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東京オリンピックも佳境を迎え、アスリートたちがそれぞれのフィールドで躍動しています。競技そのものへの注目は勿論、また一方でアスリートを支える「食」にも関心が高まっています。 老舗かまぼこ店の「鈴廣かまぼこ」(神奈川県小田原市)が、サッカー日本代表DFの長友佑都選手(34)が代表を務めるCuore(クオーレ)とタッグを組み、「魚肉たんぱく同盟」を20年12月に発足させ、6月に商品発表と合わせたイベントを開きました。自身も少年時代からサッカーに熱中していたという鈴廣の11代目で、かまぼこの魅力を伝えたいと奔走する鈴木智博常務(32)の呼びかけがきっかけです。

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平安時代から食べられてきた「かまぼこ」

「魚肉たんぱく同盟」発足会見の写真(鈴廣蒲鉾本店提供)

かまぼこが平安時代の文献に登場したのが約900年前といわれています。日本の伝統食とサッカーのコラボレーションはどのような取り組みなのでしょうか?

「魚肉たんぱく同盟」は、化学調味料・保存料不使用を徹底し、完全天然素材のおいしさを極める老舗かまぼこ店の鈴廣と、世界の第一線でプレーしながら2022年ワールドカップを目指す長友佑都選手と、長友選手の専属シェフを務める加藤超也さんが「魚肉たんぱくの魅力を一人でも多くの人に伝えていく」というプロジェクトです。発足に合わせて、良質なたんぱく質が手軽に摂取できる「フィッシュプロテインバー 挑・蒲鉾(ちょう・かまぼこ)」の発売もクラウドファウンディングサービス「makuake」で始めました。

長友選手と同じ志で魚肉たんぱくの優位性を世に広めたい

「フィッシュプロテインバー 挑・蒲鉾(ちょう・かまぼこ)」は1本15g以上のタンパク質が摂れ、天然素材・ノンケミカルで消化に優れた高タンパク商品。運動前後の栄養補給・補食などのスポーツシーンだけではなく、家庭の食卓でも手頃に美味しく食べることができる(鈴廣蒲鉾本店提供)

「魚肉たんぱく同盟」は鈴木常務が、4年前に長友選手の密着ドキュメンタリー番組を見たことがきっかけ。「長友選手の強靭な体づくりは食にあることを知りました。魚由来のたんぱく質であると知り、同じ志をもって、ともに魚肉たんぱくの優位性を世の中に広めていけると思いました」(鈴木常務)

長友選手はケガの防止や体の調整のため、糖質を管理しながら魚中心の食生活にする「ファットアダプト食事法」と呼ばれる食事法を採用しています。鈴廣かまぼこのこだわる「天然素材、化学調味料・保存料不使用、そして6~7匹の魚を使った高タンパクなかまぼこ」というコンセプトが合致したといいます。

鈴木常務自身も5歳からサッカーをはじめ、25歳まで社会人リーグでプレーしていました。鈴木さんと同様に魚肉たんぱくの重要性を体で理解し、世界を舞台に体を張って活躍する長友選手なら、かまぼこの魅力を伝えてくれると感じたそうです。そこから3年後、知人を介して長友選手と出会い、鈴廣の商品のこだわりなど熱い気持ちを伝え、プロジェクトの実現に繋げることができました。

慶応元(1865)年創業の老舗・鈴廣

鈴廣は城下町小田原に本社を置くかまぼこの老舗です。小田原・箱根のお土産といえば鈴廣のかまぼこ、というイメージを持たれる方も多いでしょう

しかし、鈴廣はかまぼこを単なる美味しいお土産としてだけでなく機能的な面でも魚肉たんぱくが優れていることを証明するため、活動を続けてきました。今回の長友選手とのプロジェクト以前から「魚肉たんぱく研究所」を立ち上げ、魚肉たんぱくの優れた働きについて分析し、データを収集、魚肉たんぱくの持つ長所や、魅力を発信する機会を模索していました。長友選手との出会いが、スポーツを切り口にした新たなチャレンジになりました。

「スポーツ×かまぼこ」という取り組みは一見、異色に思えますが、鈴廣はこれまでも箱根駅伝や大相撲への協賛、湘南ベルマーレのクラブオフィシャルサポーターを務めるなど、スポーツへのかかわりが強く、違和感なく今回のプロジェクトをさせることができたと言います。

おいしくて機能的!オリンピック代表選手も取り入れる

オリンピック7人制ラグビー日本代表の藤田選手(魚肉たんぱく同盟HPより)

魚肉たんぱく同盟には長友選手の他、オリンピック7人制ラグビー日本代表の藤田慶和選手や陸上女子100メートルハードル代表の寺田明日香選手ら様々なジャンルのアスリートも参加し、魚肉たんぱく同盟のHPで、自身のかまぼこの取り入れ方や、その魅力についても発信しています。

「消化が早く、試合に向けて体に負担をかけない」「手軽にそのままでも食べられるし、料理にも合わせられておいしい」など、アスリートの間ではかまぼこの評判も上々。鈴木常務は「次のオリンピックを目指す若いアスリートにもかまぼこをぜひ取り入れてもらえたら。」と期待を寄せます。

オリンピック陸上女子100メートルハードル代表の寺田選手(魚肉たんぱく同盟HPより)

アスリートだけじゃない!かまぼこはたんぱく質不足な日本人の強い味方

厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、年々、日本人の食肉の摂取量が増えている一方で、魚介の摂取量は減少しています。それに伴い、脂肪の摂取量も増え、たんぱく質の摂取量は減っています。

たんぱく質は体内に入ると、アミノ酸に分解され、筋肉や肌、髪、爪など体の大部分を構成する栄養素となりますが、不足すると免疫力や、内臓の機能も低下していきます。最近よく言われている「フレイル(加齢により心身が衰えた状態)」と呼ばれる状況に陥ってしまうのも、たんぱく質不足が原因のひとつといわれています。

オンライン取材に応じる鈴廣蒲鉾本店の鈴木智博常務

アミノ酸は全部で20種類ありますが、そのうち9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、体内では作られず、食べ物からしか摂取できません。かまぼこは、この9種類をバランスよく含んでいます。日本人の“高脂肪・低たんぱく“傾向について「魚肉たんぱく(低脂肪で良質なたんぱく質)が解決していけるのではないか」と鈴木常務は言います。

「かまぼこ作りは、たくさんの魚を獲り、たくさんのエネルギーを使います。環境的な負荷をかけていただいた恩恵を無駄にせず、人や環境を健やかにしていきたいです」(鈴木常務)

かまぼこはアスリートのみならず、日本人の栄養状況を改善する救世主になる――。
鈴木常務は小さなかまぼこに大きな夢を持っています

東洋医学に「医食同源」という言葉がありますが、普段の食事の摂り方が健康に繋がります。食事の偏りが気になっている方や、自分にあったスポーツフードを探しているという方は、ぜひ魚肉たんぱく同盟に注目してみてはいかがでしょうか?手軽で美味しいかまぼこが強い味方になってくれるかもしれません。

文/山本孟毅

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部 山本
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