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阪急京都線「京都河原町」駅から歩いて1分ほど。京都市の高瀬川に沿って走る西木屋町通りにひっそりと佇む『フランソア喫茶室』は、豪華客船を思わせるインテリアが魅力的な老舗喫茶だ。かつては作家の太宰治(1909~48年)や画家の藤田嗣治(つぐはる、1886~1968年)などの著名人も訪れ、文化人が集うサロンとしても親しまれていたという。タイムスリップしたような空間で味わう、魅惑のプリンとは?

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国の登録有形文化財にも指定された、京都の名喫茶

京都の老舗喫茶といえば、必ず名前にあがるのが1934(昭和9)年に誕生した、ここ『フランソア喫茶室』だ。

創業者は立野正一(たての・しょういち)。2003(平成15)年に喫茶店で初めて国の登録有形文化財にも指定されたことから、「京都三大喫茶」のひとつとも言われ、京都の喫茶文化を語る上で外せない存在となっている。

豪華な彫刻や複雑な曲線を取り入れた、イタリアン・バロック様式を意識した店内 画像提供:フランソア喫茶室

客船のホールを思わせる豪華絢爛なインテリアの店内

店内に一歩踏み入れると、赤いビロードの椅子や絵画がずらりと並ぶクラシカルな空間が目の前に広がる。インテリアは、1941(昭和16)年に大改装した時のデザインを守り続けているという。立野の友人であり、当時の京都大学に留学していたイタリア人アレッサンドロ・ベンチベニや画家の高木四郎ら若手芸術家たちが手がけたそうだ。イタリアン・バロック様式を基調に豪華客船のホールをイメージして作りあげた。

建築やインテリアは若手芸術家たちが手がけた 画像提供:フランソア喫茶室

店内中央のドーム状の天井は、まさに客船のホール。美しい尖塔アーチ状のステンドグラス窓は、高木が手がけたそうだ。 今もなお、当時と変わらない姿のままの煌びやかな空間が残されている。

思わず目を引く、尖塔アーチ状のステンドグラス窓
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電気蓄音機を取り入れ、名曲喫茶を目指した
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中村友美
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