「煮玉子しんじょう」で知られる新潟の老舗蒲鉾店「竹徳かまぼこ」には、ほかにも食欲をそそられる逸品がそろっています。中でも気になったのが、日本海の香りを濃厚に漂わせる「もずく天」です。
画像ギャラリー日本海に育まれた海の幸
新潟県のアンテナショップ「表参道・新潟館ネスパス」(東京・神宮前)のイベントスペースに「竹徳かまぼこ」が限定出店された時、各種しんじょうなど15種類の商品が並んでいました。人気ナンバーワンの「煮玉子しんじょう」(税込み378円)にどうしても目がいきがちですが、次に興味を引かれたのが「もずく天」(税込み378円)。もずくを使っている点が珍しいと思ったのです。店員さんに聞くと、15種類の中では一番新しく、数年前に商品化されたばかりといいます。
後日調べると、もずくを練り込んだ蒲鉾は、他の蒲鉾店でも販売されています。ですが、これまで意識したことはなく、もちろん食べたことがありません。店員さんの説明によると、竹徳かまぼこのもずく天は「佐渡の天然岩もずくを使っています。佐渡は、もずくが有名です。岩もずくは、歯応えがあって、しゃきしゃきしているのが特徴です」とのことでした。「佐渡の天然岩もずく」というキーワードに想像力が刺激され、豊かな海の幸を育む日本海の光景が頭に浮かびました。これは、食べずにはいられません。
厳選された旬の食材 独特の粘りと食感
佐渡の天然石もずく(岩もずく)は、地元の人曰く「普通の花もずくは細いですが、石もずくはちょっと太め。6~7月に沿岸部の水深3~10mあたりでとれます。天然もずくは貴重です」。佐渡の代表的な海産物のひとつです。
竹徳かまぼこのホームページによると、もずく天は「厳選された旬の素材を練り込んだかまぼこを香ばしく揚げた」という「揚げかま」の中の一品。「石臼でイトヨリダイのすり身と練り合わせる」ことで、独特の粘りともずくの食感が際立つそうです。
「そのままでも美味しく召し上がれます」というので、調味料は用いず、常温で食べてみます。弾力があってちょうどいい歯応え。魚の旨味が凝縮されていて、味がしっかりついています。このままでも充分な美味しさです。揚げているので、油分がリッチな味わいを演出しています。肝心のもずくですが、プチプチした食感とほどよいヌメリ感がいいアクセントになっています。豊かな海の恵みを感じる一品です。
淡麗辛口の地酒と合わせる
白いご飯のおかずにも合います。醤油やポン酢を垂らしてもよいですが、何もつけなくても、ちょうどいい味の濃さです。これは、箸が進みます。
何と言っても、酒の肴に最適です。合わせたのは、新潟の銘酒「八海山 純米大吟醸」。淡麗辛口のお酒が、口の中に残った揚げかまの油分をいい具合になじませ、芳醇な味わいを醸し出します。うん、うまい!!
「竹徳かまぼこ」の店舗情報
竹徳かまぼこは創業1930年頃の老舗蒲鉾店。新潟県内7カ所と東京都内1カ所(日本橋三越)の計8店舗を展開しています。新潟市の中心部にある本社工場直営店は主に業者向けの販売で、市内では新潟駅ビルや新潟伊勢丹などにも店舗があります。
【本社工場直営店】
[住所]新潟市中央区東堀前通11-1775
[電話]025-222-0223
[営業時間]11時~17時
[休日]日曜・祭日・市場休み定休
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