みなさん、定食はお好きですか。ランチでがっつりお腹を満たして、午後からの仕事の活力にしたいところでしょう。福岡にある『梅山鉄平食堂』は、そんな定食のバリエーションが豊富。迷ってしまうこと必至のお店なのです。一体どういう定食があるのか、福岡在住ライターが取材しました!
画像ギャラリー魚、食べ方、汁物……「迷う」を楽しむ食堂
「こんにちは!」。
元気な挨拶で客を迎える『梅山鉄平食堂』は、豊富な魚種が揃うお魚食堂だ。初めて来店したなら、メニューを見て、ずらりと並ぶ魚の名前と料理の数にきっと驚くだろう。
メニューは日替わりだが、毎日さまざまな魚の名前が並ぶ。正確な数は言えないが、ある日の魚種は40以上あった。しかも、煮付けにしたり、刺身や塩焼きだったり、フライや甘酢あんかけなど、食べ方まで選べる。
例えば、鯖は塩焼きや煮付けのほか、刺身や博多名物のゴマ鯖にもできる(「玄海・真サバ胡麻定食」1155円)。また、煮付けも作り置きしているものでなく、注文が入ってからその都度煮付ける。こうすれば、身はふっくらと柔らかく、魚本来の味がしっかり味わえるのだ。
魚好きにはたまらなくうれしい食堂だが、一方、迷ってしまうことも確実だ。
何を食べるか決めて入っても、メニューを見ると希少な魚を見つけて迷うこともある。旬の魚を見つけて、やっぱり脂が乗った魚を食べたいと迷ってしまう。焼くのもいいが、煮魚もいいなと迷ってしまう。やっぱり、刺身も食べておきたいと迷ってしまう。
しかも入荷があれば、アラや金目鯛など高級魚の刺身もメニューに並ぶ。こういうことも含めて楽しい食堂なのだ。
迷う、迷うと書いてしまったが、メニューは細やかで、「本日の魚の塩焼き定食」や「煮付け定食」もある。また、旬の魚やおすすめ、希少な魚なども細かく書き込まれ、注文時のヒントにできる。迷いながらも、結局、楽しい食堂である。
それだけではない。鶏のから揚げやチキン南蛮、焼肉、肉じゃが、なす味噌など魚じゃない定食も豊富である。
唐揚げ定食は量が多すぎて食べきれない人が多数。そこで、3分の2定食まで生まれたのだとか。常に客の要望を聞くのもありがたい。例えば定食の主菜のみを定食価格の150円引きで販売したり、味噌汁を豚汁や貝汁に変更できたり、自分なりのアレンジもできるようにきめ細やかに対応してくれる。
また、店主の梅山鉄平さんが「結局みんなこれが目当てかも」と笑うほど人気なのが自家製ふりかけ。これのおかげで、おかわり無料のご飯をつい食べ過ぎてしまうことも。ふりかけは、販売もしているので要チェックだ。
まあとにかく満足感が高い。家族や友だちだけでなく、目上の方とご一緒してもいいかもしれない。
自分のライフスタイルで味わえる食堂料理
梅山さんは、若い頃バーやイタリアンに勤務していた。しかし、27歳の時、食堂の良さに気づき、福岡市内の人気食堂で働き始めた。さらに、魚の扱いを身につけるため、魚居酒屋や魚市場でも経験を積んだ。
そして、2009年に待望の食堂をオープン。開店当初から人気は高く、土曜や日曜の昼時には行列ができるほどだ。客の年齢層も幅広く、皆に愛される食堂になった。
ここまで梅山鉄平食堂が多くの客に支持される要因を書いてきたが、もうひとつある。11時半の開店から休憩時間がなく、夜の営業まで通しで開けていることだ。
混み合うのが苦手なら、時間を少しずらしたり、ちょっと遅いお昼休憩や早めの夕食にも使える。なんとも頼もしい存在だ。
仕事終わりなら、刺身で一杯なんてことも可能。人気のだし巻き玉子は2切れから注文できるし、ポテトサラダなど単品メニューもいろいろある。自分流に利用できるのもうれしい。しかも、年中無休というのもまたありがたい。
また、テイクアウトのお弁当にも対応しているので、ライフスタイルやその日の気分で気軽に利用できる。家の近くにこんな食堂があったらいいなと思わせる一店だ。
■『梅山鉄平食堂』
[住所]福岡市中央区渡辺通3-6-1
[電話番号]092-715-2344
[営業時間]11時半〜22時半(22時LO)
[休み]無休
[交通]福岡市市営地下鉄渡辺通駅徒歩約2分
https://umeyamateppei.com/
※食材は季節や天候などにより漁獲量や価格が変動するため、メニュー、また営業時間についてはホームページでご確認ください。
撮影/松隈直樹 取材/牛島千絵美
画像ギャラリー