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覆面取材で見つけた間違いない店だけを掲載しているグルメ専門誌『おとなの週末』
「平塚漁港の工房」で絶品「サバラーメン」とド迫力の「サバ食べ尽くしプレート」を堪能!/至福の鯖百選[44]

「平塚漁港の工房」で絶品「サバラーメン」とド迫力の「サバ食べ尽くしプレート」を堪能!/至福の鯖百選[44]

通年通して絶品のサバが水揚げされる神奈川県平塚市。 開店前に100名の大行列ができる、平塚市漁協直営「平塚漁港の食堂」の姉妹店「平塚漁港の工房」が、2020年10月にオープン。 サバに特化したお店で絶品のサバラーメンはじめとするサバグルメを味わってきた。

perm_media 《画像ギャラリー》「平塚漁港の工房」で絶品「サバラーメン」とド迫力の「サバ食べ尽くしプレート」を堪能!/至福の鯖百選[44]の画像をチェック! navigate_next

「平塚漁港の工房」で絶品「サバラーメン」と ド迫力の「サバ食べ尽くしプレート」を堪能!


相模湾の中央に位置する神奈川県平塚市・平塚漁港。

黒潮の流れを受け、海底は起伏に富み、恵まれた漁場で獲れた海の幸が水揚げされる。

なかでも通年多く獲れるのがサバ。

その味わいは爽やかな脂のりが魅力だ。

口に入れるととろける豊かな味わい、でも後味がスッキリ。

海岸沿いを吹き抜ける風のよう。

さすがサバのテイストも「湘南風」!!

平塚のサバ。
定置網で漁獲。多く獲れるのはゴマサバ。
旬は1~3月ごろと、8~9月ごろ。


平塚市漁業協同組合では、新鮮な魚をもっと地元の人に食べてもらいたい、平塚の魚の魅力を多くの人々に知ってもらいたいとさまざまな活動を行っている。

そのひとつが、平塚新港荷さばき施設での「地どれ魚直売会」。

お客さんに獲れたての魚を、もっとも活きのいい状態で美味しく食べてもらいたいと、なんと大きな「いけす」に入れて、生きたままの状態で販売。

開催は平日午後にもかかわらず、いけすの前に行列ができる大盛況。

「地どれ魚直売会」。
漁師自ら、魚や加工品を販売。
毎月第4金曜日、14~15時30分に開催。


そして最近の直売会名物は、まさかの「サバ詰め放題」! 

獲れたてピチピチのサバをビニール袋に詰め放題!

ビニール袋にサバを詰め放題! 
たぶん日本でここだけ……。


「サバの詰め放題はすごかった~。袋が破れるかなぁというくらいギリギリの人いたね」
とその現場を振り返るのは、平塚イチ有名な「ねじりはちまきのねこ漁師」。

平塚市漁協のPRキャラクター「ひらつかタマ三郎」だ。

ひらつかタマ三郎。
地元・東海大学教養学部芸術学科とのコラボ企画で誕生。
趣味は「川柳」。「大酒飲みで
奥さんと娘に逃げられたバツイチ」らしい……。


当初は、かなりかわいらしい「リボンをつけて魚を持ったネコ」だったらしい。

……が、漁師たちの

「漁師はもっとワイルドだろ」

「漁師はやっぱり長靴だろ」

「はちまきもマストだろ」という意見を反映しているうち、ワイルドどころか「ねじりはちまきにサングラス、口ひげはタコ」という原型をまったくとどめぬ姿に。



ところが、その微妙な姿が漁協のイベントなどで人気をよび、いまや平塚漁港は「ひらつかタマ三郎漁港」に改名してしまったほどだ。

2016年、平塚市漁協は平塚市と契約して、
平塚漁港の命名権(ネーミングライツ)を取得し、
「ひらつかタマ三郎漁港」に。
全国的にも漁港の命名権導入は珍しい。


ひらつかタマ三郎漁港近くには、史上最強の「ハマの食堂」がある。

「平塚漁港の食堂」。

平塚市漁協が運営、市内で飲食事業を展開する「ロコロジ」が手掛ける食堂だ。

2014年にオープンした「平塚漁港の食堂」。
県内外から多くの人々が訪れ休日には長蛇の列、
平日もほぼ満席。
2020年はコロナ渦の影響で夏までは苦戦したものの
お弁当の販売で立て直し、
なんと9~11月は前年を上回る売上に!


