東京イチ古いソースメーカーが工場に自販機を併設
以前、「変わった自販機を探しているんですよ」と、弊誌の編集長に言ったことがあった。
それを覚えてくれていたのか、ある日スマホのショートメールに一通のメッセージと写真が届いた。それが「ソースの自動販売機」。
ダシの自販機をよく見かけるけど、ソースは見たことがない! ということで、向かったのが東京都北区滝野川にある「トキハソース」。
こちらは大正12(1923)年に創業した、東京で一番古いソースメーカー。自販機は、工場直売所の入り口に設置されている。設置されたのは2018年6月。
直売所が平日の日中しか営業していないため、休日や仕事帰りなどの夜間に購入したいというお客様の要望が多くあったことが理由だそう。
東武東上線の北池袋駅から歩いていると、遠方に自販機の姿を発見。ここだな。すでに先約がいたので、工場周りをぐるり。
アクセスはその北池袋駅を含む3つの駅からいずれも徒歩9分。西巣鴨駅側から来ると壁面に「ソースの自販機まであと●歩」という標識(?)が貼られていて、期待感を煽ってくれる
そして板橋駅からのアクセスで通るであろう工場の入口側には、トキハソースの掲示板が貼られている。そこにはソースの詳細や「毎週水曜日は瀧野川やきそばの日」(気になる……)などの情報が書かれていた。
こういうちょっとした遊び心や気配りから、お客さんへ真摯に向き合う姿勢が伝わってくる。
【購入】生ソースに高級な「特選」。気になる商品をゲット
さて、自販機。トキハソースのロゴが水玉模様に張り巡らせ、なかなかかわいい筐体に、ウスター、中濃、濃厚の生ソース3種をはじめ、様々なソースがイン。しかし、直近にテレビ番組で取り上げられたようで、売り切れもちょこちょこある。
工場直売所併設だけあって、直売価格!! これはうれしい。
まず購入したのが、おすすめ商品「生ソース」の「中濃タイプ」(200ml 400円/通常540円)。新日本プロレスの本間朋晃選手の技「こけし」の如く、ボトルがボトンと落ちてきた。
せっかくなので、もう1種類購入。
生ソースのウスターが売り切れだったので、同じウスターの「特選」。工場直売価格でも300ml 750円(通常864円)のソースとしては高級な一本だ。絶対美味しいだろう。
【実食】これまでのソースの印象を覆す濃厚さ
これらを持ち帰って食卓で使ってみた。
TKGに高級「特選」!! 好相性ぶりに驚き
工場にあったリーフレットに掲載されていたのが、「特選」をTKGにかけている写真。
TKG好きとしては気になる! ってことで実践。醤油と違い、野菜や果物の甘味があり、味に広がりが出た。とはいえ、濃いめの仕上がりにはなるので、毎回これで食べるとくどくなるけど、たまに食べるのは大あり!
パンフレットに書かれた「ソースで美味しい発見。」は伊達じゃない。ホントに発見だった。
「特選」は、タンクの底に沈殿した生野菜と香辛料のエキス「オリ」をふんだんに使用。そこに、ウスターソース、酢、砂糖、スパイスなどを再ブレンドし、熟成させている。濃厚なコクはこうして生まれているのかと納得。
中濃の生ソースはフライにかけて旨みを堪能
続いて、生ソース。こちらは、2代目社長・坂田実さんが「野菜の旨みを引き出した美味しいソースを作りたい!」という思いから、東京都ソース工業協同組合、東京都立食品技術センターのコラボレーションにより、長い構想期間を経て辿り着いた味。
原料に熱を加えて作る従来の製法と違って、野菜を酵素分解して作る非加熱製法。野菜のエキスが丸ごと入っている。
こちらはシンプルにとんかつにかけて食べると、果実や野菜の甘みがしっかり感じられた。程よい酸味で後口もスッキリ!! もちろん、付け合わせのキャベツにかけても相性バツグン。
HPによると、野菜を酵素分解して作られているから時間がたった方が熟成されてより美味しさが増すそう。賞味期限が2年と長いのはそういう理由なのかと合点がいった。
普段使っている中濃ソースとはまったく印象が違って、ちょっと衝撃的だった。
自動販売機は、埼玉県志木市の工場にも自販機があります。埼玉の方はそちらをどうぞ!!
今後も本誌掲載の自動販売機記事の拡大版を公開します。お楽しみに!!
[住所]東京都北区滝野川7-39-8
[電話番号]03-3916-7181
[交通]東武東上線北池袋駅、JR埼京線板橋駅、都営三田線西巣鴨駅から徒歩9分
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。