大浴場を置かない「究極のこもり」
この宿には大浴場がない。全客室に温泉を満たした風呂が備わり、客室でゆっくりと過ごすことができる造りになっている。温泉のイメージがない城ヶ島だが、近くの油壺温泉の湯を運び入れており、保温効果の高い、ナトリウム−塩化物泉が冷えた体を温めてくれる。
「他のお客さんとはあまり会わず、なるべく客室で過ごしたい」というニーズに応えるように、客室には海を望むテラスも設けられている。ソファに身をあずけ、ハーバルティーをゆっくり味わう。ほうじ茶をベースに、ハッカやクロモジをブレンドしたオリジナルティーは、湯上がりにぴったりだ。
シモンズと共同開発したベッド、肌触りのよい館内着やパジャマ、オーガニックアロマが香るオリジナルアメニティ、ふかふかのバスタオルなど、細部まで“こもる”時間を心地よくする工夫がされている。非対面でサービスが受けられるよう、ルームサービス用の「ユーティリティBOX」を設けるなど、プライベート性へのこだわりも徹底している。
夕食は「全皿魚介」のサプライズ
食事のコンセプトも独創的だ。「海」をテーマにした宿らしく、水菓子を除くすべての皿に、三崎のマグロをはじめ、アマダイ、ホタルイカ、サザエ、アワビ、車エビなど、旬の魚介が組み込まれている。ただし、備長炭で焼き上げるメインディッシュでは、大蛤やカマス、ブリといった魚介料理に加え、上質な肉料理も選べる柔軟性も備えている。
ワインや地酒のペアリングメニューも充実している。「ワイン・地酒のペアリング」は3・4・5種、「日本酒ペアリング」は4種などから選べる。日本酒ペアリングでは、日本酒スパークリングや神奈川の地酒に加え、「飛露喜」や「十四代」といった銘酒も揃う。一品一品丁寧に仕上げられた日本料理を、その皿に合わせたお酒とともに味わえるのが魅力だ。
極めつけは、磯の恵みをたっぷりと閉じ込めた、アナゴやイイダコ、ホタテ、タチウオ、そして生ウニやイクラを贅沢に使った炊き込みご飯。海の近くとはいえ、温泉リゾートでここまで魚尽くしを堪能できるコース料理は、そう多くはないだろう。