食堂といってもまるでカフェのようなスタイリッシュな空間。

新鮮な魚をふんだんに使いボリューム満点、そのうえハイクオリティな料理が味わえると人気をよび、開店前に100名の大行列ができることもあるほどの人気店だ。

食堂内はよくある「港の食堂」とは大違い。
木材をいかしたおしゃれな雰囲気。
天井が高く開放的な、
まるでカフェのような居心地のよい空間。

その日の朝獲れた魚を使った刺身からフライ、煮物、
焼き物などを盛り込んだ料理はリーズナブルでボリューム満点!
写真の「本日のサービス膳」は、地魚5種盛り、
黒舌ヒラメのから揚げ、アジフライ、太刀魚のうざく風酢の物、
釜揚げしらすのせサラダ、ごはん、味噌汁、香の物で1680円!


もちろん、平塚のサバを使ったフライやしめさば、寿司などの料理も提供されているが、サバファンにはたまらないビックニュースが飛び込んだ。

2020年10月、なんとサバに特化した姉妹店「平塚漁協の工房」がオープンしたのだ。

平塚漁協の工房。
食堂からは徒歩2分、相模川沿いにオープン。

かわいい看板ネコもお出迎えしてくれる。



「食堂では、主に和食を提供していますが、こちらでは平塚のサバを使った洋風はじめ多彩な料理を楽しんでいただけます」と語るのはロコロジ代表取締役の常盤嘉三郎さん。


常盤さんは、藤沢市出身。

「湘南は美味しい魚が豊富に獲れる恵まれたエリアです」と語る。

縁あって平塚市内で「地元の魚を地元で食べる」ことをコンセプトにした飲食事業を展開してきた。

もとはビールメーカーで飲食店開発を手掛けてきた常盤さん。

その経験をいかして、食堂を繁盛店に仕立て上げるとともに、平塚市漁協の課題である「低利用魚」の活用にも取り組んできた。

低利用魚とは、知名度が低く一般的ではない、あるいはサイズが小さすぎて規格外という理由から、市場の流通にのらないために値がつかない魚。

しかし、値がつかないからといって、味に問題があるわけではない。

市場で取引される一般的な魚と同様に美味しい魚たちばかり。

食堂では、工夫を凝らして積極的にメニューに取り入れてきた。

サバにも課題があった。

出荷規格に満たないため、セリにかけても売れない「小サバ」だ。

常盤さんはこのサバを使ってラーメンを作ることを思いついた。

「小さいサバからスープを抽出することで大量に消費し、有効活用できればと考えました」と常盤さん。

当然ながら、たんに小サバを使えばいいというものではない。

絶品の味わいに仕上げるために試行錯誤を続け、たどり着いたのは「煮干し状」に加工することだった。

小サバは漁師から仕入れ次第、内臓とエラを外して24時間塩水に漬け込んでから窯で6時間干したのち、冷凍してカリカリになるまで乾燥させる。

いわば「サバの煮干し」を作ってから、じっくり煮出してスープを抽出する。

飲み干せるくらいあっさり、けれど旨みのある味わいに仕上げた。


煮干し状に加工した小サバ。


「サバに塩を入れてから干すことで、スープのコクが増すんです」と常盤さん。

とはいえ、3日がかりと大変手間がかかる。

「鯖ラーメンといえば、普通サバ節を使ったラーメンですよね。サバの風味はするけど、『これならカツオ節と昆布でいいんじゃないの?』と思うものもあります。あくまで平塚の生のサバを使って旨いラーメンを作ることにこだわりました」

完成したのは「塩さば麺」「さば辛味噌担々麺」「サバ酸辣麺」の3種類。

イチオシの塩さば麺は、ベースとなる小サバのスープにネギを加えて炊き、塩を加えたラーメンスープを使用。

具はサバの竜田揚げ、仕上げには、サバの脂に山椒を加えた香味油をプラスと「めくるめくサバ尽くし」なラーメンだ。

では、平塚のサバが1杯に凝縮された塩さば麺を、いざ実食!

