読みたい北海道

【読みたい北海道・難読地名編】利尻富士がそびえる北の離島のフェリーターミナルがある「鴛泊」は?

「白い恋人」のパッケージモデルになった沼浦展望台 利尻島の南にある沼浦展望台は別名「白い恋人の丘」。北海道の銘菓「白い恋人」のパッケージに描かれている山は、ここから撮影した利尻山が使われているそうなのです。どうしてもこの…

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民間調査会社による47都道府県魅力度ランキングで13年連続1位に輝く「北海道」。

観光地として圧倒的な人気を誇り、豊富な海の幸や新鮮な牛乳やチーズなどの酪農製品、札幌ラーメンなどのご当地グルメ、雄大な自然、スキーなどのアウトドア…とにかく”非日常的“な魅力がいっぱいです。

そんな北海道には、漢字の一般的な読み方から想像するのが難しい地名がいくつもあります。

九州の2倍強という広い大地ゆえ、馴染みのないエリアだと道産子でも読めないものも少なくありません。「おとなの週末Web」では北海道の難読地名を取り上げながらその周辺の観光スポットやグルメも紹介していきます。読み方を学びながら束の間の旅気分を味わってみませんか?

今回は「鴛泊」。北海道北部に位置する離島、利尻島の地名です。何と読むでしょう。

答えは…

答えは「おしどまり」。 利尻島のフェリーターミナルがある地名です。

利尻島は利尻町と利尻富士町の2つの町を有する島で、2町を合わせた人口は5000人弱です。

稚内フェリーターミナルからフェリーで約1時間40分、利尻富士町の鴛泊フェリーターミナルに到着します。島の真ん中には、日本百名山の一つ、標高1721mの利尻山がそびえ、洋上からは円すい形の美しい利尻山がまるで浮いているように見えます。

フェリーから利尻山を望む

利尻島へは空路の場合、新千歳空港や北海道内の航路を主とする丘珠(おかだま)空港(札幌市)からだと約1時間で到着しますが、陸路の場合は札幌から車やJRを使い、利尻島対岸の稚内市まで約6時間かかります。

私は車で行き、稚内で前泊しました。時間はかかりましたが、途中、日本海を眺めながらのんびりオロロンライン(石狩市から稚内市まで日本海側を走る約300キロのドライブルート)を走り、日本最北端の稚内市でお土産を買ったり宗谷岬まで足を延ばしたりと、遠い所まで来たなあという感覚を味わえました。オロロンラインに沿って北上すると、日本海の向こうに利尻山が見えて圧巻です。

日本最北端の線路の碑

利尻島は周囲約63km。車で約1時間半から2時間ほどで1周できます。利尻昆布やウニが特産で、おススメのシーズンは何といっても夏!期間中は多くの観光客や登山客が訪れます。

利尻と言えば…ウニ採り体験

利尻町の神居海岸パークでは、海に係留されている船の上からウニ採り体験ができます。地元の漁師さんと同じように箱メガネで海底をのぞき、タモと呼ばれる網を使ってウニを狙います。採ったウニはその場で殻を割って食べることができました。

ウニ採り体験中

小学生でも体験できるので、当時、小学1年生の息子も夢中に。自分で採ったウニの味は格別だったようです。家族連れで楽しめる場所です。シーズンは人気なので、予約して行った方が安心です。

大きいウニが採れました!

「白い恋人」のパッケージモデルになった沼浦展望台

利尻島の南にある沼浦展望台は別名「白い恋人の丘」。北海道の銘菓「白い恋人」のパッケージに描かれている山は、ここから撮影した利尻山が使われているそうなのです。どうしてもこの角度の写真撮影がしたくて、かさばることを承知で缶を持っていきました(笑)。おかげで、晴れて缶と同じ確度の素敵な利尻山の撮影ができました!

絵になる白い恋人の缶と利尻山

ちなみにプロポーズの写真を撮影して、鴛泊フェリーターミナル内にある利尻富士町観光案内所に持っていくと「プロポーズ証明書」を発行してくれます。

アザラシに癒される仙法志御崎公園

利尻島の南にある仙法志御崎(せんぽうしみさき)公園では、アザラシのプールでゴマフアザラシの餌やり体験ができます。訪れた時は、アザラシが気持ちよさそうに泳いでいました。人に慣れているのでしょうか、目が合うんです。まるで「ごはんちょうだい」と言われているようでした。

プールで泳ぐアザラシ

このエリアは、火山の噴火で海に流れ込んだ溶岩が造った奇岩などが数多くあり、荒々しい独特の景観が特徴です。利尻昆布の天日干しの様子も見られ、土産店では昆布そのものや昆布を素材とした商品を買うことができます。

知る人ぞ知る、ミルピス商店

利尻町には知る人ぞ知る乳酸菌飲料「ミルピス」があります。原液から手作りで、実に半世紀以上も愛されている商品です。瓶を見て牛乳をイメージしてしまったのですが、すっきりとした飲み口でカルピスに近い感じ。ほてった体を冷やしてくれました。

パッケージに懐かしさを感じるミルピス

このほかにも、島内で採れた果実などを使った無添加ジュースも販売。お店の方がとても気さくで「どこから来たの?」などと話しかけてくれて、楽しいひとときを過ごしました。

趣のある店舗外観

関東出身の学生時代の友人が、利尻島の自然に魅了され15年近く現地で暮らしています。訪れて感じたのは「気持ちが落ち着くなぁ」ということ。都会の喧騒を忘れられ、のんびりと過ごすことができます。

ぜひ利尻島を訪れた際は、離島の自然を全身で味わってリフレッシュしてくださいね。

文・写真/森順子

森 順子

元テレビ北海道アナウンサー。現在は教育サービスの会社を運営しながら地理の楽しさを普及する活動も行っている。地理女net代表/札幌国際大学短期大学部講師/札幌観光大使

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