北陸三県グルメ対決の最終回です。絶品の「海の幸対決」、そして変わった「ご当地ライス対決」に続き、今回は「昭和のラーメン対決」。ラーメン好きの方は大変お待たせしました。北陸三県を代表する老舗のお店に訪問し、その歴史と絶品料理をご紹介したいと思います。2025年も12月に入り、熱々のラーメンが美味しい時期になりました。北陸の味を東京で味わえるお店もご紹介していますので、是非ご期待ください。
個人的に全国で五指に入る名店『まるなかや』@高岡市
今回は富山県から始めましょう。ご紹介するのは、富山市から高岡市を経由し電車で約1時間、新湊港線「中新湊(なかしんみなと)駅」から5分ほどの場所にある『まるなかや』(高岡市)です。
富山市にある1952(昭和27)年創業の『まるたかや』出身のご主人が、昭和も終わりに近づいた1988(昭和63)年に創業したとか。個人的に全国のラーメン屋さんの中でもトップ5に入るお店かも知れません。何が凄いって、「昼飲みができる最強のラーメン屋さん」です。
まず、ビールに合わせる食事からご紹介します。同店はラーメンのラインアップ以上に「おでん」の品数が凄いです。いただいたのは「カニ面(カニの甲羅にカニ身の練物が詰められたもの)」と「フキ」です。どちらも出汁がシミシミでビールにめちゃくちゃ合います。
続いていただいたのは、「串」です。なんとも不思議な名前で、メニュー上はおでんのひとつとして表示されていますが、「どて焼き」にも近く肉(たぶん牛肉)に味噌だれがかかっています。これが何とも言えず旨い。
正午を過ぎると常連客がぞくぞくお店に入ってきますが、ほとんどの方がラーメンの前に数本の「串」を食べています。ご当地感満載。初めて見るラーメン文化にびっくりしました。
油カスがこくを創出、箸が止まらない!
では、メインデッシュ「中華そば」にまいりましょう。見た目はまさに昭和のラーメン。淡い色のスープに、ネギ、チャーシュー、メンマと定番の具材、その上に茶色い薬味が乗っています。どうも肉をカリカリに上げた油カスのようです。
一口スープを飲むと、まろやかな味わいが口に広がります。麺は柔らかめでこれも筆者好み。油カスを混ぜて食べるとコクがさらに深くなり、箸が止まりません。古き良きラーメンながらも、食べたことのない味わいと具材や薬味とのマリアージュ。唯一無二のラーメンと思っています。
さて、富山と言えば「ブラックラーメンじゃないの?」という声が聞こえて来そうです。発祥のお店と言われる『西町大喜(にしちょうたいき)』(富山市)は1947(昭和22)年創業の老舗ですし、ラーメン好きが食べるべき一品ではありますが、今回は個人的好みで『まるなかや』をご紹介しました。
『西町大喜』はいつか全国の「ブラックラーメン」特集で取り上げたいと思います。ご期待なさってください。
















