初夏から出回る葉しょうがは「谷中しょうが」とも呼ばれる
新たまねぎが店先に並ぶのは春先から初夏にかけてだけですが、きゅうりはもちろん、新しょうがも、みょうがもほぼ1年じゅう出回っています。本来は夏の野菜です。けれども、初夏から店先でよく見かけるようになるのが、葉しょうや、新しょうがです。ハウス栽培なので通年で出回るようになっているのでしょうが、酢の力でおいしくなるものは、やはり初夏から夏にかけての需要が大きいのでしょうね。
ちなみに、しょうがは、その収穫の段階や貯蔵により、「三つの味わい方」になっているのです。せっかくの機会なのでご説明いたします。「葉しょうが→新しょうが→ひねしょうが」の三段階です。
「葉しょうが」は、成長途中のしょうがの根で、店先には緑も美しい葉付きで並んでいます。さわやかな味わいが身上で、かつての有名な産地から「谷中しょうが」と呼ばれたり、「筆しょうが」とも言われたりします。味噌をつけて食べるとおつな味わい。本来の季節は初夏から夏のものですね。
「新しょうが」は、葉しょうがの段階のしょうがの根がさらに成長したもので、葉が枯れてから収穫されるものです。辛味もより強くなり、甘酢漬けにはいちばん合うと思います。本来の季節は秋です。
「ひねしょうが」は、収穫した新しょうがの根を貯蔵したものです。貯蔵することで辛みが増し、薬味として用いるのにちょうどよい、いわゆる「普通のしょうが」となるわけです。普段の私たちが、冷ややっこや、ソーメンでお世話になるおろししょうがは、このひねしょうがをすりおろしたものです。