選書のテーマは“アナキズム”ビールとの関係は?『sabo beer bar&bookstore』@菊川
ご存知かもしれないが、今書店経営は厳しい環境にさらされている。紙の媒体は電子書籍に、情報発信はWebに大きく台頭された。そんな中でも“本”を仕事にしたい。サステナブルな方法で世の中に本を送り続ける場所を作りたい。
そのひとつの答えがここ『sabo』。飲食店経営をベースにした小林さんの営む書店だ。
「逆説的ですが、本で生活しなくてもいいから好きな本が置ける。ゆくゆくは出版社としても機能させたいと思っています」
入り口を入ると左手には大きな本棚があって、奥にはクラフトビールのタップが並ぶバーカウンターとソファ席が広がっている。

小林さんはここを始める前に、小田原に移住して箱根にある『GORA BREWERY&GRILL』で2年弱ビールの醸造も修業。ビールのチョイスも本格的で楽しく、居心地がいい。
そして書棚の選書は、もちろん彼自身によるもので、左半分が古本で右半分が新刊。人文書をメインに、音楽、映画、文化人類学や小説と広がっているが……。
「選書のテーマは『アナキズム』です。アナキズムって無政府主義と訳されますが、本来、資本主義・国家・権力、それら誰にも何者にも支配されないぞと。自立した個人の連帯を謳うものなんです」。
そして面白いのは小林さんがビールの醸造にも共通する要素を見出していること。
「酵母って生き物なので、ビールの設計図はあっても醸造のプロセスを100%コントロールすることはできない。人間の力が及ぶ範囲外で自由に発酵する。それを味わうのがいいなと」。
何でも自分たちの思うようにできると考える“人間の思い上がり”へのアンチと自由。そして片手にビール。どうりで居心地がいいわけだ。
【owner’s recommend】『the CATCHER in the RYE』J.D.サリンジャー著
「中学時代に村上春樹訳で読んだのが最初。大人になってから原書で。主人公ホールデンの世の中への反抗心。偽善やインチキに反発するスタンスに共感したし、今も影響を受けていますね。ラストシーンの美しさも好き」(小林さん)
[店名]『sabo beer bar&bookstore』
[住所]東京都江東区森下4-23-4
[電話]070-8529-4623
[営業時間]15時~23時
[休日]月
[交通]都営新宿線菊川駅A2出口から徒歩3分



