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吉祥寺の秘境は、珍しい中国茶を販売するあそこだよ、の件

私の雑居ビル飲食店愛はかなり深い(連載第7回を参照)。
そして、2017年5月に末広通りの入り口付近の雑居ビル前で発見した『S茶房』の看板……。
雑居ビルの3Fである。
入りづらい、マジ入りづらい……。
しかし、好奇心には勝てずに勇気を出して入ってみると……。
あら?
店内はすごく明るくて、店主はなんだかフレンドリー。
どうぞ、とていねいに案内されると、そこは中国茶販売の店でした。
もっと魔窟のような喫茶店というイメージだったが……。
試飲スペースに腰かけると、「飲みたいお茶があったら、どんどん言ってくださいね!」と言われ、中国茶の一覧に目を落とすと……。
そこには見たこともない世界が展開されていたのであった。

『百年 紅岩茶』って何? 100年……?
『野生古樹紅茶』は樹齢500年とか書いてあるけど、何ですかこれは?
中国の雲南省にある野生の紅茶の木が樹齢500年で、その茶葉が今、吉祥寺にあって、私が飲んでいるんですか……!
なんだか、雄大すぎてめまいがする。そしてワイルドな風味で美味しいよ……。
キミたち、遠くからよく来たね……、
そんな気持ちになって、なんだか感動が襲ってきた。
あとこの樹齢800年って……!
みたいな展開が延々続く……。
ここは秘境? 吉祥寺だけど秘境ですか?

イラスト/スタジヲワンツー

珍しくて、貴重で、激レアなお茶が集い、試飲できる店、そこが「秘境」!

実は、この店の中国茶はとっても珍しく、貴重なものがそろっているのであった。
しかも、それが惜しげもなく試飲できるのである。
商売として成立しているのだろうか? とふと不安になるおっさん女子……。
さらに、中国茶試飲用にお菓子まで作っているようで(オリジナルの特別発注)、もちろんお菓子も無料で、お・も・て・な・し。
思いがけないおもてなしに、なんだか、ほのぼの&ほっこり。
しかも、ほかのお客さんが試飲したいと希望したものを、その場にいる他のお客さんにもシェア。
私はぐびぐび試飲し続け、気が付いたら2時間くらいたっていましたとさ。
時空が歪んでるよ、この店は……。
もしかして、秘境? 吉祥寺だけど、私、地元民だけど、ここって秘境?
しかも、店主のトークが楽しく、おひとり様&ぼっちでも全然OKな雰囲気。
ちなみに店名になっている◎◎ってどういう意味ですか? と聞いたら『◎◎っていうのは、“お姉さんのような”美人のことを中国語で青眉、蛾眉っていうんです。
中国では眉の形が美人の象徴なんですね』と語る。
ちなみに“お姉さんのような”とは、わたしくのこと。
おっさん女子のことである。店主はトークが冴えてるよ……(涙)。
お気遣いありがとう。
さすが客商売……。

秘境体験の入門編として? 秘境の中に「プチ喫茶」。

中国茶は、20gからの量り売り。
ちなみに20gだと、お茶のポットで4~5回分。
しかも、その場で量って袋にパウチしてくれるんだけど、これが気前のいいお惣菜屋さんを彷彿とさせる量りっぷり。
ちょっとオーバーしちゃってるけど、じゃあこれで20gね! みたいな(笑)。
けっこうオーバーしてましたけど……。
商売的には大丈夫なんですか……?
頼めば、「20gを10gづつ2袋に分けて……」みたいなパウチにも対応してくれるので、友達にプレゼントとか、ちょっとした手土産にもおすすめ。
あと、水中花みたいな『菊茶』『薔薇茶』などもあって、若い娘さんへのプレゼントにすると、モテる気がする(自己責任でどうぞ!)。
私は、吉祥寺在住の知り合い女子に『菊茶』をおすそ分けしたら、後日この店の『野生古樹紅茶』がお返しに帰ってきた。わらしべ長者のようです……。
そして最近、プチ喫茶も開始している模様。
ウーロン茶+お菓子で500円だ。
とりあえずお店の中に踏み入ってみたい人にはおすすめ。
さらに、ちょっと間をあけて、店に行ってみると、また見たことのない中国茶が!!!
あの店主、たぶん本当の秘境に、買い付けに行っているな……!

天野七月/あまのななつき
ライター&ときどきエディター。吉祥寺在住、ざっくり30年くらい。基本おっさん女子、たま~に乙女マインド。いつも吉祥寺をふらふらしています。ちなみに無芸大食。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部
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