる文化の違いも楽しいもの。どこも大ボリュームなので大人数で挑むのが良いでしょう。

撮影/浅沼ノア(ムーさんの蒸鍋館)、小島昇(沸騰小吃城)、菜々山いく子(アリア、四川麻辣麺、大新疆)、取材/菜々山いく子

2024年12月号

■おとなの週末2025年2月号は「醤油ラーメン」

『おとなの週末』2025年2月号

※2024年12月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

…つづく「シンのガチ中華」では、達人が選んだ“ガチ中華”をレポート

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