ビールがあまり飲めないオーナーが目指す日本一への道
まず驚いたのが、これだけのクラフトビールを揃えているからさぞかしビール好きだろうと思っていたら、むしろその逆だったこと。
「ビールはあまり飲んでいなくて、大手メーカーさんの生ビールをたまに飲むくらいでした」
では、なぜクラフトビールに目をつけたのか。それは、2019年10月のオープン時期にさかのぼる。予想よりも売り上げが伸びなかった上、コロナ禍に突入。苦戦が続く中で、よく売れていたのがアルコール類だった。横浜ハンマーヘッドにはテラスがあることから、お酒を買って飲む人が多かったのだ。
「素人感覚で、外で瓶ビールを飲むと美味しいのではと考え、取引のあった会社に、海外の瓶ビールのラインナップを聞いて仕入れました」
そして、横浜が日本ではじめてビールの醸造所が誕生した地ということで、地元のブルワリー「横浜ビール」のビールも扱いはじめた。さらに、アメリカンクラフトビールショップ『アンテナアメリカ』を展開する、横浜の輸入販売会社ナガノトレーディングとも取引を開始。『アンテナアメリカ』に通って勉強を重ねた。
「仕入れ額は大手メーカーのビールより高くなるのでリスクはあるけど、ここまできたら日本一ビールを売るコンビニになってやろう! と決めたんです」
そこからは猪突猛進。「横浜にクラフトビールをたくさん置いているセブン-イレブンがあるらしい」と評判を呼び、インポーター(輸入元)からお店にやってくるようになったそう。こうして取引先が増えていき、気づけば最大で500種類のクラフトビールを取り扱うようになった。
「無知だからこそジャケ買いで仕入れつつ、トレンドもキッチリおさえていたら、多彩なラインナップになってきました。今では少ないときでも常時300種類は販売しております。
当店を訪れる方は、クラフトビールの知識がなかったり、ビールは好きでないけど買ってみようかなという方が多いです。エール系をはじめ、クラフトビールにはさまざまなスタイルがあるので、当店にいらっしゃれば好みの味に出合えるはず。クラフトビールを嗜む入り口として楽しんでいただけたらうれしいです」