「天ぷらは揚げ手の心が表れる」とは創業92年の看板を守る店主、鈴木さんのお言葉。刻々と変わる素材、衣、油の状態を把握し、常に同じ仕上がりになるよう仕事を施すのが先代からの教えだ。
画像ギャラリー※コロナ禍で外食が自粛・縮小されている状況ではありますが、ぜひ知っておいて欲しい飲食店を、ご紹介しております。
てん婦羅 天寿ゞ(最寄駅:御徒町駅)
ブレない仕事と家伝の技法が極上の天ぷらを生む
鍋前の自身の姿が「父に似てきた」と笑うが、それは受け継がれる技が体に染みついた証だろう。もちろん素材のこだわりもそのまま。特に穴子は基本的に羽田沖の江戸前と決めている。衣は厚過ぎず薄過ぎず、素材がうっすら透けるいい塩梅。油はふたつの鍋を使い分け、エビの香りが強く出るかき揚げは専用の鍋を用意する徹底ぶりだ。血合いを含む亀節の削りたてを使う奥深い天つゆもこの店の特長。江戸っ子、鈴木さんの所作と接客を楽しむならカウンター席を予約しよう。
天ぷらAコース(内容は仕入れで変わる)
5500円
左から穴子、ミョウガ
左から、インゲン、きす、巻海老2本
300円~(上から時計回りに、穴子 1000円、アスパラ 300円、キス 400円、イカ 400円)
小巻海老のかき揚げ(Bコース 6600円の1品)
お店からの一言
「使う道具もほぼ昔のまま。生け花など店内の季節感も大事にしています」
てん婦羅 天寿ゞの店舗情報
[住所]東京都台東区上野2-6-7 [TEL]03-3831-6360 [営業時間]11時半~14時、16時半~21時(20時半LO)※ランチタイム有 [休日]水 [席]カウンターあり、全31席/全席禁煙/予約可(土・日・祝の昼は12時までの入店のみ)/カード可/サなし、お通し代330円別 [交通アクセス]地下鉄銀座線上野広小路駅・都営大江戸線上野御徒町駅A3出口から徒歩1分、JR山手線ほか御徒町駅北口から徒歩5分
撮影/大西尚明 取材/肥田木奈々
2020年5月号発売時点の情報です。
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