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心をととのえ、深呼吸できる日常を脱する旅へ『善徳寺杜人舎』@城端

550年の歴史を誇る寺の敷地内にあり、かつての研修道場が宿として蘇っている。館内は民藝の家具や器に囲まれ、まさに泊まれる民藝館。

『善徳寺杜人舎』独特なアーチを描く、印象的な唐破風造の門が出迎えてくれる。庭には樹齢400年の大木がそびえ立ち、ゆったりと風に揺れている

夕食はなく、代わりに地元で愛される飲食店を紹介する仕掛けで、これもまた旅の楽しみを広げてくれる。早朝には寺の勤行に参加できるのも興味深い。

信仰厚いこの土地の空気に身をゆだね、静かに心の浄化を図りたい。

『善徳寺杜人舎』朝食の塗りのお膳も雰囲気がいい

[店名]『善徳寺杜人舎』
[住所]富山県南砺市城端405別院善徳寺
[電話]0763-77-3732
[交通]JR西日本城端駅から徒歩約10分

作り手が磨き合う気風が流れる土地

「高岡漆器」「高岡銅器」「井波彫刻」などをはじめ、富山県は6つの伝統工芸で知られる。そんな土地柄であるためか、陶芸家やガラス作家など手仕事の作り手が不思議と多く集まってくるという。

陶芸家の高桑英隆さんもそのひとり。穏やかでチャーミングな人柄は作風にも表れていて、地元の若いクリエイターに慕われているのもよくわかる。

高桑さんは、柳宗悦、白洲正子など名だたる目利きに信頼された秦秀雄に師事し、陶芸家となった。李朝陶磁を学ぶために韓国にも渡り、白磁の器を作り続けている。窯元で作品を販売しているので、ギャラリーなどには並ばない作品もここでなら手に入ることも。

ガラス作家の若手が集まるのは『富山ガラス工房』だ。学校と美術館、工房が併設しているというのは世界的にも珍しいそう。

そのため地元に限らず、全国からガラス工芸を学びに学生が集まり、若い作家がお互いを刺激し合って育つ。この工房で学び、後に著名なガラス作家になった人も多い。

民藝に縁が深い街にも足を延ばして

市内散策でふらりと寄りたいのは、民藝をベースに手工芸品を集める『林ショップ』だ。

「民藝というと、どうしても代表的なもののイメージが強いでしょう。でもそれだけでは面白くない」と話すのは店主の林さん。

南米の木彫り人形があったり、地元の家具工房の椅子があったりと、ここには意外な出会いがあり、見て回るほどにワクワクする。

富山は民藝ゆかりの地でもある。職人の手が生み出す生活の道具や器に「美」を見出した民藝運動。その創設者・柳宗悦が集大成『美の法門』をまとめたのは、南砺市城端の善徳寺に逗留していた時のこと。その同じ敷地内にあるのが、民藝の宿『杜人舎』だ。

「自然と人の共生から生まれるこの土地の品格を柳は“土徳”と名付けました。観光を通じてそれを伝えたい」と語るのは代表の林口砂里さん。

周辺には版画家・棟方志功ゆかりの光徳寺や福光美術館もあり、作品に触れる散策も楽しそうだ。民藝が息づく富山の旅は心を穏やかに、豊かにしてくれる。

撮影/松田麻樹、取材/岡本ジュン

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

※画像ギャラリーでは、こだわりの工芸品の画像をご覧いただけます

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