塩さば麺。
半身のサバ竜田揚げと、平塚産小松菜、そして三つ葉、レモンをトッピング。


スープを飲んでみる。

うわ。

サバ!! 

グイグイ、サバ! 

サバの風味、でなくて「サバを飲んでる感じ」。

な、なんなの「このサバダク」感!! 

ドストレートにサバの味わいが口の中に押し寄せる。

スッキリしているのに、ドシッとサバの旨みが口の中を回遊する味わいにジェンヌ、動揺。

山椒の爽快な辛みがまたまたピッタリハマって、ウマい! 


「サバの竜田揚げは、ほぐしながら食べてください。スープにジワジワ旨みがしみて、『味変』が楽しめますよ」と常盤さん。

濃いめの醤油に漬けてこんがり揚げた「サバ竜田揚げ」は、お店の人気メニューでもある。


太めの麺にグッと絡むサバ(もはやスープとも言ってないし)を楽しみ、竜田揚げをホグホグすると、スープが華やかでまろやな味わいに。

サバのスープをサバで味変。

サバらしい!!


ラーメン通の間でもすでに評判となっているのが、よくわかる絶品だ。

ペースト状にしたサバで作った旨みいっぱいの辛味噌を使った「さば辛味噌担々麺」。

塩さばそぼろと野菜をたっぷり使った「塩さば酸辣麺」。


しかし、平塚漁港の工房は「ラーメン屋」ではない。

「ラーメンはあくまでメニューのひとつです」と常盤さん。

そのとおり、お店のメニューリストを開くと、サバ料理がズラリと並ぶ。

サバの刺身、しめ鯖、コンフィ、フライ、竜田揚げ、南蛮漬け、煮込み、サラダ……


わーっ!!!! 

何を選んだらいいかわからない!!!!! 

全部食べたい!!
 
発狂寸前のジェンヌに「じゃあ、これがいいですよ」と笑いながら常盤さんがすすめてくれたのは「平塚サバ食べ尽くしプレート」。

なんとサバを「刺」「焼」「揚」「飯」で食べ尽くせるらしい。

なにそれ! サバ心ときめきすぎでしょ! 

常盤さん! 

ソク、オーダーして待つことしばし。

そして目の間に現れたのは……「もりっもりなサバプレート」!


塩さばそぼろ飯を埋め尽くす、炙り刺身、サバのコンフィ、サバのフライ!!

見てのとおり、サバだらけ!

「平塚サバ食べ尽くしプレート」。
まったく見えていませんが、下は塩さばそぼろ飯。
サラダもたっぷり。そして驚くほどのボリューム!



そしてデカい!! ド迫力! プレート直径30センチくらいあるんですけど……。

ジェンヌ「常盤さん、これ1人分ですよね」

常盤さん「ええ(笑)」

どうみても2、3人分。お値段1360円。

ミラクル。

そして、またも悩むジェンヌ。

ジェンヌ「あの……これ、どんなふうに食べたらいいんでしょう……???」

常盤さん「まずは、トッピングを少しずつ食べてみてください」。

なるほど。

というわけで「炙りサバ刺身」から。

厳選した大型のマサバの刺身をサッと炙ってある。

にじみ出るとろりとした脂にうっとり。

でも後味がシュッとさわやか。

湘南の風が吹き抜けるような、平塚のサバの美味しさをうっとり堪能。

炙りサバ刺身。
アニサキス処理済みで安全。
わさびじょうゆではなく、
ゆずこしょうがぴったり。
サバの美味しさが消えることなく
華やかでグラマラスな味わいに。


続いて「サバのコンフィ」。

「塩と砂糖をうって余分な水をぬいてから、水を入れる」という「保水仕上げ」したサバを、ローズマリー、ニンニクなどといっしょに真空で低温調理したコンフィは、驚くほどやわらか。

ローズマリーのほのかな後味が麗しく、ゴキゲンな一品だ。

ワインくれー!と叫びたくなる
「サバのコンフィ」。


フライもサックサクに揚がっているのに、サバはしっとり、ジューシー。

衣の中で身がふわっと躍る絶品! 

