沖縄の魅力が詰まったクラフトビール「しまめぐり」シリーズ
このようにビールをはじめとしたお酒を通じて、“沖縄の魅力”を伝えることに尽力するオリオンビール。さらに一歩進んだこだわりで、“ビールを通して沖縄素材の良さを知り、沖縄を感じてもらう”ことを目指したクラフトビールが、この「しまめぐり」シリーズだ。
「沖縄の地、沖縄の地域の皆様、そして、沖縄をきっかけにオリオンビールと繋がっていただいた世界中の皆様に支えられ、これまでビール造りを続けてこられました。そんな皆様に、沖縄素材を活用することでビールの多様性を知り、かつ少しでも幸せを感じていただきたい。そのような想いをもち、日々ビール醸造と向き合っています」と話すのは、同社商品開発部の山城敬太郎さんだ。
このクラフトビールが醸造されているのは、オリオンビール名護工場内の小規模醸造設備・Co-Labo75(コラボナゴ)。仕込み・醗酵ともに 500Lの規模で、名護工場の主力設備と比べると生産能力は約 100 分の 1 なのだそう。「しまめぐり」は原材料の状況などにより変動はあるものの、1 回およそ1000本程度の製造となっている。
「醸造家の思いをそのまま」が大きな利点
「このCo-labo75設備に関してはすべてを手作業で自由度の高い製造が可能なため、大規模設備では扱えない固形物やパッションフルーツ、パイナップルなどのような高粘度素材もそのまま使用できます。これにより、使える素材の幅が広がるだけでなく、それぞれの個性を活かしたビール造りが可能になります。ホップなど原料の投入量やタイミングなど、投入方法やモロミの取り扱いといった製法にもほぼ制限がないため、醸造家の思い描いたレシピやチャレンジしたいことをそのまま実行できることが大きな利点です。さらに柔軟なプロセス変更は素材の良さや特徴を最高値で引き出すための大きな武器になると考えています」(山城さん)
ただし、小規模設備は自由度が高い反面、安定生産が難しいという側面も。
「オリオンビールの設備として、既存の分析設備並びに開発プラントの活用などを通して、細かい部分まで数値化して品質を確認しつつ試行錯誤を行えます。加えて、Co-labo75でのチャレンジから得られた知見やノウハウを大規模設備の商品づくりへと展開することで、大規模設備醸造との相乗効果が期待できます。いわば『小規模での挑戦』と『大規模でのマス展開』という両輪を持ち合わせていることこそ、弊社ならではの強みです。これにより多くのお客様にビールの多様性やおもしろさをお伝えすることができると思っています」
オリオンビールの68年にわたる醸造ノウハウの蓄積により、小規模生産ながらも品質を管理することで、安定したビールづくりを実現できると醸造家たちは胸を張る。



