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ここ数年、植物性由来の食材を使い、肉や魚などに似せた「ヴィーガンフード」をよく耳にするようになった。いまや普通のスーパーでも、伊藤ハムや丸大食品などお馴染みのメーカーが作る植物性由来の大豆ミートを使用したハンバーグやハムなどが並ぶコーナーができるほど。しかし、それでもなお珍しいのは海産物系。植物性由来の食材だけで作ったヴィーガン海鮮丼を食べてきた!

食べれば食べるほど「イクラ」!? それも高級な「イクラ」並の!

ヴィーガン(菜食主義者)が食べられる海鮮丼をいただきに向かったのは、東京・北千住のマルイにある『蓼科庵(たてしなあん)』。信州蕎麦のお店である。

さて、ヴィーガン海鮮丼だが、結論からいえば、ヴィーガンフードなのに、ごはんにのるイクラの味は「イクラ」であった。

見た目は写真でわかる通り、完全にイクラ。きれいに粒が揃った大きめサイズのイクラが、白米の上で輝いていた。粒を口に入れて歯をあてると、皮がふにゃっ、適度な弾力。この食感は、お高いほうのイクラの印象を受ける。

潰すと液体と共に、醤油の風味が広がった。「ヴィーガンフード」と知っているため心理的に違和感はあったが、なにも知らずに口にしたらわからないかもしれない。魚卵特有の甘みがなく全体にややあっさりした味わいで、逆にいえば臭みがない。そのあっさりさすら「このイクラの個性かな?」と思うくらいだ。

それどころか、食べるほどイクラ。少し潰して液体をご飯に絡ませて食べると、イクラ感が増す。

主な味つけは醤油なのに? 「海鮮丼を食べた!」気分満載の食後だったが、これまで食べてきたイクラを、イクラとして成立させていた味は、一体なんだったんだろう?

イクラの正体は、食物繊維豊富な食材が主原料だった

ヴィーガン海鮮丼にのるイクラの正体は、「みずたまご」

素の姿はタピオカ的な透明の粒をゼリー状の被膜で覆う調理技法で作られている。考案したのは“世界一予約のとれないレストラン”として有名なスペインのレストラン『エル・ブジ』のシェフ、フェランアドリア氏。画期的な調理法を編み出すことでも知られている。

この技術を応用、進化させて調理法を簡単にしたのが「みずたまご」である。主原料は海藻類のねばねば成分(アルギン酸ナトリウム)とマンナンで、特徴は着色が容易なことだ。

商品を開発した株式会社ニッコクトラスト・塚平高裕さんに経緯を訊ねると、「商社から提案された時に醤油をたらして食べたら食感がイクラで、これは商品化できると思いました」とのこと。偶然のアイデアから生まれたのであった。

蕎麦ツユも昆布や椎茸がメインのダシ汁で、カツオ節不使用。スッキリ、あっさりしながらも、太めの信州蕎麦に負けていなかった


「ソイむす」は、大豆から揚げを濃いめのヴィーガン用のツユで味つけた天むす

「今日はちょっとヘルシーに」食べたいときに活用できる

正直なところ、イカは見た目、食感ともに似せきれてない。噛むと水っぽかったので要改善だ。ただ、ワサビと醤油をつけて食べれば勘違いしそうなレベル。筆者は意外と好きだ。「ソイむす」の大豆のから揚げの食感は鶏肉のから揚げ。濃いめのつゆが白米と合う天むすであった。

SDGs(持続可能な社会を実現するための目標)の広がりから、現在ヴィーガンフードに注目が集まっている。アメリカでは11月にマクドナルドがプラントベース(植物性由来の食材)のハンバーガー販売と世界的な流れも。あくまで“肉や魚を真似た”食感や味わいではあるが、違和感の差が縮まり美味しくなってきた。

魚や肉を食べると尿酸値やコレステロール値が気になる。運動不足で体重増加気味で……。なんてときに、罪悪感なく食べられる食品として、外食時や普段の食事に取り入れる選択肢のひとつで「使える」。そんな印象を受けたヴィーガン海鮮丼であった。

いわゆるお蕎麦屋さんという風情

■蓼科庵(たてしなあん)
[住所]東京都足立区千住3-92 北千住マルイ9階
[電話番号]03-5284-8575
[営業時間]11時半~21時(20時LO)、金・土11時~22時(21時LO)
[休み]なし
[交通]JR常磐線ほか北千住駅西口より徒歩3分

取材・撮影/Naviee

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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