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湯帳をまとい、静かな湯浴みを

特別浴室は2室あり、今回は天井に絵が描かれた浴室を選んだ。階段付きの湯船で、無色透明の湯が肌をしっとり包み込む。この浴室は皇室専用風呂を模しているので、入浴のスタイルも変わっている。

裸ではなく、「湯帳」(ゆちょう、湯帷子〈ゆかたびら〉ともいう)という薄い衣を身につけて入るのだ。というのも、古代の高貴な方々が入浴するときは、湯帳を身に着けて入るのが習わしで、特別浴室はこれに倣っている。現代の湯帳は帝人の高機能ポリエステル製で、水を吸っても肌に張り付かず、重くならないのが特長である。色は薄蘇芳(うすおう)色(桃色)、老竹(おいたけ)色(緑色)、鳩羽紫(はとばむらさき)色(紫色)の3色ある。

『道後温泉別館 飛鳥乃湯泉』の特別浴室は湯帳を着て入る

貸切風呂なのでもちろん裸で入ってもいい。お湯は毎回入れ替えられ、新鮮な温泉を独り占めできるのもうれしい。隣室には休憩室があるので、のんびり、ゆったり過ごすことができる。道後にある3つの外湯のうち、貸切風呂があるのはここだけ。夫婦や家族、カップルで入浴したい、湯帳を着て優雅な気分に浸りたい人は、訪ねてみてはいかがだろう。2室しかないため予約はすぐに埋まってしまう。早めに予約することをおすすめする。

道後の夜は、地元らしい居酒屋へ

道後ハイカラ通り

道後温泉には趣の異なる3つの共同浴場がある。

湯かご片手に、商店街へと出かけてみよう。今治タオルの専門店、20種類のみかんジュースを蛇口から注いで楽しめるカフェなどのほか、お箸屋さんの奥には砥部焼の工房作品も並んでいる。

店頭に置かれていた「道後の竹かご」に目が留まった。湯めぐりに使うためのかごだという。すでに在庫はなく、現在は注文制。

道後温泉の湯かご

「これまでは4400円だったけれど、少し値上がりするかも」とのこと。竹細工の製作者は高齢化しており、製作が追いつかないという話はよく聞く。全国的に失われつつある技術なのかもしれない。

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素泊まりの一人旅、夕食は地元の居酒屋で
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野添 ちかこ
野添 ちかこ

野添 ちかこ

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