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山形県内の蕎麦屋で提供されている知る人ぞ知るグルメに「鳥中華」があります。鶏肉を使い、和風出汁のスープで中華麺を食べる新感覚のラーメン。そのインスタント麺が大人気です。

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蕎麦屋から生まれた“ラーメン”

鳥中華は、山形県天童市にある1861年創業の老舗「天童 手打水車生そば」が発祥とされています。同店のホームページによると、「もともと自分たちのまかない食として、蕎麦に使う和風だしと鶏肉を使って食べていたラーメン」だったそうです。40年ほど前に近所の人の要望を受け、一部の客に提供する裏メニューに。それが大ヒット商品になったということです。

鳥中華は、今や山形県内の多くの蕎麦屋で提供されている人気のご当地グルメになっています。家計調査によると、山形市は1世帯当たりの「中華そば(外食)」の年間支出額が、全国の県庁所在地と政令指定都市の中で、8年連続でトップ。ラーメン好きという県民性も影響して、蕎麦屋のメニューでも定着していったのでしょう。

人気のみうら食品「鳥中華」 巣籠り需要も影響し、売り上げは10倍

みうら食品の大ヒット商品「鳥中華」

この山形発祥の名品が、インスタント麺で手軽に味わうことができます。山形県東根市の「みうら食品」が製造・販売する「鳥中華」(2食入り税込み324円)です。

鳥中華とは、この商品パッケージに記載されているように「そば屋さんのそばつゆをベースにした鶏味の和風中華そば」。鰹風味の効いた蕎麦つゆに、鶏の出汁を加えた醤油味のラーメンスープをあわせたものです。

みうら食品の担当者によると、麺には特にこうでなければならないという定義はないそうですが、同社の商品は「中太ストレート麺」。一般的なインスタントラーメンには「ちぢれ麺」の印象がありますが、「私どもは乾麺のメーカーです。和風スープに合うように、もちもち感があってコシのある麺を、このために開発しました」とのことです。

2009(平成21)年8月に発売。当初は、道の駅などでお土産品として販売していましたが、ご当地グルメブームにのって人気商品に。2020年はテレビメディアで春先に取り上げられたことや、コロナの巣籠り需要も影響して、前年比10倍となる約50万袋を売り上げました。同社の中で「断トツの人気商品」(担当者)です

山形県のアンテナショップ「おいしい山形プラザ」の特産品販売ランキングでベスト10入り

この鳥中華は各種通販サイトで“お取り寄せ”ができます。東京都内の実店舗では、山形県のアンテナショップ「おいしい山形プラザ」で販売されており、売上人気商品ベスト10の2021年4月ランキングで第6位。根強いファンを持つ商品です。

鶏肉、揚げ玉、きざみ海苔……お好みの具材をトッピング

ゆで時間は約5分半

実際に調理してみます。麺のゆで時間は約5分半。麺の一束は90gです。沸騰したお湯にばらして入れて、箸で静かにかきまぜます。

ゆでている間に、添付のスープを丼に入れます。熱湯300ccを注ぎ、スープを作ります。麺がゆであがったら、素早くお湯を切り、スープの入った丼に移します。鶏肉のほか、揚げ玉、きざみ海苔、長ネギ、ほうれん草など、お好みの具材をトッピングして出来上がりです

スープを用意します

和風の蕎麦つゆ味が麺に合う

湯気が立ち上る熱々の丼をかかえ、まずは香りを吸い込みます。和風出汁の上品な香りが鼻孔をくすぐります。そして、スープを一口。鰹出汁が効き、鶏の旨味も凝縮された深みのある味わいが口の中に広がりました。ちょっと甘めなところが、“和風”を感じます

鳥中華のために開発されたこだわりの麺は、たしかに、つるつるでもちもち。インスタントとは思えない本格的な食感です。スープがこの麺によくからみます。うん、うまい!!

2種類のテイストが楽しめるリーズナブル感 「揚げ玉」と「コショウ」で印象が変わる

揚げ玉が、美味しさのポイント

温かい蕎麦なら七味や一味が妥当なのでしょうが、通常のラーメンを食べる時のように、コショウをかけてみます。ブラック、ホワイト、ピンク、グリーンのペッパーを粗びきしたものです。みうら食品でも、黒コショウを振りかけることをすすめています。

これが、当たりでした。コショウを加えることで、ラーメン感が一気に増しました。とても、とても美味しいです。

揚げ玉(みうら食品のおすすめトッピングのひとつ)の存在も大きな特徴です。これが入っていることもあって、食べ始めは、お蕎麦のような感覚が勝ります。それが、少し食べた後でコショウをふると、ラーメンの印象がぐっと強まりました

蕎麦でもあるし、ラーメンでもある―――。鶏中華は、このふたつのテイストが同時に楽しめるリーズナルブルな絶品ご当地グルメです。

「おいしい山形プラザ」の店舗情報

おいしい山形プラザ

1F特産品販売コーナーでは、麺類や畜産加工品、農産物、お菓子、地酒など約1000種類の特産品が並んでいます。

[住所] 東京都中央区銀座1-5-10ギンザファーストファイブビル1F・2F
[電話]03-5250-1752(特産品販売コーナー)
[営業時間]10時~19時(特産品販売コーナー) ※営業時間は異なる場合があります
[休日]年始
[交通] JR有楽町駅京橋口から徒歩約5分、地下鉄有楽町線銀座一丁目駅から徒歩約1分、地下鉄銀座線京橋駅から徒歩約4分、地下鉄日比谷線・丸ノ内線銀座駅から徒歩約6分

撮影・文/堀晃和

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部 堀
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