特製のトマトソースとタルタルソースが添えられ、ふたつの味わいで楽しめる。

「サバのフライ」。 
サクサクジューシー。


「どちらもつけて『合わせ技」で食べると美味しいですよ」と常盤さん。

試してみる。

とろっと&さわやかな味わいになって美味しい!

サバのフライに、
トマトソースとタルタルソースを合い掛け。
「オーロラソース風」になると
またまた美味しい!


さらに、塩さばそぼろご飯を食べてみる。

サバの身を塩味のそぼろに仕上げて、サバの削り節、ネギ、ごま、サバの脂とともに炊き立てのごはんに加えて混ぜ込んだ「サバたっぷり」なご飯は、あっさりしたチャーハン風。

サバの旨みにおぼれる味わいだ。

塩さばそぼろご飯。
塩さばのそぼろは、テイクアウトで
「さばめしの素」として販売中。


ひととおりトッピングを食べたところで常盤さんから指導が入った。

「さて、そろそろトッピングをほぐして、ご飯と混ぜて食べてみてください」

ど、どうほぐすんでしょうか……。

常盤さん……。

「混ぜご飯のように混然一体に! だからスプーンを出してます」

はっ。

たしかにスプーン。

「刺身もフライもコンフィも、サラダも、トマトソースもタルタルソースも全部タコライス風に混ぜちゃってください。『まぜまぜ』がいいんですよ」と常盤さんがニヤリ。


は、はい。

まぜまぜ。

まぜまぜ。

「まぜまぜ」完了。
これ、サバ好きにはたまらないです。


ん、んんん。

フレッシュな刺身とフライのサクサクが混ざって……。

ソースと塩さばそぼろとコンフィのローズマリー感が混ざって……。

そこに、エンダイブやカボチャなどのサラダが混ざって……。

新たな美味しさ!!

いうならば「サバのカオス飯」は、なんだかめっちゃ楽しくてウマい!


それにしても、なんて楽しくて美味しい「サバのアミューズメントパーク」のようなひと皿なんでしょう!(涙)


平塚のサバを、これでもか! というほど楽しく味わえる湘南のサバ名所は、昼から夜まで通しで営業しているのでサバランチ、ふらっと鯖ラーメン、早めの時間からサバつまみで一杯と、多彩に満喫できるのも魅力。

そして屋上デッキはオーシャンビュー! 

平塚漁港の工房の屋上デッキ。
三浦半島が一望できる。


絶好のロケーションで、サバらしいひとときを。

★平塚漁港の工房
お弁当やお惣菜などのテイクアウトも充実。限りなく浅く締めたサバを炙った刺身感いっぱいの「地サバ鯖寿司」も超おすすめ。
https://tabelog.com/kanagawa/A1404/A140407/14054732/

★平塚市漁業協同組合
https://www.jf-hiratsuka.org/







池田陽子(いけだ ようこ)
サバファンの集い「鯖ナイト」や、日本中のサバ好きが集まる「鯖サミット」などの活動を担う「全さば連(全日本さば連合会)」広報担当/サバジェンヌとして活躍。本業は薬膳アテンダント/食文化ジャーナリスト。著書に『ゆる薬膳。』(日本文芸社)、『缶詰deゆる薬膳。』(宝島社)、『春夏秋冬ゆる薬膳。』(扶桑社)、「ゆる薬膳。」はじめたらするっと5kgヤセました!(青春出版社)、『サバが好き!』(山と渓谷社)など。

このグルメ記事のライター
池田 陽子@まとメシ

サバファンの集い「鯖ナイト」や、日本中のサバ好きが集まる「鯖サミット」などの活動を担う「全さば連(全日本さば連合会)」広報担当/サバジェンヌとして活躍。本業は薬膳アテンダント/食文化ジャーナリスト。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
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