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コロナ禍において、飲食店が様々なスタイルを取り入れ、攻めの姿勢を見せています。福岡・大濠公園の人気店『焼き鳥 鳥次』、『水炊き橙』が新たに仕掛けたのは、二毛作。昼はラーメン店、夜は鳥料理をメインとした飲み屋です。すでに評判を呼んでいるお店へ行ってきました。

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福岡の鶏の名店が手がけるラーメン

2020年12月10日にオープンした『中華そば名門』は、ほとんどPRしていなかったにもかかわらず、初日から行列ができるほど話題となった。

というのも、この店は鶏料理で評判の高い、『焼き鳥 鳥次』、『水炊き橙』に続くグループ3店舗め。

福岡の焼き鳥についてちょっとひと言。

福岡の焼き鳥は鶏に限定しない店がほとんどだ。牛肉や豚肉、海鮮のホタテやエビ、野菜も盛りだくさん。豚バラ肉やベーコンで巻いた野菜まで、メニュが豊富だ。福岡では、焼鳥の人気メニューは豚バラというのは有名な話。

そんな福岡にあって、『焼き鳥 鳥次』は、鶏だけの焼き鳥屋として人気を博している。鶏は1羽丸ごと店でさばくので、希少部位なども食べさせる。ネタに合わせた絶妙な焼き加減や味の妙は、鶏料理の奥深さを感じさせる名店である。

次いで『水炊き橙』は、さらに鶏をさばく上で出てくる鶏ガラから取った極上のスープが命。旨みたっぷりの澄んだスープは、野菜を入れると味の深みを増していく。両店は、ミシュランガイド福岡版でビブグルマンに選ばれた

鶏の旨みが生きる3種のラーメン

スープの旨さを生かしたラーメンとなれば、期待は高まる。

店は、渡邉通から一本入った路地にある。小さな暖簾がかわいい店の入り口からはガラスを通して、カフェのような、すっきりした店内が見える。

『中華そば名門』内観

店に入ると、カウンターの奥にテーブル席があり。意外に奥行きがある。

『中華そば名門』テーブル席

ラーメンは大きく分けると3種類、醤油ラーメン、鶏煮干しラーメン、醤油つけ麺。これに卵、チャーシュー、メンマなどのトッピングを組み合わせ、自分なりにアレンジするのだ。

醤油ラーメン(750円)

キホンのキとなる醤油ラーメンはとにかくスープの旨みに驚く。しかし、見た目の色ほど醤油の主張は強くない。それでいながら、味わっているとしみじみ豊かな風味が感じられるのだ。

ミツル醤油の「生成り、」

福岡県西部に位置する、小さいが全国的に注目されるミツル醤油の木だる仕込みの醤油を使用。特別に火入れせず、香りを大切にするために店でも火入れはしていないそうだ。

スープ

続いては、煮干し醤油ラーメン。スープは、煮干しの香りがガツンと強く個性が光る。それでいながら、後味はすっきりだ。

鶏煮干しラーメン(850円)

「見た目は濃いようで後味はすっきりするようにしています」と、店長の橋本正太さん。後を引くスープだ。

店長の橋本正太さん

つけ麺は、麺のボリュームもたっぷり、食べ応えがあるが、スープは、一般的なつけ麺より澄んでいる印象だ。

一見すると薄いかなと思うが、味わいはしっかりして豊か。酢など、調味にも食べ飽きないように工夫を重ねているそうで、輪郭のはっきりした味は、最後のひと口まで味わえる。

特製つけ麺(1050円)

また、スープが残ったら、白ご飯(別料金)を入れるか、鶏スープを加えてもらうこともできるから、楽しみ方はいろいろだ。

同じ鶏ガラスープをベースにしていながら、それぞれ味わいが違うので全部味わってみたくなるだろう。

スープと相性がいい自家製麺

ラーメンは麺も重要だ。「どんなに美味しいスープでも、麺で台無しになることもありますからね。スープに合う麺づくりにはとにかく苦労しました」と橋本さん。

店内にある製麺機

試作を幾度も繰り返し、調整を重ね、現在の自家製麺が出来上がった。

小麦は、北海道産の「ゆめちから」。スープとバランスのとれた、小麦の香りや風味を生かした麺づくりが実現した。

食べてみると、モチっとした食感で、従来の博多ラーメンの麺とは異なる印象だ。新たなスープと麺との出合いは、ラーメンファンにとって楽しいひと時だ。

スープとバランスのとれた、小麦の香りや風味を生かした自家製麺

さて、麺との出合いもうれしいが、ここで食べておきたいものが、「ミニそぼろ丼」だ。

これは、『焼き鳥 鳥次』のシメの人気メニュー。しっとりしたそぼろが美味しくて、注文必須だ。

ミニそぼろ丼(350円)

『中華そば名門』は、昼のみの営業で、夕方17時からは『とりの名門』になる。ここからは、ラーメンが醤油ラーメンのみとなるが、代わりに気軽につまめる鶏料理がメニューに連ね、好みの酒を一杯飲みながら過ごせる憩いの場となる。

■『中華そば名門』
[住所]福岡市中央区渡辺通5-14-21
[電話]092-775-8625
[営業時間]11時半〜17時
※『とりの名門』は17時〜24時

取材/牛島千絵美 撮影/松隈直樹

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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