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創業は昭和43年。 リニューアルしたのが8年前にリニューアルし、当初は煮物などのおばんざいや煮魚などの家庭料理が中心だったが、本格的な和食が楽しめる店に。 そんな『花ごころ 緑苑』の、人気御前の数々を紹介しよう。

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昼も夜も楽しめる「御膳」に詰まったおもてなしの心『花ごころ 緑苑』

豪華なモーニングが物語っているように、名古屋の喫茶店はコーヒーを飲みに行くというよりは、食事が目的だったりする。

実際、ファミレスよりもフードメニューが充実している喫茶店もある。

名古屋市緑区にある和食店『花ごころ 緑苑(りょくえん)』も、かつては地元の常連客に愛される喫茶店だった。

「喫茶店は私の母が開店させました。創業は昭和43年、今年で52年目になります。
和食店にリニューアルしたのが8年前ですね。
当初は母が作った煮物などのおばんざいや煮魚などの家庭料理が中心でしたが、今では本格的な和食をお楽しみいただけます」と、話すのは店主の伊藤嘉美さん(※写真中央。左が伊藤さんの母、富子さん、右が料理長の浅岡友貴さん)。

店内に入ると、カウンターの上に並べられた日替わりのおばんざいが目を引く。

どれもていねいに作ってあり、見ただけでお酒が飲みたくなる。

では、その一部を紹介しよう。

「たこと大根の柔らか煮」(600円)。

魚介や野菜は、嘉美さんが柳橋と日比野の市場で仕入れた旬のものを使用している。

定番のおばんざい、「鶏肝煮」(600円)。

鶏の体内で成長途中の卵、いわゆる“きんかん”もたっぷり入る。

こちらもおばんざいの定番、「いわし梅煮」。

いわしの旨みと、ほのかな梅の酸味にお酒がすすむ一品。

旬の松茸は「土瓶蒸し」(850円)や「天ぷら」(1000円)、「焼き松茸」(1000円)の中から好みの調理法で。

「松茸と和牛の朴葉焼」(1800円)も人気。

ここに来たら絶対に注文したいのは、昼も夜も楽しめる10種類の御膳。

なかでも人気なのは、旬の食材をふんだんに使った月替わりの「和楽膳」(2500円※昼は2300円)。

では、この日の内容を紹介しよう。

まずは八寸。

写真奥の左から時計回りに、「南京豆腐蟹添え」、「蕪とがんも炊き合わせ」、「太刀魚アーモンド揚げ」、「しらす明太子おろし」、「鴨ロースサラダ」、「秋茄子の朴葉味噌焼き」、「法蓮草菊花浸し」の7品。

どれも食材の持ち味を引き出した繊細な味付けだ。

次はお造里。

この日は、マグロとサーモン、イカの三種盛。

サイズこそやや小さめだが、この値段でお造里まで付くのは嬉しい。

椀物は、「鱧真丈と松茸のお椀」。

旬の名残と走りを一つの料理に仕上げた料理長渾身の一品。

シンプルだが、それぞれの旨みを存分に堪能できる。

食事は、秋の味と香りを凝縮させた「銀鮭と木の子の炊き込み御飯」。

これも、食材そのものの味が堪能できる上品な味わい。

この日のデザートは、「ブルーベリームース」。

こちらも甘すぎず、食事の締めくくりにぴったり。

「和楽膳」に次いで人気なのは、「煮魚御膳」(1700円※昼は1500円)。

内容は日替わりで、市場で仕入れた旬の魚を使用している。

この日は、天然鯛のかぶと煮。

「この大きさにお客様は驚かれますね。
名古屋らしく甘辛い味付けに仕上げています。御飯がすすみますよ」(伊藤さん)

巷の和食店では、夜の営業は食事よりもお酒がメインになりがち。

しかし、ここはおばんざいを肴にお酒も楽しめる上にリーズナブルな価格で食事も楽しめる。

しかも、おばんざいも御膳も本格的な和食である。

客のニーズにとことん応える店の姿勢に喫茶店として営業していたころからの、「おもてなしの心」が今もなお続いていると感じた。

花ごころ 緑苑
[住所]愛知県名古屋市緑区曽根2-156
[TEL]052-624-2351
[営業時間]11時半~14時半、17時~21時半
[定休日]月曜、第3火曜

永谷正樹(ながや・まさき)
1969年生まれのアラフィフライター兼カメラマン。名古屋めしをこよなく愛し、『おとなの週末』をはじめとする全国誌に発信。名古屋めしの専門家としてテレビ出演や講演会もこなす。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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永谷正樹
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