『潮』@西国分寺
華麗な料理の数々に蕎麦までの道のりが楽し過ぎて困る
「毎年この海老芋を待ちかねる常連さんが多いんですよ」と教えてくれたのは店主の潮さんだ。
繊細な海老芋は身割れしないようにそっと静かに炊き上げて味を含ませる。その技たるやため息ものである。
潮さんは料亭の元料理長。料理への情熱と知識は計り知れず、そこから生まれるメニューは蕎麦屋の枠を軽やかに超えていく。技ありの一品から何気ないぬか漬けまで、シンプルな中にも料理屋の手仕事が隠れているのだ。壁に貼られたイラスト入りの品書きを見るだけで、あれもこれも食べたい欲望に火が付くこと必至。
最後はしなやかな蕎麦で〆て気分は上々。寒い冬の夜にも、駅へとたどる道々は口福の余韻に包まれて、心はじんわりと温い。
[住所]東京都国分寺市西元町2-18-11
[電話]042-359-2898
[営業時間]11時半~14時LO(土~15時LO)、17時~21時(20時半LO)
[定休日]火(祝日の場合は翌日休)
[アクセス]JR中央線ほか西国分寺駅南口から徒歩7分